【写真詩】 命つないで
小さな命の 引き際の美しい「ルリハムシ」によせて
命の溢れる光の中で
命のバトンそっと手渡し
静かに旅立ちの時を待つ
通り過ぎた足跡に想いを残して

路傍の緑陰に紛れ込み
叶わぬ想い 行ったり来たり
誰にも知られず
生きてきた 小さな命
夏の暑さにも負けず
凍てつく冬の寒さにも負けず
いくつもの苦難を 乗り越えながら
いのち紡ぐ道を歩いてきた
誰も知らない老いの道
夢の通り道で 足をとめる
行く先表示の無い交差点
抱きしめる夢が教えてくれる
自分を信じるために
苦しむ選択だとしても
戻れなくても前へ行く
揺るがぬ想い夢になる
憧れた想いが夢になる
ここは老いの夢の通り道
残された時の中で
失くしたものを探しに
夢の方へ 愛の方へ
きっとそこにあなたがいるから
たそがれ老人のつぶやき
写真を見つめながら、老いの戯れの妄想に耽る、命を削る詩など書けず、小さな命への応援歌を口ずさんでいた。
ルリハムシの一生は、夏にサナギから羽化して成虫に、秋まで葉を食べた後、そのままの姿で厳しい冬を迎え、 木の皮の隙間や土の中でじっと冬を越します。そして翌年の春に目覚め、命のバトンである卵を産み落としたあと、初夏を迎える頃にその生涯を閉じます。
写真に映っているような瑠璃色の美しい成虫の姿のまま、季節の移り変わりをじっと耐え、約1年という天寿を全うするのです。
写真は6月の初夏の時に、まさに天寿を全うする最後の輝きを撮ったたものです。
諸行無常の終末に、忍びがたきを忍び、堪えがたきに堪え、不平不満を言わず、世の不情にも逆らわず、執着を手放し、変化を受けいれる、そんな風に、すべてが移り変わる世で、ただ静かに萎(しぼ)んでいくような余生を送っている、旅立つ際の美しさは、命揺らめく夢の蜃気楼。
凍てつく北国の長い冬を耐え、ただ ひたむきに命を、繋ぐために生き抜いてきた。
その瑠璃色の美しき翅(はね)は、若き日の瑞々しさを超えた誇りを宿している。
