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金は命より重い・・・・!【賭博黙示録カイジ #名言ノート30】

今回紹介させていただく名言はこちら!

金は命より重い・・・・!



言った人

利根川幸雄

どんな人?

漫画『賭博黙示録カイジ』の登場人物。架空のキャラクターです。

50代。帝愛グループの最高幹部の一人で、『賭博黙示録』のほぼ全編に渡って主人公・カイジの宿敵として登場します。


名言の背景

知り合いの借金の連帯保証人として取り立てに追われるカイジは、その借金を返済するため闇金業者【帝愛グループ】が斡旋する数々の違法ギャンブルに身を投じていきます。

主人公:カイジ(借金385万円)

そのギャンブルの中の一つ、地上74メートルに設置された高圧電流の流れる鉄骨を命綱無しで渡るという【鉄骨渡り】へ挑む事になりますが、あまりに狂気じみたその内容にカイジ達債務者は口々に不満を述べます。

そんな債務者達に対して主催の帝愛グループ幹部『利根川幸雄』の放った言葉がこの「金は命より重い」になります。

安くないんだ!2千万1千万という金は!
勘違いするなガキめらが!
金はなぁ…….命より重いんだ!

(中略)

有名中学、有名進学校、一流大学と受験戦争に勝って、やっと一流企業に入っても、待っているのは出世競争

仕事第一と考え、上司にへつらい、取引先にはおべっか

毎日律儀に会社に通い、残業をし、そんな生活を10年余り続けて、30代半ば、40、そういう歳になってやっと蓄えられる金額が1千万、2千万という金なんだ

わかるか!1千万は大金!大金なんだ!
それに比べてお前らは何だ!

必死に勉強した訳でもなく懸命に働いた訳でもない

何も築かず、何も絶えず、何も乗り越えず、ダラダラ過ごし、やったことと言えば、ほんの十数分の余興!

ナメるな!

あんなもんで2千万という大金が手に入るか!

それでも手に入れたい
どうしても手に入れたい

となったらこれはもう、命を張る以外にない!

引用元:賭博黙示録カイジ 6巻より

なぜ印象に残るのか?

『金は命より重い・・・・!』はカイジという作品を語る上で避けることができない、圧倒的に有名な言葉です。主人公のカイジをはじめとする、利根川以外のキャラクターも、もいくつもの名言をのこしていますが、やっぱり『金は命より重い・・・・!』が一番有名ではないでしょうか。

なぜ『金は命より重い・・・・!』という言葉が印象に残るのかというと、タブーとされているけれどある意味真実だからではないでしょうか。

別の作品ですが『鋼の錬金術師』では主人公のエドワードが旅の途中で出会った少女が恋人を生き返らせたいと願っていることを知り、人体の構成成分を数量とともに列挙してから、「市場に行けば子供の小遣いでも全部買えちまうぞ」と言い放ちます。

水35L、炭素20kg、アンモニア4L、石灰1.5kg、リン800g、塩分250g、硝石100g、イオウ80g、フッ素7.5g、鉄5g、ケイ素3g、少量の15の元素。

「市場に行けば子供の小遣いでも全部買えちまうぞ」・・・一体いくらくらいなんだろう?

そんな疑問に真正面から取り組んだ記事を見つけました。

『鋼の錬金術師』でエドワードが「人体の材料は小遣いでも買える」と言ったが、具体的にはいくら?

こちらの記事によると、合計5万6285円!とのことです。

利根川の演説では2千万や1千万と人の命を比較していたので、仮に人の命の値段を『5万6285円』とした場合は『金は命より重い・・・・!』が成立することになります。

とはいえ、人の命が『5万6285円』だなんてありえない!そもそも人の命に金額をつけるなんて倫理に反する!命は尊いものであり、金額に換算して価値を測るべきではない!

という声が聞こえそうです。

  • 人体は構成されるパーツだけで考えたら合計5万6285円

  • 倫理的に考えたら人の命に値段をつけるべきではない

こうやって整理してみると『人体のパーツ=5万6285円』はあくまでも命というよりは『体=ただの物質』にフォーカスしていて、『命はプライスレス』という感覚は『命=抽象的な概念』にフォーカスしていることが分かります。

利根川の『金は命より重い・・・・!』という言葉は、『命=抽象的な概念』というマインドセットから『体=ただの物質』という考え方のマインドセットに強制的にひっくり返すパワーワードです。

倫理的、道徳的な観点から『体=ただの物質』というとらえ方はある種のタブーとされていますが、実は人間として生きていれば誰でもうっすらとは感じていることなのではないでしょうか。

倫理観や道徳的な価値観でコーティングされている日常生活ですが、実はそのコーティングは薄くてもろいです。はがそうと思えば簡単にはがせますし、はがしてみると私たちの日常生活の隣には『死』が常に横たわっていることが分かります。

