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明日は明日の風が吹く【風と共に去りぬ #名言ノート35】

今回紹介させていただく名言はこちら!

明日は明日の風が吹く



誰が言った?

スカーレット・オハラ

名作映画『風と共に去りぬ』の主人公

どんな人?

スカーレット・オハラは映画『風と共に去りぬ』の主人公です。スカーレットは、激動の時代を生き抜き、強く生きようとする女性として描かれています。彼女の生涯は、愛、喪失、そして生きるための闘いに満ちています。


生い立ちと結婚

  • 1845年、ジョージア州クレイトン郡のタラと呼ばれる綿花農園で、アイルランド系の父ジェラルド・オハラとフランス系の母エレン・ロビヤールの間に生まれます。

  • 美しく、わがままで、男性を惹きつける魅力的な女性として育ちます。

  • 近隣の農園主の息子であるアシュレー・ウィルクスに恋をしますが、彼は従妹のメラニー・ハミルトンと婚約します。

  • アシュレーへの当てつけと、メラニーの兄であるチャールズ・ハミルトンと衝動的に結婚しますが、チャールズは南北戦争で病死します。

南北戦争と再婚

  • 未亡人となったスカーレットは、アトランタで慈善活動などを行います。

  • そこで、以前から彼女に興味を持っていたレット・バトラーと再会します。

  • 南北戦争の終結後、故郷タラに戻りますが、荒廃した農園と困窮した家族を目の当たりにします。

  • 妹のスーザンの婚約者フランク・ケネディと、農園再建のために打算的に結婚し、製材所を経営するなど事業才覚を発揮します。

レット・バトラーとの結婚と別れ

  • フランクの死後、スカーレットは富と地位を得るために、かねてから求婚していたレット・バトラーと結婚します。

  • レットとの間には娘ボニーが生まれますが、スカーレットは依然としてアシュレーへの未練を断ち切れません。

  • スカーレットの気持ちがアシュレーに向いていることを悟ったレットは、ついに彼女のもとを去ります。

  • レットが去った後、スカーレットは初めて自分のレットへの愛情に気づき、「タラへ帰って、彼を連れ戻る」と決意して物語は終わります。

子供たち

スカーレットは生涯で3人の子供をもうけています。

  1. ウェード・ハミルトン: 最初の夫チャールズ・ハミルトンとの間に生まれた息子。

  2. エラ・ケネディ: 2番目の夫フランク・ケネディとの間に生まれた娘。

  3. ユージェニー・”ボニー”・バトラー: 3番目の夫レット・バトラーとの間に生まれた娘。ボニーは幼くして事故で亡くなります。(乗馬の練習中の落馬事故)


スカーレットの魅力

『明日は明日の風が吹く』は意訳

明日は明日の風が吹く』はもともとは『After all, tomorrow is another day』です。直訳すると、「結局のところ、明日はまた別の日」ですね。「明日は明日の風が吹く」とはだいぶ印象が違います。

大ヒットした作品『風と共に去りぬ(原題:Gone with the wind)』では、原作も映画も、この「After all, tomorrow is another day」で締めくくられます。激動の時代を生き抜き、強く生きようとする女性として描かれているスカーレットの生きざまそのものを一言で表す言葉です。メタ的にとらえると、作品全体を通して作り手が伝えたいテーマなのではないかという解釈をすることができます。


スカーレットが支持される理由

スカーレットは、時代背景や生まれ育った環境も影響しているとは言えなくもないですが、それ以上に元々の性格としてかなり自分勝手な一面があります。自分の欲しいものを手に入れるためには手段を選ばず、周囲の感情や状況を顧みない、非常に自己中心的な側面があります。

  • アシュレーへの執着: 他の男性と結婚しても、アシュレーへの一方的な想いを持ち続け、周囲を傷つけます。

  • 打算的な結婚: 家や財産を守るため、愛情のない相手と結婚します。

  • 他者への利用: 周囲の人々を自分の目的のために利用し、感謝や配慮を欠きます。

  • 自己中心的思考: 常に自分の利益を最優先に考え、他者の苦境や感情に鈍感です。

  • わがままな振る舞い: 思い通りにならないと癇癪を起こし、周囲を振り回します。

彼女の行動原理は常に「自分がどうしたいか」「自分にとって何が利益になるか」であり、そのために他人を犠牲にすることも厭いません。

とはいえ、スカーレットのそんな生きざまが、今も昔も一定の指示を得続け、『風と共に去りぬ』は今もなお名作として語り継がれています。


映画が公開された時代背景

映画版の『風と共に去りぬ』がアメリカで公開されたのは戦前の1939年で、日本で公開されたのは1952年です。アメリカでの公開と日本での公開に差があるのは太平洋戦争が間に挟まっているからだと思われます。(太平洋戦争の終結は1945年)

1939年のアメリカでも、1952年の日本でも、映画『風と共に去りぬ』は大ヒットを記録します。

彼女の生きざまは映画公開当時の『女性らしさ』や『女性はこうあるべき』といった概念と大きく異なり、どちらかと言えば男性的でした。この点が、多くの人々の憧れの対象となり、支持を集めた要因の一つではないかと考えられます。


論理よりもキモチ

彼女は確かに傲慢で自己中心的な性格ですが、同時に人生の節目節目で非常に困難な状況に立たされます。富の象徴であった実家のタラの農園は戦争によって荒廃し、疎開先の町ですら戦火の影響で半壊してしまいます。それでも彼女は決して諦めず、工場の経営者として多くの従業員の生活を支えます。最終的には心から愛する人との間に子供を授かりますが、幼い愛娘を乗馬の練習中の事故で失ってしまうという悲劇にも見舞われます。その心から愛した人、レット・バトラーも最後はスカーレットの元から去っていきます。

