数字にならない経験を分析する!?解釈的現象学的分析の方法論
ランダム化比較試験やコホート研究などの疫学研究は、人の健康事象を主に統計学の枠組みで定量化します。客観性や定量性に優れた研究デザインである一方で、人の健康事象を統計学の言葉でしか救うことができません。
それ故、患者に生じている身体的経験や疾病に対する意味付け、価値認識などを精細に分析することは困難です。また、疫学的な研究では、介入(曝露)とアウトカムの関連性を評価できても、その間に存在する文脈やメカニズムの探求は困難だと言えましょう。
質的研究は、疫学研究のような量的研究ではとらえられない人の感情や経験、価値観などを主にインタビューや観察等によって収集・分析する研究手法です。量的な研究ではとらえきれなかった複雑な背景や文脈、新しいアイデア(仮説)の発見に役立ちます。
今回の記事では、質的研究中でも現象学や解釈学を基盤とする解釈学的現象学的分析(Interpretative phenomenological analysis:IPA)について、その基本的な方法論や具体的な研究例をご紹介します。
解釈的現象学的分析の理論的基盤
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