150馬力の直4で走るロングツーリングが最高に楽しい|スズキGSX-S1000GTを買ってよかった理由
ロングツーリングに最適なバイクを探していて、結局たどり着いたのがスズキのGSX-S1000GTだ。
正直、最初は「GTって付いてるし、いかにもツーリングバイクっぽいんじゃないか?」と思っていた。でも実際に乗ってみると、印象はまったく違った。ツアラーらしいゆったり感はほとんどなく、むしろスポーツバイクの血が濃く残ったまま、長距離を快適に走れるという稀有な存在だった。
エンジンはGSX-R1000系の血を引く998cc直列4気筒。最高出力150PS、最大トルク105N・m。低中速からトルクがしっかり出てくるのに、回せばちゃんと直4らしい吹き上がりを見せてくれる。高速道路での巡航は余裕そのものだし、峠に入れば「これ本当にツアラー?」と疑うほど軽快に曲がっていく。車重226kgという数字以上に、ハンドリングが素直で軽い。
ロングツーリングで特に効いてくるのが装備だ。
クルーズコントロールが標準で付いている(2速以上、30km/h〜設定可能)
双方向クイックシフターでクラッチ操作を大幅に減らせる
6.5インチのTFTディスプレイとスマートフォン連携(SUZUKI mySPIN)でナビや音楽が使える
ETC2.0標準装備
防風性の高いカウルとスクリーン
これらが組み合わさると、高速道路での疲労が明らかに減る。特にクルーズコントロールとクイックシフターの組み合わせは、長距離で「まだ走れる」という感覚を与えてくれる。
ポジションもアップライト寄りで、シートもそこそこ厚みがある。ガチのアドベンチャーツアラーやフルツアラーほど「座ってるだけ」感はなく、むしろスポーツ寄りの姿勢のまま長時間乗れる。だからこそ「ツアラーらしくない走り」が実現できているのだと思う。
荷物もサイドケース対応で実用性は十分。燃費は乗り方次第だが、高速道路中心ならまずまずの数字が出るし、19Lタンクと合わせて航続距離も安心できるレベルだ。
もちろん完璧ではない。シートがもう少し柔らかければさらに長距離向きになるし、標準スクリーンは人によってはもう少し高くてもいい。でもそれを差し引いても、「買ってよかった」と思える一台だった。
要するに、「スポーツバイクの楽しさを諦めたくないけど、ロングツーリングもしたい」という人に、かなり刺さるバイクだ。ゆったり流すのもいいけれど、時々アクセルを大きく開けて「直4の加速を味わいながら旅をする」——そんなツーリングスタイルが、このバイクだと自然にできる。
もし今、長距離を走りながらも“ただの移動”にしたくない人は、一度試乗してみてほしい。想像以上に「ツアラーらしくない」走りが、長距離の満足度を大きく上げてくれるはずだ。
