vol.280「『役職=記号』を理解しない相手への傾向と対策。ハラスメントに対抗するにはハラスメント?」
ゼロから、自分の頭だけでものごとを考えるのが苦手で、代わりに「参考になる視点」を手に入れると、加工して真似るのが得意だと自分では考えています。
「視点」の入手先のひとり、出口治明さんから教わって役に立っているのが「役職は、単に役割分担=記号にすぎない」です。
役職は記号にすぎない。つまり、人格的に偉い/人間の身分が違う等を意味しないにも関わらず、なぜか威張りたがる上位役職者はいます。
では遭遇したときにどうするか。1対1で毅然とした態度で戦える人はそうそう多くありません。対策をあらかじめ考えてみることは意義があると思います。
◆理解しない上位役職者への、「傾向と対策」。
対策は、「自分(役職者)の立場はそんなに安全ではない」と理解させること。「こちらにも対抗する手段があるのだぞ」と思い知らせることです。
「思い知らせる」というとなんだか物騒だけど、ともかく実際に試して、または自分が経験して、効き目のあった方法を紹介します。
①席を立つ。
了解を取ろうとしているプランの説明をストップして、こちらから席を立つ。「あ、そうですか。じゃあいいです」と言って、話すのをやめる。
以後、予定を取りなおしたりしない。
そのプランは、放置しておくか、または、上位決裁者(上司の上司)への説明へとフェーズを進める。

仕事のプランが進まないときに困るのは、本来、部下ではなく上司です。
「ああそうですか、好きにしはったらよろしい」と思えるなら前者=放置。自分のため、または顧客や組織のため、と思うなら後者=先へと進める。
※そうなると、懸念は「後で報復されるリスク」だと思います。また別の記事で書いてみます。
②横のラインで連携する。
1対1ではなく、1対多の形に持ち込む。部下、チームメンバー間で出来事を共有して、対抗策を取る。
・説明のとき必ず複数で行く。気遣いではなく、横で聴いていますよ、という主張をする。
・その上司とは、若干よそよそしく、礼儀を守って話す。よそよそしさをコントロールする。
「一斉に連携しはじめた」ことは察知させるが、その証跡はなく、その行動をやめさせる理由はない(行動そのものは問題がない、ケチをつけられないこと)が重要。
1対複数は 1対1より確実に効果があります。

③頭の上がらない人から 言ってもらう。
上司が一目おく、または頭の上がらない大先輩に頼んで、忠告してもらう。その先輩が、上司の部下ではあることがポイント。
その大先輩への相談も、自分ひとりで行くか複数で行くか、作戦を考えるところからセット。
「誰それ(貴方)から聞いたけど」と言ってもらっていいのか、匿名でお願いします、なのか(※)、細かい注文に応じてくれるかどうかも事前に想定しておく。
※ちなみに私が逆の立場=「諫言してほしい」の依頼を受けたときは、特に名前を出してよいのでなければ、本人に後で圧力がいかないよう、「夢で見たんですけど」ということにしてます。

④上級上司に「告げ口」する。
上司の上司に言う。こっそりと、または明るく「告げ口」する。同じく、1対1でアポを取るか、複数で行くか考える。
上級上司のキャラ、性格、守秘義務をまもってくれそうか、をあらかじめ見極めるのは、③の大先輩のとき以上に重要。ここを間違うとそのまま上司に言ってしまい、上司から逆恨みされる、または上司の肩をもって二重の圧でハラスメントされることにもなりかねない。
一般には、上級管理職層~役員クラスの偉い人は、目下の相手/若い世代から相談を受けたり頼られるのは好き。きちんと伝わるように真剣に頼めば、上手に動いてくれる可能性も高い。
とはいえ、選べるなら複数候補から選ぶのがベスト。
⑤記録に残す。
複数を入れたメール(入れる相手の人選は②③④を参考に選ぶ)など、記録に残る形でやり取りする。たとえば「この件は中止ということでよろしいでしょうか」など確認を取る。チーム全体の定例ミーティングで「ところであの件ですが」と話を切り出すのでもいい。
確認を取るのが目的ではなく、大勢の前ではっきり発言させるのが目的。
本当に深刻な状況なら、録音する。録音は堂々と録ってもいい。そのときもあくまで「私、議事録をまとめるのが苦手なので、録音するようにしてるんですよ~」と「とがめられない理由」を添えるといい。
※性格によるけど、黙って押し、机のうえに置くのもあり。
* * *
繰り返しになりますが、「権力を持つ上役」に、単独で強い態度を取れる人は多くない。そこで一例として、対策の例をご紹介してみました。
共通点は「1 対 複数の構図にする」こと。
彼らは「相手の立場が弱い」と思ってそういう行動に出てるのですから、こちらのほうが強いかも、と思われることができたら、改善する可能性が高い。改善まで行かなくても控えるようになってくれれば、すくなくともムダなストレスからは解放されます。
「上司という仕事」をしていながら、人の説明を聞かない、部下に対して不機嫌な態度を取る「権利」を、私はいっさい認めていないので、必要に応じて、1対1でも対抗措置を講じるようにしています。
向こうが私を解雇にしたり、給料を半分にしたり、異動させたりできないことを知っているからです。
もうひとつの共通点は「あくまでルールの範囲内でやる」こと。
"法的には問題のない"範囲で、包囲網をつくる。ルールを逸脱したり、早まった行為に出るのは、相手に阻止する口実を与えるぶん、不利です。
「合法な範囲での対抗策でこちらも圧力をかける」。悪い言い方をすれば「ハラスメントに対抗するにはハラスメント」、と言ってもいいかもしれません。
最後までお読みくださりありがとうございます。
"普通のサラリーマンが闘う映画"の金字塔だと思います。
