月に一度「/insights」でClaude Codeの使い方を見直す
Claude Codeに「/insights」というコマンドがある。
直近30日分の履歴を読み、自分がどう使っていたかを、レポート形式で出力してくれるもの。
あることは知っていたが、一度も使っていなかった。
せっかく気付いたので、実行してみることに。
使用量やコストを出す「/cost」とは、まったく別物。
出てくるのは数字ではなく、「あなたはこういう使い方をしていて、ここでつまずいています」という診断レポート。
実行してみたら、どんな感じだったか、書いていこう。
Claudianからだと、ひと手間かかる
まず、実行の前段階として。
普段Obsidianで使っているのは、Claudianというプラグイン。
ノートを開いたまま、その画面の中でClaude Codeとやり取りできる。
入力欄に「/」を打つと、使えるコマンドの候補が並ぶ。
ところが、その中に「/insights」が出てこない。
構わず打ち込んでみたら、コマンドとして受け取ってもらえなかった。
返ってきたのは、そのパスで何がしたいのか、という問い返し。
頭に「/」が付いているので、ファイルの置き場所と解釈されている。
理由は、動いている土台の違いだった。
Claudianが使っているのはClaude Agent SDKというもので、「/insights」はそこに含まれていない。
ターミナルで動かすClaude Code本体の方に、組み込みで入っている機能。
とはいえ、Obsidianを離れる必要は無い。
「コマンドとして実行して」と頼めば良い。
Claudianが自分でターミナル側のClaude Codeを呼び出して、そのまま実行してくれる。
レポートも問題なく生成された。
候補に出ないので使えないのかと思ったが、頼み方の問題だった。
もちろん、ターミナルでClaude Codeを起動すれば、そこでは候補にも出るし普通に打てるし、Claudeのデスクトップ版からも実行できる。
以前、Obsidianのvaultをデスクトップ版で開いて使う投稿をしている。
デスクトップ版はターミナル版と同じ中身がGUIで動いているので、こういう組み込みのコマンドがそのまま使える。
ターミナルは抵抗があるという場合は、デスクトップ版が手軽。
何を読んで、何を出すのか

仕組みとしては、とても単純。
PCの中に溜まっているClaude Codeとの会話履歴を、直近30日分を読見込み、そこからレポートを作って、ブラウザで開いてくれる。
処理はPC内で完結していて、履歴がどこかに送られることもない。
誤解しやすい所なので書いておくと、読んでいるのはやり取りの履歴だけ。
ノートやコードの中身は見ていない。
Obsidianで使っている場合も、Vaultの中身を読んで添削する訳ではない。
あくまで「どう指示して、どこで噛み合わなかったか」を見ている。
出てくるレポートは、11個程度の項目に分かれている。
とはいえ、全部を真面目に読む必要はない。
3つのグループに分けて考えると、見るべき所がはっきりする。
現状把握 — 何に時間を使い、どんな頼み方をしていたか
改善の種 — どこでつまずき、どんなルールを足すべきか
伸びしろ — 使っていない機能の提案
確実に読むべきなのは、真ん中の「改善の種」。
残りは眺める程度でいい。
自分の使い方が言語化される
現状把握のパートは、自分の傾向が数字と文章で並ぶ場所。
こんな数字が出ていた。
ノートなど、文章ファイルの編集:714件
プログラムのファイルの編集:39件
圧倒的にノートばかり触っている。
そのうえで、使い方の傾向がこう書かれていた。
すべてのタスクは、Obsidianのvault内に書き戻されるまで「完了」とみなさない
調べものを頼んで、答えが返ってきた時点では終わりにしない。
それをノートに書いて、置き場所を決めて、関連するノートと繋ぐ。
そこまでやって、ようやく一区切り。
Obsidianを使っているのだから当然の流れではあるが、こうして文章にされると、なるほど確かに、と。
自分の中では当たり前すぎて、意識していなかった部分でもある。
普段のやり取りが、こうして数字と文章で並ぶ。
それだけでも、目を通す価値はある。
本題=上手く行かなかった所
肝心の本題は、上手くいかなかった所をまとめた項目。
レポートは「Where Things Go Wrong」という名前。
最も多い1位は、意図の読み違えの18件。
中身を見ると、パターンがハッキリしている。
「これ、出来る?」と聞いただけなのに、やり方の候補が3つ返ってくる、というやつ。
こっちは、出来るか出来ないか?を知りたいだけ。
なのに勝手に話が進んでいて、「いや、そこまでは頼んでない」と打ち直すことになる。
もうひとつが、まだアイデアを広げている最中なのに、勝手に絞り込みを始めるパターン。
ネタ出しをしている途中で、「この案が有力です」と順位を付けられてしまう。
どちらも、心当たりしかない。
さらに、その摩擦に対して、そのままルールとして使える文が生成されるところ。
Claude Codeには、あらかじめ指示を書いておくCLAUDE.mdという、設定ファイルがある。
そこに追記すれば、次回から基本、設定通りに動く。
