【余白日記】散歩でトイプードルに負けた日
今日、散歩をしていた時、 後ろから軽快な足音が聞こえてきた。
振り返ると、仲睦まじいご夫婦が、一匹のトイプードルを連れて歩いてきた。 次の瞬間、その小さな、綿菓子のような犬が、なんのてらいもなく私をスッと追い越していった。
(……えっ、負けた? トイプードルにラップタイムで負けたのか?)
自分の歩くスピードが、いつの間にか「散歩中の小犬」以下になっていたという衝撃。
ガク然とする私の脳裏に、以前見かけた、「超低速自転車おじいさん」の姿が思い出された。
あの方は、歩くような……いや、歩くよりも遅いスピードで、銀色の自転車を操っていた。 横を歩く犬や若者に軽々と追い抜かれていた。
そんなことは構わずただ一点を見つめて進む。
そのスピードで自転車が倒れないのが不思議。「遅くても、止まらない。揺れても、倒れない。中学生並みのすごいバランス感覚だ。」と感心してしまった。

トイプードルに負けて、無理に歩幅を広げるのはやめた。 追い抜いていく犬のしっぽを眺めながら、私はあのおじいさんの「超低速バランス」をリスペクトした。
大事なのは速さじゃない。
自分のできることを淡々とこなし、人生の景色を味わい尽くすことが重要なのだ。
……でもやっぱり、トイプードルに負けるのは悔しい。
「見ておれ!!今度はギアを上げて、勝ちにいくぞ!!」

ワン
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