冬のせいにして
今年も一番好きな季節が来た。
寒さには弱いし、朝は起きづらいし、乾燥もつらい。
それでも、この季節がくると少し安心する。
街の空気が澄んで、光が静かに反射してる。
どこか整って見える街並み。
車の排気や、飲食店の煙突からゆっくり上がる
白い煙が、
冬の景色をやさしく揺らしている。
人の声も少なくて、音のない時間が増える。
その静けさの中で、少しだけ寂しさを感じる瞬間がある。
冬の冷たい空気の奥に、人の温度を求めてしまうような、
あの“人肌恋しい感じ”すら、冬の一部みたいで嫌いになれない。
服を選ぶ時間も、この季節は少し特別だ。
ウールの重み、マフラーの手ざわり、
コートの肩に落ちるライン。
服を重ねていくうちに、
少しずつ自分の輪郭が整っていくような気がする。
ホットコーヒーを一口飲むと、
冷えた指先の感覚がゆっくり戻ってくる。
たばこの煙を吐くと、白い息と混ざって空に消える。
その瞬間だけ、世界がやけに静かに見える。
何もしていないのに、ちゃんと生きてる気がする。
……ただ、気づけば今年はこのままだとクリぼっちになりそうで、
少しだけ焦っている。
特に何か行動してるわけでもないけど。
まあ、恋より先に着たい(期待)コートがあるし
これも冬のせいにしておこう。
