読書録「AIと生きる 対話から始まる成長の物語」:シリーズものだったんだw
・AIと生きる 対話から始まる成長の物語
著者:結城浩
出版:SBクリエイティブ
発売:2026年3月5日

「数学ガール」シリーズで知られる結城浩さんが書いた、AIに関する小説仕立ての作品。
「数学ガール」は名前だけは知っていましたが、読んだことはありません。
本作、最初は単発の作品だと思っていたら、実は「数学ガール」シリーズの登場人物たちが登場する続き的な位置づけでした。
テトラ、ミルカさん、「僕」(先輩)、ノナちゃん、リサといった登場キャラクターはシリーズから引き続き登場してるらしい。
ちょっとこれは驚きました。
作品概要(ChatGPT)
結城浩さんの『AIと生きる―対話から始まる成長の物語』は、AIそのものの技術解説書ではなく、AI時代に人がどう考え、どう生きるかを物語のかたちで描いた青春教養小説です。
主人公は「言葉が好きな高校二年生」テトラで、友人や先輩、そしてAIとの対話を重ねながら、進路や人間関係、自分の考え方を少しずつ深めていきます。
2026年3月5日発売、SBクリエイティブ刊です。

手に取ったきっかけは、橘川幸夫さんの『ChatGPTとの深い付き合い方』(バジリコ)みたいな内容じゃないかなと思ったからです。
店頭でパラパラめくった感じで、そんな雰囲気がありました。
橘川さんの本は面白かったんですけど、橘川さん自身がもともとかなり哲学的な思考をされる方なので、AI(シビルというAI人格)との対話がそういう方向に深まっていって、読んでいてちょっとわかりづらかったところがありました。
それに比べると本書はもう少し噛み砕いた内容じゃないかと思ったわけですが、まあ半分当たって半分外れた感じでしょうか。
橘川さんの場合は、ChatGPTをある種対等な相手として育て、対話を深めながらともに成長していくというスタンスでした。
一方、本作の登場人物たちはもっとAIを道具として見ています。
そこが大きな違いだと思います。
今の中高生がどれくらい生成AIを使っているのかは正直わかりませんが、本作の主人公たちはかなり使いこなしている感じがあります。
だから入門書では全然ないんですよね。
使い方のところはすでにクリアされていて、
「では、AIと対話するとはどういうことか」
「AIで作った文章とは何か」
「AIの回答はどう受け取るべきか」
「AIとどう付き合っていくか」——
そういうことが書かれている作品でした。
AIに関する知識や描写については、なまはんかじゃなくてしっかりしたものを踏まえた上で書かれているという印象がありましたよ。
僕自身もAIはわりと使っていると思いますが、道具として使っているという点では登場人物たちと同じです。
ただ彼らに比べると、もっと突き放して使っている感じはありますかね。
「対話」という感覚はあまりありません。
その意味では、意識的な対話という使い方について、ちょっと考えさせられるところはありました。
登場人物の一人に、AIエージェントをバリバリ使いこなす女子高生がいて、これがなかなかすごかったです。
リアリティがあるかどうかは何とも言えませんが、少なくとも作者がきちんとAIを理解した上で描いているのはよくわかります。
あ、でも登場人物たちがメインで生成AIと対話をするのがパソコンというのは、リアリティという点ではどうですかね?
やっぱり普通は、スマホやタブレットじゃないかな。
本作はシリーズものになっていて、主人公格のテトラと先輩(「僕」)の甘酸っぱい恋愛模様も含まれています。
「数学ガール」を読み続けてきたファンにとっては、それはそれで楽しみどころになるのかもしれません。
ただ個人的には「それは要るのかな」と思いながら読んでいたのも正直なところですけどw。
全体的に言うと、万人受けする話ではない気がします。
今どき中高生を含む若い世代はふつうに生成AIを使っていますし、60代の女性もよく使っているなんて記事も見たことがあります。
そう考えると、この本のターゲットとして一番フィットするのは「AIとどうやって付き合えばいいか、いまひとつよくわからないおじさん」あたりじゃないかという気もしてきます。
その意味でも、甘酸っぱい恋物語が必要だったかどうかは……疑問が残りますかね。
#読書感想文
#AIと生きる
#対話から始まる成長の物語
#結城浩