レポートは、そこに足す文言まで用意してくれる。
- ユーザーがYes/Noで聞いている場合は、まず結論(はい/いいえ)を1行で答えてから理由を述べる。
- 情報収集フェーズ(発散)か絞り込みフェーズ(収束)かを確認し、発散中はスコアリング・候補の絞り込みをしない。自分で摩擦の原因を言語化しなくてオッケー。
追記そのものも、Claude Codeに任せられる。
レポートを見せて「これを設定ファイルに足しておいて」と言えば、それで済む。
自分で書き写す必要すらない。
「/insights」の一番おいしい部分は、ココだ、と。
全部の作業が混ざる
ひとつ、知っておいた方が良いことが。
「/insights」は、そのPCでClaude Codeを使った作業を全部まとめて読む。
今開いているものだけに絞る機能は、現状では無い。
自分の場合、Obsidianの他にも、仕事のサイト制作や個人的なツールの手直しでClaude Codeを使っている。
その全部が、ひとつのレポートに入ってくる。
蓋を開けてみると、中身はObsidianの話に大きく寄っていた。
単純に触っている時間が長いから、というだけではない。
他の作業は、やることがハッキリしている。
サイト制作ならそのサイトのフォルダ内だけで完結するし、そこに置いた指示ファイルも、その作業専用に書いてある。
やることが決まっているから、指示も短く済むし、噛み合わなくてミスが起こることも少ない。
対してObsidianは、やることが多岐にわたる。
ノートの整理やファイルの移動といった操作もあれば、調べものを任せることもある。
考えがまとまらないまま、壁打ち相手として話しかけることも。
作業の幅が広いぶん、こちらの意図も伝わりにくくなる。
つまずく回数が増えるのは、当然といえば当然。
公式にも「絞り込めるようにしてほしい」という要望が複数上がっていて、開発側も現状そうなってないことは認めている上で、まだ実装はされていないという状況。
とはいえ、混ざっているのは、欠点ばかりとも言えない。
作業の種類を跨いで同じ失敗をしているなら、そこが一番直すべき所ということでもある。
ひとつのフォルダだけ見ていたら気づけないような癖だったり使い方が、全部まとめたているからこそ浮かんで来る場合もある。
Codexの分は入っていない
もうひとつ、範囲の話で知っておくことが。
レポートに出て来るのは、Claude Codeで作業した分のみ。
Obsidianでも、他の作業でも、Codexも併用している。
Codexでの作業は、当然ながら一切出てこない。
あくまで「Claude Codeを使った分については、こうだった」ってこと。
そもそもCodexには、「/insights」にあたるコマンドが標準では無い。
「/status」で今のトークン使用量を見ることはできるものの、それは数字の確認であって、使い方を振り返るものではない。
スキル等でも実現出来るが、Open AI側で実装してもらうのが一番。
Codexにも、そのうち用意されることを期待している。
月に一度でちょうどいい
「/insights」は、毎日やるものではない。
30日分を読む仕様なので、頻繁に実行しても中身は大して変わらない。
月に一度、程度が妥当。
使い方は以下↓
「/insights」を実行する
つまずいた所を読む
提案されたルールを、設定ファイルに足す
翌月また実行して、変化を見る
3で足したルールが効いているかどうかは、翌月のレポートで摩擦の順位が変わるかを見れば良い。
今回初めて実行したので、比較は来月以降に。
記憶に残すスキルとセットで
以前、やり取りを記録として残す仕組みを作ったという投稿をしている。
こちらはClaude CodeでもCodexでも同じように残せるし、Obsidianのノートとして手元に溜まっていく。
「/insights」の方は、Claude Codeのログしか見ない。
なので、この2つをセットにする。
月に一度、レポートで摩擦を確認して、Task Diaryの記録と突き合わせる。
そうやって設定を見直すことで、快適になって行くはず。
快適さとトークン消費、両方に効く
「/insights」とは、設定を見直すためのコマンド。
結果を眺めて満足するのではなく、摩擦を見つけて潰す為に活用してこそ。
摩擦が減るというのは、やり取りの往復が減ることでもある。
聞いてもいない候補が3つ返ってきて、「そうじゃなくて」と返答したり、出て来たものを読み、違うと判断して、指示し直して、また待つ。
一連の流れが、まるごと無駄に。
噛み合わない往復なんて、手間でしかない。
ルールを1行足すだけで、その往復自体が起きなくなる。
毎回、2往復も3往復も余計にやっていたものが1回で済むならば、トークン消費も軽減されて当然。
快適さの為の修正が、そのまま無駄な消費の削減に繋がる。
こういう機能があるのが、Claude Codeの良い部分だし、使いやすさに繋がっている部分でもある。
自分の使い方は、分かっているようで分かっていない。
そこを客観的に示してくれるのが、このコマンドの良い所。
月に一度、「/insights」を実行して、設定を直す。
それだけで、次の1ヶ月に効いて来る。
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