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須崎市地域おこし協力隊インタビューVol.3───松本仁心さん

昨年4月から須崎市の地域おこし協力隊として、「海洋スポーツ振興」にまつわる活動をしている松本仁心さんにインタビューをしました。松本さんは、日本代表を目指すカヌーの選手でもあります。大学日本一になった経験もあるのだとか。須崎から日本代表を目指す松本さんに、カヌーを始めたきっかけや、なぜ須崎はカヌーをする環境に適しているのか、聞いてみたので、ぜひご覧ください。


カヌーを始めたきっかけ

ーカヌーを始めたきっかけを教えてください

6歳年上の兄がいるのですが、その兄がカヌーをし始めて、自分もしたいと思うようになりました。

ーお兄さんがプレーする姿はよく見ていたのですか?

そうですね。親とよく見に行っていて、マイナーな競技なので物珍しく刺激的に感じました。それから、兄に誘われて自分は小学一年生から始めました。

小学生のときに始めたカヌー(写真提供:松本さん)

ー実際にカヌーを始めてみてどうでしたか?

意外とやれると思いましたね(笑)最初は、競技で乗るような細い船ではなく、レジャーで使うような太くて丸めな船に乗ったので、「意外と乗れるものなんだな」と思いました。

ーカヌーができる環境にあるのも珍しいですよね。

クラブがたまたま自宅から車で10分で行ける場所にあったので、本当に偶然ですね。

ーこれまでカヌーを続けてきて、誇りに思っている実績はありますか?

大学生のときの最後のインカレで出場した、1000mと200mのシングルで優勝して2冠を達成したことと、社会人も出場する全日本選手権で、200mで2位になったことです。

大学入学後にさらに成長し、トップクラスの選手へ(写真提供:松本さん)

ーすごいですね!大学日本一を経た、次の目標を聞きたいです。

今の目標は、日本代表選手に選ばれることです!代表選手になるには、まだまだ壁が厚くてもっとシビアに練習を追い込む必要がありますが、なんとか頑張って選ばれたいと思っています。

ー代表入りを目指す上で、ご自身の長所と課題を教えてください

自分は、瞬発的な力があると思っています。カヌーの中で最も短距離になる200mで発揮できる力は、日本の中でもトップの方に入る自信があります。課題としては、いちばんメジャーな種目である500mです。500mになると、瞬発的な力だけでは難しく、後半までスピードを維持するスタミナが必要になります。得意のスピードを保ったまま、終盤まで粘り切ることが課題ですね。

ースピードの維持はメンタルとフィジカルのどちらが重要になりますか?

メンタルですかね(苦笑)カヌーを17年続けていますが、今までずっと本番になると緊張してしまいます。試合のときに、周りと比べてしまって、緊張で心拍が高まって身体が固くなるんです。それが試合の結果に表れてしまうときもあります。須崎では、1人で練習していて試合のように誰かと競り合う環境を作りづらく、試合のような雰囲気を体感できないところも、自分の弱みです。

須崎という場所

ー須崎に移住した経緯を教えてください

もともとは、大学卒業時点でカヌーを引退する予定だったんです。筋トレが大好きでトレーナーになりたくて、4年生から就活を始めましたがなかなか見つからなくて...。そのときに、2つ年上の元協力隊の先輩から、「カヌーをできる環境があって、1人枠が空いているから来なよ」と、須崎市の海洋スポーツの振興に関わるミッションの話を聞きました。話を聞いたときは、「でも引退するしな...」と思っていましたが、インカレの結果が自信になっていて、「まだまだ自分はやれるんじゃないか」という気持ちもあり...。それから、筋トレやトレーナーはカヌーを引退してからも続けられると思ったので、一旦その気持ちは置いておいて、須崎に来てカヌーを続けようと決めました。

ーカヌーをやめようと思っていたんですね。

なので、大学卒業後にカヌーを続けられる環境はなかなかなくて、お金がかかる競技でもあるので...。でも、筋トレが高校3年生の頃からずっと好きで、大学に入ってからもカヌーの練習をしながら、筋トレもするくらい大好きでした。なので、カヌーは大学までと決めて、大好きな筋トレに関わることをしたいと思っていました。

筋トレに励む松本さん

ーそのつもりだったのが、想定以上に成長してしまった、と。

そういうことになりますね(笑)

ー須崎はなぜカヌーの環境に適しているのですか?

本来なら、海は波が立って荒れる場所なので、サーフィンに使われることが多いです。須崎の浦ノ内湾の形状は、湾になって囲まれているので、波も立たずに穏やかな環境です。カヌーは環境などの外的要因に左右されやすいスポーツですが、そこに左右されず集中できる環境が、須崎の魅力だと思っています。

ーこういう環境は全国的に見ても珍しいのですか?

