【後編】採用がうまくいく会社は、なぜMission・Vision・Valueを語るのか。
Valueが採用基準をつくる
※まずは前編からお読みください。
MissionやVisionは、会社の方向性を示すものです。
一方で、Valueは「誰と一緒に働くか」を決める基準になります。
採用活動でよくある失敗は、「スキルだけを見て採用すること」です。
経験も申し分ない。
面接の受け答えも上手い。
即戦力として期待できる。
それでも、数ヶ月後には退職してしまう。
このようなケースは珍しくありません。
その原因は、能力ではなく「価値観のミスマッチ」です。
例えば、「挑戦」をValueとして掲げる会社に、「安定」を重視する人が入社したらどうでしょうか。
また、「チームワーク」を大切にする会社に、個人プレーを好む人が入社したらどうでしょうか。
どちらが悪いわけではありません。
ただ、お互いに幸せな結果にはなりにくいのです。
だからこそ、採用で見るべきなのは「できる人」ではなく、「自社で活躍できる人」。
Valueは、その判断軸になります。
MVVが定着率を左右する理由
採用は、入社がゴールではありません。
本当のスタートは、入社したその日からです。
近年、多くの企業が早期離職に悩んでいます。
給与や待遇が理由だと思われがちですが、実際には「思っていた会社と違った」というギャップが原因であるケースが少なくありません。
つまり、採用前の期待と、入社後の現実が一致していないのです。
MVVが浸透している企業は、このギャップが起きにくくなります。
Missionに共感し、Visionに魅力を感じ、Valueに納得したうえで入社しているため、「この会社で働く意味」を理解した状態でスタートできるからです。
採用活動は、会社を良く見せる場ではありません。
会社を正しく伝える場です。
その役割を担うのがMVVなのです。
面接でMVVをどう活用するか
MVVは採用ページに掲載して終わりではありません。
面接でこそ、その真価が発揮されます。
例えばValueに「挑戦」を掲げているのであれば、
「これまで最も大きな挑戦は何でしたか?」
「失敗した経験から何を学びましたか?」
という質問を通じて、その人の行動特性を見ることができます。
また、「顧客第一」を掲げる企業であれば、
「相手の期待を超えるために工夫した経験を教えてください。」
という質問のほうが、スキルを聞くよりも本質的です。
重要なのは、「質問をすること」ではなく、「Valueに照らして評価すること」。
面接官によって判断基準が変わる会社では、採用品質は安定しません。
MVVを評価基準に落とし込むことで、誰が面接をしても一定の採用品質を保つことができます。
中小企業こそMVVを武器にできる
「MVVは大企業の話でしょう。」
そう思われる方もいるかもしれません。
しかし、私たちはむしろ逆だと考えています。
知名度や給与で勝負できない中小企業だからこそ、MVVが強力な採用競争力になります。
求職者は、「何をする会社か」だけではなく、「どんな人たちと働くのか」「何を目指している会社なのか」を知りたいと思っています。
共感を生むストーリーがあれば、企業規模は関係ありません。
実際に、多くの成長企業はMVVを軸に採用ブランディングを行い、知名度以上の採用成果を出しています。
会社の魅力は、規模ではなく「伝え方」で決まる時代なのです。
Sync Ascentが採用支援で最初にMVVを整理する理由
私たちが採用支援を行う際、最初に求人票を作ることはありません。
まず確認するのは、
「この会社は、なぜ存在するのか。」
「5年後、どんな組織を目指しているのか。」
「どんな人と一緒に働きたいのか。」
という経営の根幹です。
ここが曖昧なままでは、求人票も、スカウト文面も、面接も、採用広報も、一貫性を持たせることはできません。
逆にMVVが明確になると、採用活動全体に一本の軸が生まれます。
求人票には企業の想いが反映され、スカウトでは共感を生み、面接では価値観を見極めることができる。
そして、入社後のオンボーディングや評価制度にもつながっていきます。
採用は点ではなく、組織づくりという線で考えるべきものです。
MVVは、その線をつなぐ「土台」と言えるでしょう。
まとめ
採用がうまくいく会社は、特別な採用手法を持っているわけではありません。
SNSを上手く活用しているからでも、高額な求人広告を出しているからでもありません。
共通しているのは、「自分たちは何者で、どこを目指し、どんな仲間と働きたいのか」が明確であること。
Mission・Vision・Valueは、会社を飾る言葉ではありません。
採用を成功させるための「経営の言語」です。
これからの採用市場では、人を集める時代から、人に選ばれる時代へと変わっています。
だからこそ、採用活動の前に見直すべきなのは求人票ではなく、自社のMission・Vision・Valueなのかもしれません。
Sync Ascent(シンクアセント)
採用コンサル・RPOのプロフェッショナルファーム
https://sync-ascent-inc.com/
