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幸せのかたち 結婚しても子どもを持たない選択をしている私の気持ち

「子どもはまだ?」「そろそろ考えてるの?」
結婚後から、少しずつ増えてきた問いかけ。もちろん悪意はないとわかっているけれど、答えに少し困ってしまうのも本音。子どもを持つ人生も、持たない人生も、それぞれに素晴らしさがあって、どちらが正解ということではないはずなのに、「みんなと同じ」が前提の空気の中では、自分の気持ちを言葉にするのが難しく感じる瞬間もある。

今日はそんな、ちょっと個人的で、でも誰かの心にもきっとある「言いづらさ」や葛藤する気持ちについて、そっと綴ってみようと思う。


結婚して1年と少し。
地方で暮らしていると、「結婚したら子どもを持つのが当たり前」という空気は、まだまだ根強い。仕事で高齢の患者さんと話していると、「結婚してるの?」「子どもは?」とよく聞かれる。「子どもはいないです」と答えると、「早く作らないとね」なんて返されることも少なくない。“次のステップに進むのが当然”という前提が、日常会話にもさりげなく溶け込んでいる。

けれど、私たち夫婦には今のところ子どもを迎える予定はない。特別な理由があるわけじゃない。ただ、2人でいることがとても心地よくて、今の暮らしが自分たちにとってちょうどいいと感じているから。夫婦2人の生活を送りながら、それぞれが好きなことにも時間やお金を使える自由さも心地よくて、そんな今の生活が十分幸せだと思っている。

それでも、この気持ちをそのまま言葉にするのは、なぜか難しい。多様性が大切にされる時代とはいえ、「結婚したら次は子どもを望むのが普通」という空気は、まだまだ残っているように感じる。「結婚してるのに子どもが欲しくないなんて、おかしい」「子どもがいないなんて、かわいそう」——そんな言葉や視線を、頭のどこかで想像してしまう。

私は、「子どもを持つべき」とか「持たない方がいい」とか、どちらかが正しいとは思っていない。どちらの選択も、その人にとって大切な生き方だと思う。私はたまたま、2人でいる今のかたちがいちばん自然でいちばん幸せだと感じている。ただ、それだけのこと。もちろん、子どもがいる夫婦の姿も素敵だと思うし、自分の親や周りで子育てをしている人たちのことも尊敬している。同僚が子どもの体調不良で急に帰るなら、その分仕事をフォローしたいし、自分の納めた税金が子育て支援に使われるのも賛成。私たちなりの関わり方で、間接的にでも“子育て社会”の一員でいたい。

人生は有限。その中で、私たちはこれからも2人で、自由や楽しみを分かち合いながら暮らしていきたい。今住んでいる地域では、こうした考えがごく普通に受け入れられるようになるには、まだ時間がかかるかもしれない。そんな中でも、ネットの世界を見れば自分と同じような考えの人がたくさんいて、そこにある言葉たちに「私だけじゃないんだ」と何度も救われてきた。
だから今度は、私がこの気持ちを言葉にしてみたかった。このエッセイが、誰かの悩みにそっと寄り添えたり、「こんな考えの人もいるんだ」と知ってもらえるきっかけになったら嬉しい。

幸せって、比べるものじゃないし、誰かに決められるものでもない。これからも私たちは、「どうしたいか」「何が心地よいか」を2人で考えながら、自分たちなりの幸せを、静かに、大切に育てていきたい。
そしてまた「子どもは?」と聞かれる場面に出会ったとき。迷いながらでも、自分の気持ちに少しずつ言葉を与えていけたらと思う。争わず、否定せず、でも、胸を張って。

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