珍しいと思います。東京オリンピックに向けたカヌーを強化する流れの中で、須崎市がカヌーに力をいれるようになりました。オリンピックに向けての合宿地として、海外選手が集まる場所になり、トレーニング施設も建て始めました。

ーちょうど今も日本代表選手の合宿をされていると(4月上旬取材)

そうですね。そっちに行きたいと思いつつ、今は指をくわえて見ています(笑)

地域おこし協力隊の活動のこと

ー地域おこし協力隊の活動ではどんなことをしていますか?

カヌーの練習だけではなく業務も少しあって、トレーニング施設の管理や合宿で来た選手の対応をしています。また、県外に遠征に行くときは、須崎市のPRをして、合宿のアンケートに答えていただいています。

「SUSAKI」と大きく記されたTシャツ

ー海洋スポーツの振興に向けて、取り組んでいること、もしくは取り組みたいことはありますか?

協力隊とは別の活動で、明徳義塾中学・高等学校のカヌーの外部指導をしています。その子たちが夕方に練習場に来て、一緒に練習したり教えたりするんですけど、「その選手たちを勝たせてあげたい」という思いがあります。全国大会に行ったりとか、代表選手になって海外に行ったりとか、子どもたちを通してカヌーを広めていくことも、海洋スポーツの振興になるのではないかと考えて、取り組んでいますね。

ー教えることは、やっぱり難しいですか?

難しいですね...。自分もまだ選手として頑張りたいので、教えるだけになったら自分の練習ができないし、自分の練習だけしていると教えられません。その塩梅も難しくて...。今は生徒たちとそのバランスも話し合って、学びながらしていますね。

ー教えることで得られる学びはありますか?

めちゃくちゃありますね!いま教えている生徒がとてもメンタルが強い子で、3月の大会で優勝したんですけど、どんなことを考えながらプレーしているか聞いてみました。すると、「周りの子を蹴落としてでも自分は勝つという気持ちでしている」と言っていて、自分とはメンタルの強さが違うと思いました。自分はそんなこと考えたことなく、「練習通りできたら大丈夫」という考えだったので、学ぶところがありましたね。

大会の振り返りと今後に向けて

ー直近の大会の振り返りを聞かせてください

1000m、500m、200mという3つの種目に出場しました。その中から、A決勝上位9人の下にB決勝9人という記録が残ります。大会の結果は、1000mがB決勝9位、500mはB決勝3位、200mはA決勝8位、という何とも言えない悔しい結果でした。1人で練習している環境で人と並んで競う練習ができず、試合が始まる前にいつも以上に心拍が上がっている感覚がありました。メンタル的な弱さが結果に表れた大会だったと思います。

ーその課題を克服する方法はありますか?

このミッションの協力隊は本来2人体制ですが、今は自分1人だけなんです。2人体制になって自分と同じ種目の選手が須崎に来れば、競い合えますし、2人乗りの種目にも出場できます。そのために試行錯誤して声もかけていますが、なかなか...という感じです。

プレー中も「SUSAKI」を背負っています(写真提供:松本さん)

ー仲間が1人増えれば解決するということですね

今と状況が変わるので、自分の中では解決すると思っています。
須崎市でカヌー選手を募集しているので、ぜひ来てください!!

ーでは、改めて今叶えたい夢や目標はありますか?

カヌー選手としては、日本代表に選ばれることです。地域おこし協力隊としては、もっとカヌーというスポーツを、地域から広めていきたいと思っています。今務めている外部指導を通して、子どもたちを成長させていきたい、というところが夢や目標になりますね。

ー最後に、協力隊の卒業後にしたいことはありますか?

卒業後も須崎市に残ってカヌーを続けるか、改めてカヌーをする環境を探し直すか、という感じですかね。それと、自分は海外に憧れがあって、カヌーに関係なく海外に行きたいなっていう...(笑)なんだか、そういうフワッとした夢があるので、それをあと2年で突き詰めていきたいです。

ーわかりました!カヌーも今後の夢も応援しています!

ありがとうございました!頑張ります!

おわりに

実は私と松本さんは、同じ2025年4月から地域おこし協力隊に着任した同期でもあります。しかし、以前の協力隊定例会まで、話す機会はほとんどありませんでした。そこで、話を聞いてみるとカヌーの実績に心底驚いたと同時に、須崎にこんな凄い人いるのに知らなかったことを恥ずかしく、もったいなく感じました。

これまでほとんど関わる機会がなかったのに、すぐに下の名前で呼んでくれる人たらしの松本さん(笑)彼の人柄は、動画の方がより伝わると思うので、以下リンクから動画版もぜひご覧いただきたいです!必ず応援したくなることでしょう。

日本代表になる目標が叶うよう、私も陰ながら応援しております!!

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