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できないよりできるほうがいい、でもね、できなきゃいけないってことはないのよ【デミちゃんは語りたい #名言ノート45】

今回紹介させていただく名言はこちらです!

「できないよりできるほうがいい、
でもね、
できなきゃいけないってことはないのよ」

それではさっそく掘り下げていきましょう!


言った人

小鳥遊みどり

どんな人?

マンガ『亜人(デミ)ちゃんは語りたい』に登場する架空のキャラクターです。主人公である亜人(デミ)の女子高生、バンパイアの小鳥遊ひかりの母親です。

小鳥遊家ではお父さんは主夫を担当していて企業には務めていません。母親である小鳥遊みどりが稼ぎ頭としてバリバリ働いています。いわゆるキャリアウーマンですね。

が、登場の仕方にあまり脈略がなく、このセリフを言うためだけに登場したようにも見えます。


主人公は生物の高校教師のおっさん

小鳥遊みどりは『亜人(デミ)ちゃんは語りたい』という作品ではモブ中のモブです。作中でほとんど登場シーンはなりません。

初登場シーンであまり脈略もなくいきなり登場し、主人公とその友達に「できないよりできるほうがいい、でもね、できなきゃいけないってことはないのよ」という言葉だけを残し颯爽とその場を去っていきます。やたらメッセージが強いですよね。

※ちなみに初登場シーンは単行本第5巻35話です。

『亜人(デミ)ちゃんは語りたい』は、一見すると美少女物の日常系マンガ/アニメですが、読んでみるとわりと作者の考え方とか、思想とか興味がダイレクトに投影された作品だということが分かります。

  • 血を好み明るい場所を好まないバンパイヤ

  • 頭と胴体が分離しているデュラハン

  • 空間の温度を操る雪女

これらの亜人(デミ)たちが主人公グループなんですが、そこに生物の教師・高橋先生が加わることで、一般的な美少女アニメとは違ったテイストになっています。

心理描写やキャラクターの視点にかんしても実は高橋先生のものが多く、表立って公言はしていないですが、構造的にこの作品の主人公は高橋先生だということが分かります。

最終巻の表紙がこれなんですが、美少女モノで攻めたいなら明らかに赤丸の高橋先生は『ノイズ』なので取り除かれるべきですが、彼は主人公なのでしっかり描かれています。

高橋先生は亜人(デミ)たちに対して、固定観念をもたずに一人ひとり、個性を尊重して向き合います。亜人特有の特殊能力を面白がるという意味ではなく、人間ならだれでも持っている個性の延長線上で亜人たちの能力も「生物学的」に解釈しようとします。

ストーリーが進むと、高橋先生の大学時代の友人である、相馬というキャラクターが出てきます。彼は作中に登場する武蔵野理科大学に自分の研究室を持っている物理学者です。

町というキャラクターは頭と胴体が離れているデュラハンの亜人なんですが、なぜ頭と胴体が離れいるかといったことに対して「量子力学的アプローチ」で解釈に試みます。いわゆる光は観測することによってふるまいを変える2重スリット実験で有名な量子力学ですね。

わたしは全く理系ではないんですが、相対性理論とか量子力学の概念が好きなんで、ハッキリ言って相馬の登場によってこの作品がかなり好きになりました。


『教育』の本質

さてだいぶ話がそれてしまったので、本題の「できないよりできるほうがいい、でもね、できなきゃいけないってことはないのよ」という言葉の掘り下げに戻ろうと思います。

結論から書きますが、この言葉は、実は作者が作中で一番伝えたかったメッセージなんじゃないかなと思っています。

できないよりできるほうがいい、でもね、できなきゃいけないってことはないのよ」という言葉は『生きる』ことそのものの本質をとらえています。

そりゃ確かに、人生においてできないよりできる方がいいことは山ほどあります。勉強、スポーツ、仕事、人間関係、趣味・・・数え上げたらきりがありません。

けど、本当にそれらのことって『できなきゃいけないこと』なんでしょうか?

