私がここで、エッセイを書き始めたきっかけ
帰宅後、夫の帰りを待ちながらゆったり過ごす時間。ふと「今日も書こうかな」という気持ちが湧いてきた。
最近の私は、ほぼ毎日エッセイを書いている。
誰に頼まれたわけでもないけれど、書くことが日常の一部になっている。
そもそも、なぜ私がエッセイを書き始めたのか。
きっかけになったのは、ある患者さんとの出会いだった。
その方は、私の職場に入院してきた方で、担当として毎日関わらせてもらっていた。
話し好きな方で、何気ない会話の中にもユーモアと温かさがにじんでいて、私はそのやりとりが好きだった。
ある日、その方が一冊の本を手に取ってふとこんな話をしてくれた。
「昔ね、自費出版で作った本なのよ。エッセイと俳句を書いたんだよね。」
驚いた私は、すぐに「読んでみたいです」とお願いし、その本を読ませてもらった。
読み進めるうちに、思わず涙が出てきた。
幼い頃の記憶、人生の節目、病を得てからの日々――それらが、あたたかな言葉で綴られていた。
普段関わらせてもらっているその患者さんと、文章の中のその人が重なって、より深く知れたような気がした。
「文章って、こんなふうに人を伝える力があるんだ」と思った瞬間だった。
それからしばらくして、その患者さんが再び入院され、再会した。
そのとき、自分の中に湧いていた思いがはっきりとした。
「私も、エッセイを書いてみよう。」
最初は不安だった。
すぐにネタ切れしそうだし、誰かに読まれるなんて恥ずかしい。
けれど、意外にも書きたいことは日々の中に転がっていた。
朝ごはんのこと、仕事中の小さな出来事、ふとした気づきや心の揺れ。
書く目線で暮らすと、毎日がちょっと豊かになる。
そして何より、書いていると、自分の気持ちが整っていくのがわかる。
誰かに伝えたい気持ちというより、自分の中を整理するような時間。
言葉にすることで、自分の感情を「わかってあげる」ような感覚になる。
フォローしてくれる人、いいねをくれる人、コメントをくれる人。
ひとりで書いているようで、誰かとつながっている感じも心地いい。
まだまだうまく書けないことも多いけれど、
しばらくはこの「書く暮らし」を続けてみようと思っている。
きっと、これからもいろんな感情や出来事があって、書きたくなる日々が続くだろうから。
