ヒット書を作る法則について考えてみる
改めまして、古川書房の古川創一です。
出版社に入り、編集者になって早22年。
今まで色々な本を手掛けてきました。
その中には、
思惑通りに売れた本
期待はずれに思った本
さほど期待していなかったけど売れた本
思った通りに売れなかった本
など、私はいろいろな本を作った経験を積んできました。
目利きって本当に難しい
「おいおい、思った通りに売れなかった本って、そんな本、作らなかった方が良かったのでは?」
そう思われたかもしれませんが、
「売れる可能性がゼロではない」と思いながら、
作っていたこともあります。
実は、
「まさか、あの本があんなに売れるとは!」
があるのが出版の世界だからです。
10年以上前の話になりますが、
100万部を突破した、ある超ベストセラーは、
ある有名著者に書いてもらうための一つの条件として、
出版が決まったと聞いたことがあります。
つまり、そういう条件がなければ、
その超ベストセラーは世に出ていなかったかもしれないということ。
それだけ何が爆発的に売れるのか、わからないとも言えます。
もし、各出版社に「これは売れる・売れない」を高確率で判断できる目利きのいい人がいたら、
私はそれだけでその人は出世街道を歩いていけるのではと思います。
私なりの売れる本の法則とは?
「じゃあ、お前はどうなんだ?」
では、正直に心の内を話します。
残念ながら、私はベストセラーを狙って作れる編集者ではない、みたいなんです。
野球でたとえると、
ベストセラーを狙って作れる人は、
「ホームランの打ち損ないがヒット」の考え方で、
常にホームラン狙いができる人のことです。
そうすると、私は「ヒットの延長線上がホームラン」の人であり、
ミートを心がけて振ったら、たまたまバットの芯にあたり、
思いがけずホームランになるタイプと言えます。
そのため、一般的なベストセラーの作り方とは違って、
私なりのヒット書の法則は地味に映るかもしれません。
それでも興味のある人は聞いて欲しいです。
それでは始めます!
ベストセラー狙いとは違う考え方
そもそもベストセラーは何万部から何でしょうか?
1万部でもヒットと言われるビジネス書の編集の世界では、
10万部を超えたらベストセラーなのではないかと見ています。
では、ビジネス書で10万部以上のベストセラーとはどんな本かというと、
読者対象がとにかく広い本なんです。
ここで『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』という
30万部超を記録した本を企画考案した時のことを例にしますね。
当時、いろいろな読者さんのハガキを読ませてもらいましたが、
中学生から主婦、60歳以上の方など、
本当に年齢層や人の属性に関しては幅広かったんです。
ただ、私自身はこの本の時も読者対象を絞り、
その読者対象が興味を持つように企画を考えただけでした。
まあ、営業部の働きや会社として拡販体制を取ってくれたこともあり、
結果的に多くの読者に読んでもらえただけなんですよね。
一方、ベストセラーを狙ってうまくいく編集者は、
「あえて読者対象を絞らない」という編集方針を持っていたりします。
タイトルの付け方も、多くの方に手を取ってもらうために、
「40歳から始める〜」「誰々のための〜」というような
「あなたのための本だよ」と絞りこむこともしません。
先ほども言いましたように、
読者対象がとにかく広くなければ、
ベストセラー本になりませんから。
ただ、著者の属性、内容、キャッチコピーやタイトルなどのワードセンスも含めて、多くの読者に支持されるよう、緻密に考えて本を作りこまなければ、
誰にも届かない、ただ売れない本になりかねません。
ベストセラーを狙った結果、想定の1割しか売れず、9割は出荷されないまま、
倉庫で眠らせているだけの本になる可能性すらあるのです。
編集者として当然ながら全然売れない本を作り続けたら、
席がなくなります。
そう、私のヒットの法則とは、
そういう惨敗リスクを極力回避するための方法とも言えます。
読者対象は絞る
誰に届ける本なのか、タイトルやキャッチコピーでわかるようにする
まだまだ色々とありますが、この二つは大事にしていますね。
もっともっと語りたいところですが、今日はここまで。
またこのこと、お話ししますね!
