指差呼称の重要性について思うこと

指差呼称
と書いて、なんて読む?

しさこしょう、でも、ゆびさしこしょう、でも好きなように読んでくれて構わない。
さて、今回指差呼称についての話をしよう。

指差呼称が無駄だ、という意見を見た。
わたしは無駄では無いと思う。
その理由として、とある会社の安全担当者として話をしよう。

簡単に自分の話をする。X(この言い方よりTwitterの方がしっくりくるんだけど)では鳶で〜〜すなんて言ってる。
その通り鳶です。
鳶って何なの?っていうと
仮設足場を組む足場鳶
重量物や機械器具を搬入する重量鳶
鉄骨を組む鉄骨鳶
などなど
色々鳶にも種類はあるんだけど
まあ高いところで仕事する作業員、職人を鳶と総称するのよね。
わたしはその中でも重量鳶という仕事をしている(はずだけど、弊社は足場も組むし鉄骨もやる)んだけど
その中で、安全衛生管理も任されている。
その上で、指差呼称について話をしようと思う。

さてまず、何のために指差呼称をするのか?というとミスを軽減させるため。
ミスが1/6程に軽減できるという話もある。
ミスとは?
軽微なミス、というと躓いて転倒(足元ヨシ)や周囲にぶつける(周囲確認ヨシ)がある。
これならまだまあ軽傷。
重大なミスは?というと線路内の異物や人物に対して(異物確認ヨシ)安全帯の着環確認(安全帯ヨシ)玉掛けの確認(玉掛ヨシ)クレーン使用時や重機等使用時の周囲確認(人払ヨシ)等、人命に関わるものだ。

さてここで、ハインリッヒの法則というものがある。
ハインリッヒとは、アメリカの損保会社に勤めていた安全技師(まぁ安全担当者みたいなもんよ)の名前。
んでその人がみつけた法則がハインリッヒの法則。
その内容として
「1件の重大な事故には29件の軽微な事故、300件のヒヤリハットが隠れている」という法則なのだ。
これはハインリッヒの経験則に過ぎないのだが、確かに働いていると何回かの身体をぶつけたりものを落としたりの危ねぇ!のヒヤリハットをもって階段を踏み外したり転倒したり高所からものが落ちてきたりのいってぇ〜!の事故がおきる。
こういった時に気を引き締める事が大切であると、重々感じるのだ。
さて、本題に戻る。
年に300回のヒヤリハットがあったと仮定する。その場合、1件の重大な災害が発生するのだ。
しかし、例えばこれが1/6に本当になるのであれば、単純計算で6年に1回の重大災害になるのだ。

建設業従事者なので建設業の話をするのだが、令和5年度の死亡災害は223人であった。年に223人の人が災害で亡くなっている。多いだろうか、少ないだろうか。多いのだ。
命を落とす人を減らすためには、やはり過去の教訓を生かすしかないのだ。

そこで指差呼称である。

もし、指差呼称を徹底し、全作業員に浸透させ必ず実行し1/6に減らせるのなら、227人が37人になるのだ。
そんな嬉しいことは無い。誰も死んで欲しくない。
それであれば指差呼称は導入すべきなのだ。藁にもすがる思いなのだ。
全員が全てをやってくれるとは信じてない。
だからこそ、採り入れられるものを全て採り入れるのだ。
その効果を少しでも物にするために。
採り入れず死ぬ人が、怪我をする人がいるのであれば1人でも死なず怪我をせず、たとえ怪我をしても軽傷で済むように。
危険が伴う仕事だ、みんなが行ってきますを誰かに、空に言ったのなら、みんながただいまを言えなければ健全な仕事では無い。

ワクチンの集団免疫の話を聞いたことがあるだろうか。
新型コロナウイルスにおけるワクチンの話で話題になったのだが 
ワクチンというのは集団免疫を確保する物である、と。
例えば90%接種率のあるワクチンがある。
そしてその病気が国内では蔓延していない。
するとそれは、90%の人の集団免疫により接種していない10%の人が助かっている…みたいな話である。

1人でも多くの人がやっていれば、災害は減る。
だからそれが指差呼称でも、必要な安全対策である。
見せる安全対策という言葉がある。
見せるだけなら安全対策ではない。 
見せて個々が対策して初めて成り立つのだ。

だから、誰の目で見ても対策をしている様に見える安全対策は必須なのだ。
外部の人間は、採点者である。
もし指差呼称をなあなあにしているようであれば、安全教育の不足である。
決して指差呼称が無駄な安全対策ではないのだ。

自身が働いていて、ベトナムやインドネシア等といった世界各国の実習生と仕事をする。
やはり日本人の細さは健在であると思う。 
そこで、世界に誇る安全対策を、世界に誇る品質を
この忌み嫌われ作業員が減っていく業界でだからこそ、研ぎ澄まされていくことを切に願う。

言葉は言霊となる。
言霊とは、発した言葉が結果になると信ずることである。

ので、最後に安全担当者らしい言葉で締めくくろうと思う。
皆様どうぞ御唱和の程お願い致します。

今日もゼロ災害でいこうヨシ!本日もご安全に!

願いと祈りをこめて。

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