『生きる』上で本当にやらなければいけないことは『呼吸』『食事』『排泄』『睡眠』といったような、生命活動を維持するための営みです。これらの中でも意識して能動的に行う必要があるのは『食事』でしょうか。

人間らしく生きることができるかどうかは別として(そもそも「人間らしい」の定義が難しいですが)、『生きる』ためにやらなきゃいけないことは実はかなりシンプルで、しかも『できなきゃいけないこと』とまで定義を狭めると、もしかしたら「ない」と言っても過言ではないかもしれません。

しかし、いざ部下を持ったり、子供を持ったりといったような、自分が導かなければいけない存在を持つようになると

  • 『みんなと同じようにできなきゃいけない』

  • 『時間通りにいかなきゃいけない』

  • 『片づけられるようにならなきゃいけない』

といったような『できなきゃいけないこと』を無限に指摘する『教育』が始まります。

しかし、この教育って誰のためなんでしょうかね?もちろん社会の中で生きていくうえで社会のルールやマナーを学ぶことは大切ですが、時々「それってやりすぎなんじゃない・・・?」と思うような指導を見かけることがあります。

何で教育や指導が行き過ぎてしまうかというと「自分が教えているあなたができないってことは自分があなたを管理する能力がないってことの証明になっちゃうじゃないか!」という心理が働いているように思うんですよね。ほとんどの人は無自覚なんだとは思いますが。

だから、いい大学を出ている親は子供を同等かそれ以上の大学に入学させたいという心理が働くんだろうし、仕事のうえでは部下のミスは上司の査定に響いたりします。

こういった価値観や考え方を全面的に否定しているわけではありません。わたしも、英語を勉強したりプログラミングをかじってみたり、今もこうしてブログの記事を書いてますが、これは明らかに『できなきゃいけないこと』ではないですからね。人生を豊かにするにはこういった営みも必要だとおは思いますが、強制されてやるものではないかなと思ってしまいます・・・。

『亜人(デミ)ちゃんは語りたい』の作者は、バンパイアやデュラハンや雪女といっただれもが思考停止で受け止めている『伝承』にたいして、「ん・・・ちょっと待てよ」という視点を持ち、生物学や物理学をひっぱりだしてあくまでも科学的に、中立的な立場で話を展開させることに決めたほどの人です。

そして、主人公を生物学の高校教師のおっさんにするくらいなので『教育』というものに対してもいろいろと深く考えることがあったのでしょう。そして、読者に「できないよりできるほうがいい、でもね、できなきゃいけないってことはないのよ」というメッセージを伝えるために、作中のキャラクターに言わせた。という背景かな。と想像しました。

ただ、主人公の高橋先生は高校教師なんで、さすがに教師が生徒に向かって「できないよりできるほうがいい、でもな、できなきゃいけないってことはないんだよ」というのは、あまりにも立場を忘れすぎているように聞こえかねません。

そこで、表面的にはお話の主人公問うことになっているバンパイアの女子高生である小鳥遊光の母親に、「できないよりできるほうがいい、でもね、できなきゃいけないってことはないのよ」というセリフを言わせたのかな。と思いました。


関連情報

なんだか名言の紹介というよりも『亜人(デミ)ちゃんは語りたい』という作品そのものの紹介になってしまいましたね。こちらの作品ですが、私はマンガで見ました。アニメ化もされているようですがそちらは観ていません。

生物学教師を主人公にするくらいなので、人体や構図全体のデッサンが非常に秀逸で画力が高いマンガです。ふわっとした線ではなく、細かいタッチの線でディティールを表現していタイプの絵が好きなかたは、絵だけ見ていても楽しめます。まぁ私のことなんですけど。笑

とはいえ生物学的な視点や、物理学、量子力学的な視点もあるマンガなので、結構読みごたえがあります。気になった方は是非チェックしてみてください!

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改めましてこんにちは。『Nick』と申します。大学は出てないけれど読書を続けて外資系企業で10年以上。そんな等身大のサラリーマンが200冊以上の読書経験と、日々の仕事や暮らしの中で出会った「心に刺さる名言」を紹介します。マンガ・アニメ・映画などサブカルチャーからの引用も多数掲載!

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