何度もどん底に突き落とされるスカーレットですが(彼女の振る舞いが原因であることも少なくありませんが)、決して折れることはありません。「気が狂いそう」「このままではおかしくなってしまう」と激しく取り乱すこともありますが、最終的には「このまま考え続けたらおかしくなるから、明日考えよう!」という精神で困難を乗り越えていきます。

確かに「明日考えよう!」というのは問題を先延ばしにしているだけで、問題の本質に向き合っていないため、本当に解決したいのであれば最善策とは言えません。しかし、問題に真剣に向き合いすぎて精神が崩壊してしまっては元も子もありません。スカーレットが直面する数々の問題は、一般的な精神力の人であれば「明日考えよう!」という安易な気持ちで乗り越えられるようなものではありません。それでもスカーレットは、ひたすら「明日考えよう!」の一言で乗り越えていくのです。


ある種の理想像

このようなマインドセットや、それを実際に行動に移す生き方は、1939年のアメリカや1952年の日本、特に女性にとっては考えられないことだったのではないでしょうか。まだ男女平等という言葉すらなかった時代です。女性の中には、男性と同じように生きることができるという発想すらなかった人も多くいたかもしれません。「自分にはできないけれど、本当はこんな風に生きられたら…」という、ある種の理想をスカーレットに重ねて見ていたのではないでしょうか。

スカーレットの考え方や価値観、そして生き方は、現代社会から見ても非常にパワフルです。もしスカーレットが現代に生きていたら、間違いなくやり手の起業家になっているでしょう。YouTubeなどの情報発信プラットフォームで多くの登録者数と再生数を獲得し、話題のインフルエンサーになれるはずです。それほどまでに、彼女は一般的な人々とは『違う』存在なのです。


作品ありきでの名言

ここまでスカーレットについて知ると、『明日は明日の風が吹く』という言葉に少し違和感を覚えないでしょうか?『明日は明日の風が吹く』って、どことなく軽さを感じさせる言葉です。風に任せている感じがして、意志の強さよりも『悟りの境地』的な印象が強いですし。スカーレットが直面する重すぎる試練の数々やそれらに対する向き合い方、生き様として、ちょっと楽観的な印象も持ちます。

実際に、時代によって映画の字幕は、「明日は明日の風が吹く」から、「明日考えよう」になっていたり、「明日に望みを託して」となったり、様々な言い回しに変化しているようです。

日本語は英語に比べてかなり細かいニュアンスを表現できるので、スカーレットの生きざまを重ねたうえで『After all, tomorrow is another day』を日本語に意訳しようとすると、そりゃ難しいですよね。


まとめ

今回紹介させていただいた名言はこちらでした!

明日は明日の風が吹く

名作映画『風と共に去りぬ』にて主人公のスカーレットが映画の最後に放つ言葉です。

『明日は明日の風が吹く』の本当の意味を理解するためには、スカーレットの生きざまを理解する必要があるということを解説させていただきました。

実は私は『風と共に去りぬ』はアラフォーになってから初めて観ました。

もともとはラダーシリーズという、使われている単語を限定することと、巻末に専用の単語解説を載せることで英語学習に使える書籍シリーズで『風と共に去りぬ』を読みました。

あまりにもスカーレットの考え方や生きざまが衝撃的過ぎて、書籍を読み終わったら即映画版を観ました。

映画、かなり長いです。3時間58分あります。ちょっと長い映画2本分です。笑

印象的だったのは、映画の途中で一回映画が終わるんですよね。途中休憩(インターミッション)があります。最近見た映画でインターミッションがあったのは『RRR』しかありません。(そもそも私はあまり映画を見ないのですが・・・。)

『風と共に去りぬ』は実は途中休憩(インターミッション)をはさんだ前編と後編で構成が同じになっています。かなりざっくり書くと『順調→過酷な状況への転落→再起を決意』となっていて、再起を決意する場所は前編も後編もスカーレットが生まれ育った土地である『タラの農場』です。

前編も後編も「いろいろ苦しくて大変なことがあったけど、やっぱり生まれ育った土地でやっていこう。自分の力ではどうしようもできない理不尽なことはたくさんあるけど、いったん考えすぎるのはやめて、今を精一杯生きよう!」というメッセージに溢れた作品だなと、私は受け取りました。

スカーレットの性格は傲慢で自己中心的でかなり強烈ですが、なぜか嫌いになれないんですよね。作品を見終わった後は、とんでもないことがいろいろ起きたけど、結局は勇気をもらえるというか、さわやかな気持ちになれます。書いてて思ったんですが『カリオストロの城』とか『天空の城ラピュタ』を観終わったときの感覚と似ています。言葉ではうまく表現できないですが、なぜかこれらの作品を思い出しました。

『風と共に去りぬ』をまだ観たことがないのであれば、絶対におすすめします!教養としても観ておくのはありだと思います。ぜひ、『明日は明日の風が吹く』という言葉を作品を通したラストシーンで味わってみてください。

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改めましてこんにちは。『Nick』と申します。大学は出てないけれど読書を続けて外資系企業で10年以上。そんな等身大のサラリーマンが200冊以上の読書経験と、日々の仕事や暮らしの中で出会った「心に刺さる名言」を紹介します。マンガ・アニメ・映画などサブカルチャーからの引用も多数掲載!

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