人はいつかこの世を去るので、生きていれば人生の節目で『事実』に必ず向き合わなければいけません。しかし、毎日毎日『真実』ばかりにとらわれていると、逆に日常生活に支障が出てきます。

例えば、食事。魚や肉といったタンパク質は、食卓に並ぶときは『料理』ですが、もとはと言えばそれぞれの生き物です。食卓に並ぶということは、必ずどこかのタイミングで人間が意図的に命を奪うことになります。

こんなことを食事のたびに思い出していては、いつの日か食べることそのものが嫌になりそうです。『食事=ほかの生命の命をいただくこと』は事実として常に生活の隣に横たわっていますが、普段思い出すことはそうそうありません。むしろある種、世界のタブーとして認識されています。

食事のために世界のタブーをいちいち思い出さないための儀式が、食事前に手をあわせて言う、『いただきます』という行為なのかもしれませんね。

『命』にあえて真逆の概念である『金』という真正面から言葉をぶつけた『金は命より重い・・・・!』という言葉は、一度だけでなく何度でも世界のタブーを思い出させてくれます。だから多くの人の心に刺さる名言としていつまでも支持され続けているんだと思います。


社会的現実と物理的現実

金は命より重い・・・・!

あまりにも有名なこの名言はインパクトが強いので、「確かにそうかも・・・!」くらいの解像度で理解を止めてしまっていませんでしたか?

いきなりですが社会的現実と物理的現実という言葉をご存じでしょうか。実は世の中のすべてのモノは物理的現実と社会的現実という2面性を持っています。

『金は命より重い・・・・!』という名言は、この社会的現実と物理的現実の2面性を考えるうえでとても参考になる言葉なんです。

お金に価値があるのはなぜか

社会的現実と物理的現実を考えるうえでとても分かりやすいのが『金』です。ここでは概念としての『貨幣』ではなく実際に触ることができる『お札』で考えてみましょう。

お札は誰だってほしいですし、持っていたら大切に扱うはずです。それは、お札が社会的に『お金』として機能しているからです。もっと厳密にいうと、お札は価値があると『みんなが認めているから』価値があるんです。

あり得ないことですが、明日から今まで使っていた一万円は全く価値がなくなり、トランプ大統領が印字された新紙幣のみが1万円として機能します!というルールを政府が発表したら。財布の中に入っている諭吉や栄一の価値はいきなりゼロになります。

このように、『みんなが認めている価値』は『みんなの認識』のうえになりたっているので、一瞬でその価値がなくなったり、または価値があることになったりすることが可能です。

しかし、お札を『物質』としてとらえた場合はどうなるでしょうか。お札の本質はあくまでも『紙』であり、モノとして使おうとしたら固くてティッシュのように吸水性がなかったり、メモを取るには余白がなさ過ぎて使い物になりません。

お札に価値があるのは、あくまでも『社会的に』価値があると認められているからです。しかしそこに実物として存在し、手で触ることができる以上『物理的』に存在していることも明白です。

ただ、『紙』であるという物理的な事実はどこまで行っても変わりません。地球上のすべての人類がお札のことを『紙』じゃない!と本気で思いこんだとしても、お札は紙のままそこに存在し続けます。火をつければ燃焼しますし。多少なり水分を吸収する。書こうと思えばメモもとれます。このような機能はあくまでも『紙』であるという物質の本質そのももに紐付くことなので、人間がどれだけ異なる解釈をしても変わることはありません。

このように、お札という物体を『社会的存在』と『物理的存在』の2つの軸でとらえることで、お札は『社会的』には価値があり、『物理的』には価値があまり高くない物体と定義することができます。


カイジ関連情報

『カイジ』は本当に名作です。シリーズが長いので触れることに抵抗があるかもしれませんが、一番最初のシリーズだけでもエッセンスが詰まりまくっているので十分に楽しむことができます。

藤原竜也さん主演で映画化もされてます。藤原節がさく裂していて、漫画とは違ったカイジ像を楽しむことができます。

『金は命より重い・・・・!』という言葉にフォーカスしたお金に関する本も出ています。経済ジャーナリストの著者が、シリーズ1900万部を突破した大人気漫画『カイジ』を、「お金の教科書」として読み解いた一冊です。

人類=ホモサピエンスが持つ特殊能力である『フィクションを信じることができる能力』によって、人間は物理的現実だけではなく社会的現実も理解することがができます。ベストセラーにもなった『サピエンス全史』で詳しく解説されています。

ドントテルミー荒井さんという歴史解説系youtuberの方がカイジを人生で一番好きな作品として熱く紹介している動画もおすすめです。この動画を一本観ればカイジという作品の良さが大体わかります

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改めましてこんにちは。『Nick』と申します。大学は出てないけれど読書を続けて外資系企業で10年以上。そんな等身大のサラリーマンが200冊以上の読書経験と、日々の仕事や暮らしの中で出会った「心に刺さる名言」を紹介します。マンガ・アニメ・映画などサブカルチャーからの引用も多数掲載!

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