見出し画像

二日酔いの朝に残ったもの

二日酔いのまま、今年を振り返っている。
なんなら、迎え酒までしている所。

今年ももう終わる。
二日酔いの朝は、正直だ。
体は嘘をつかないし、
心も少しだけ柔らかくなる。
最近は忘年会が続き、肝臓は悲鳴を上げているはずなのに、
それでも不思議と幸福感があった。

「今年、変わったな」
何人かにそう言われた。
評価なのか、ただの事実確認なのかは
分からない。
ただ、立っている場所が去年とは違う、
その感覚だけは確かにあった。


1月にpopupをした。
自分で選んだ服を、自分の言葉で説明する。
買ってもらえた瞬間、商品ではなく感覚を手渡せた気がした。
あの経験は、自分が服に関わる理由をはっきりさせた。

3月末、1年半勤めた老舗古着屋を辞めた。
多くを学んだ場所だった。
同時に、ここに居続けても自分は変われないとも思った。
止まっている感覚に気づけたこと自体が、
すでに前に進んでいたのかもしれない。

去年の10月、次に行きたい店に履歴書を直接渡した。
返事は長く保留。
可能性だけが宙に残っていた。
もし入れなければ、服の道を離れるつもりだった。
選択肢を減らすことで、覚悟だけははっきりしていた。

5月、その店に入ることができた。
まだ自分は服の道に向いているんだと、静かに再確認できた。
まだこの世界にいていい。
そう許可をもらえたような気がした。
雇ってくれたオーナーには、今も感謝している。

新しい環境は、新しい繋がりを連れてきた。
人が増え、
視点が増え、
言葉にならない違和感も増えた。
それらはすべて、
引き出しの奥に放り込まれている。

今年を振り返ると、
ほとんど仕事しかしていなかった気がする。
環境が変わり、考え方が変わり、
気づけば、戻れないところまで来ていた。

二日酔いの朝に幸せだと思えるなら、
その一年は、きっと間違っていない。
そう思えるところに、今は立っている。
変わり続けることを、来年も選びたい。

いいなと思ったら応援しよう!