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人生最後の大仕事は、「誰もが幸せであれ!」と願うこと

七十年も生きてくると、ようやく見えてくることがあります。

それは、人はひとりでは生きていけないということです。

若いころの私は、自分の力で生きているつもりでした。
働いて、悩んで、決めて、ここまで来た。
そう思っていました。

けれど今、振り返ると違います。

苦しいとき、声をかけてくれた人がいました。
失敗したとき、黙って待ってくれた人がいました。
未熟だった私を、何も言わず受け止めてくれた人もいました。

私はこれまで、多くの人に迷惑をかけながら生きてきました。
そのことに気づくまで、ずいぶん時間がかかりました。

今の自分は、たくさんの人のやさしさの上に立っています。

そう思うと、残された時間をどう生きるかを考えるようになりました。

もう多くは望みません。

広い家も、高い評価も、若いころほど欲しいとは思わなくなりました。

それよりも、やさしい人でいたいのです。

ことばをやわらかくする。
小さなことで怒らない。
急いでいても、人にきつく当たらない。

それだけで、周りの空気は少し変わります。

年を重ねると、「足りないもの」より、「すでに与えられていたもの」に気づくようになります。

温かいご飯を食べられること。
帰る場所があること。
今日も無事に朝を迎えられたこと。

当たり前だと思っていたものが、本当はありがたいことだったと分かってきます。

だから最近は、静かに暮らしたいと思うようになりました。

余計な争いを減らす。
比べることを減らす。
無理に背伸びをしない。

それだけで、心はずいぶん軽くなります。

そしてもう一つ、強く思うことがあります。

それは、「願うこと」の大切さです。

まずは、自分が穏やかでいること。
次に、身近な人が安心して暮らせること。
そして、その願いを少しずつ広げていくこと。

立場の高い人も、低い人も関係ありません。
違う国で生まれた人もいます。
犬も、猫も、小さな生き物たちもいます。

みんな、それぞれの場所で懸命に生きています。

だから、ただ願うのです。

安心して眠れますように。
悲しい思いをする人(生き物)が減りますように。
今日より少し、やさしい一日になりますように。

そんなことを願っていると、不思議と自分の心が穏やかになります。

周りがやさしくなると、自分もやさしくなれる。
自分が穏やかでいると、周りも少し穏やかになる。

幸せとは、そうやって静かに広がっていくものなのかもしれません。

大きなことはできません。

けれど、小さなやさしさなら持てます。

誰かの話をちゃんと聞くこと。
きつい言葉を使わないこと。
道ばたの花をきれいだと思うこと。

そんな小さなことを大切にしながら、これからを生きていきたいのです。

今日もどこかで、誰かが安心して眠れますように。

そんなことを思いながら、静かに夜を迎えています。

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