『アリババ』『愛の乞食』大阪公演を観劇した話。
東京公演に行けなかった今回。大阪公演初日にして、ようやく観劇できた。全編関西弁での上演。テント公演を経て、どんな違いや変化があるのか、とてもワクワクしながら観劇を迎えた。
行きの新幹線で、テントのパンフレットを読んだり、悲劇喜劇9月号に載っていた今回の演目の戯曲を読んだりして、テントで観たときの記憶を蘇らせながら向かったが、なんせ劇場公演は全編関西弁、会場も大きくて演出も出演者も変わる。予習という意味ではしてよかったかもしれない。
ちなみに今回のお席は下手側5列目。下手側でもセンブロに近いお席だったから全然観やすかったし、舞台も近くて演者の表情までよく見えた。
1幕:アリババ
テントのときも怒涛の会話で話が進んでいくからスピード感があったが、今回の全編関西弁のおかげか、宿六さんと貧子さんの掛け合いにスピード感がテントのときよりもプラスされている感じがした。全編関西弁の醍醐味というか、関西弁だからこそのスピード感が宿六さんと貧子さんの会話のテンポに合っていて、この戯曲の世界観に一気に引き込まれた。
宿六さんが馬を探して右往左往に駆け回るのも、テントでの良さはそのままに劇場の大きさに合わせて駆け回っていて、それだけで伝わるエネルギーがすごい。表情、動き、セリフの言い回し、宿六さんのいろいろな部分からものすごいパワーが伝わってきた。
貧子さんに子ども拾いの老人が見えるようになって、児と子宮虫、英子が出てきてからは、もうなんだか涙が止まらなくて、1幕が終わるまでずっと泣いていた。どうしてこんなにも泣けたのか、上手く言語化できなくてもどかしいんだけれど、とてつもなく涙が溢れて止まらなかった。
そんな中、部屋の隅で柱にしがみつく宿六さんがどんなことを考えていたのか、一度の観劇では理解し切れなかったから次の観劇ではそこに注目して観てみたい。
2幕:愛の乞食
ミドリのおばさんの衝撃たるや。伊原さんのお芝居すごすぎた。東京公演を観劇できていないから分からないけれど、アドリブっぽいのもいくつかあって、ホームだからかめちゃくちゃ面白かった。
朝日生命の田口さんは、テントのときよりも輪をかけてなよなよしてて、可愛かったな…優しく背中をさすってあげたり、話を聞きながらちょこんと座っていたり、そろりそろりとおトイレに入ったり、蛇口をひねったり。ミドリのおばさんに聞かれて身の上話をするときや母親の話をするとき、悲しそうな儚げな表情してて、すごく好きだった。
そんな田口さんからの一本足の憲兵さんのギャップえぐい。テントのときにも感じたが、安田くんの声の出し方、立ち振る舞い、何もかもが違っていて、【役者安田章大】を感じた瞬間だった。特に最後のシーン。水を浴びて足を切られて、朝日生命の田口から一本足の憲兵に一瞬で切り替わったのが分かった。表情、立ち姿。流石だった。
もっと驚いたのは、万寿シャゲ役の伊東蒼さん。出てきた瞬間から、もうすごいとしか思えなかった。錚々たる役者たちがいる中での存在感がすごすぎた。全然負けてない。次の愛知でも伊東さんのお芝居がまた観られると思うとワクワクする。
テントのときから結構好きだったザ・ガードマンの二條さん。より一層強烈なキャラクターになっていて、もっと好きになりました。笑 愛知でも二條さんのガードマン観られるのが楽しみ。
テントぶりの『アリババ』『愛の乞食』観劇で、テントとの違いや関西弁になることで感じた変化がたくさんあった。テントのときには理解し切れなかったこの作品の世界観を少しだけ理解することができたような気もする。愛知公演までに、戯曲やパンフレットを読み込んで、もっと理解を深めて観劇したい。

おわり。
