【日記】パンクなRocky
今日も今日とて工房へ向かう。
家から15分弱の間に信号は2つしかない田舎道を、backnumberを熱唱しながら運転していた。
想いがあふれたらどうやって〜
どんなきっかけタイミングでぇ
手を繋いだらぁ いいんだろう〜
どう見ても柔らかい君の手を
どんな強さでつかんでぇ
どんな顔で見つめればいいのぉ〜
と気持ちよく歌っていたそのとき、ゴォーーーッという聞きなれない音が聞こえてきて、飛行機でも飛んでるのか?基地関連が騒がしいのか?いまだ戦争をしている国があるというのだし、と憂いながらbacknumberの音量を下げ、ちょびっと窓も開けてみた。
ゴォーーーという音は、一つ目の信号で止まったときに止み、また走り出したら聞こえ出した。
え?私!?(ってかマイカー?)
聞いたことのない音に途端に不安になって、信号を過ぎたあたりの待避所へ入った。バタンッと降りて、愛すべきマイカー、赤いRockyの車体を愛で、確認してみる。

わぉ!パンクじゃん!
Rockyってば、パンクしてんじゃん!
イカれてんじゃん!
右後ろのタイヤがしゅーんとぺちゃんこになっていて、これじゃあ仕事には行けそうもない。
とっても残念な顔だけして、正当な遅刻理由に、この際のんびりしてやろうかと一瞬掠めたり掠めなかったりしながら、はてどうしよう…。
「こんなの初めて…。」
教習所ではパンクをしたら、みたいなこと習った気がするけれど、はや30年近く運転している人生の中で、幸運にも初めてのパンクだった。
そんな時、私が真っ先に電話をかけたのは、自動車整備士の従兄弟。
従兄弟のお兄ちゃんになら、私の初めてを任せてしまってもいい気がした。
ついこの間、車検でお世話になったばっかりだし、18年乗っていたオレンジ色のムーブラテが煙を上げたときにも、真っ先に電話したのはこの従兄弟。我が家のタイヤ交換はすべてお任せしていて、車のこととなれば、この従兄弟にすべて聞くという頼り様なのだ。他に頼る術はない。
「Rockyがパンクしちゃったー、どうしよう?」
「んー、じゃー、今からスタッドレス持って行くわ〜、待っとって。」
「え!?いいの?ありがと〜!すんません…。」
なんて頼りになるお兄ちゃん。
持つべきものは、自動車整備士の従兄弟だわ♪
しばらくすると、青いアクア代車で来てくれて、預けてあったスタッドレスタイヤにその場でサクサク交換してくれた。脇道を通り過ぎていく車には、きっと色目で見られたのかもしれないけれど、私たちはなにもやましいことはしていない。
「柊ちゃんは、これ乗っていって。」
と、優しい従兄弟は、パンク修理でいけるか、新しいタイヤを買わないといけないか見てみるわーとRockyを連れて行ってくれた。
無事に堂々と遅刻をして、工房に着き、母に一部始終を話し終え、
「やっぱりさ〜、今朝、私、大地震がきた夢みたからやわ〜。」
と言うと、母は、#なんのはなしですか?という顔をした。
おっと、そうだった。
私のいつもの癖なのだ。
自分の脳みその中ではちゃんと辻褄が合って喋っているのだけれど、その脳内のプロセスをことごとく端折って話しはじめるから、聞いてる相手は「急になに!?」ということになる。よくある。
なので、ちゃんと話すのだけれど。
「いやさ〜、今日、夢で東京の友達の家に行ってたら、めちゃくちゃ大きく揺れ出して。しかも結構長いこと揺れてて。
『地震だ!しかもめっちゃデカい!』
ってなってさ、周りの建物とかも倒れたりしてて。それなのに、なんか私は意外と冷静で、
『わぁ〜、こんな大きい地震はじめてだなぁ〜、こんな揺れるんや〜、震度何くらいなんだろ〜』って観察してて。で、揺れがおさまったあと、そろそろ帰れるかなぁって、新幹線のチケットを取りに駅に行ってたっていう夢を見てさー。」
「ほぉ、地震!?」
「そー、で、怖いから夢占いで調べてみたら、
『予期せぬトラブルの予兆かも』とか書いてあってさ。え、これじゃん、パンクじゃん。でも、冷静に逃げきれたなら、『問題や困難を乗り越えられるサインです』ってあって。
あー、このことかぁ〜、乗り越えたわ〜確かに〜って思って、今。」
「なるほど〜、そんならよかったわ!」
「しかもさ、もし今朝、三女を学校送っていってたら、早朝のあの山道で、パンクして立ち往生とか怖すぎたと思う。よかった〜、三女今日学校休んだの正解やったわ。従兄弟来てくれる時間帯で、しかもいつもの道で、ホントよかった!」
「ホントやね〜!」
そうして先ほど、タイヤ修理がおわったよー!と連絡がきて、従兄弟に冷え冷えの缶ビールをたくさん買って、Rockyを迎えにいってまいりました。
この歳で、私、無事に初体験を乗り越えることができたようです。
持つべきものは、自動車整備士の従兄弟です。
ところで、『予期せぬトラブル』の解釈がこれで合ってますように…。え、やめて。
