治らない私から
あらすじ
知的障害は治らない。
しつけの問題でも、努力不足でもない。
わからないことが多い。
世界で生きてきた私が、
この子は何が好きなんだろう?
見つめてくれた大人たちに救われた。
いま、
同じように悩む親御さんへ伝えたいことがある。
物語
治らない私から、あなたへ。
わたしの世界には、
いつもなぜ?が落ちていました。
どうしてみんなはすぐに理解できるのか?
どうして私は、
同じことを何度聞いてもわからないのか?
どうして怒られているのか、
その理由さえわからない日もありました。
「しっかりしなさい」
「どうしてできないの」
「何回言ったらわかるの」
その言葉は、
わたしの胸に重く沈みました。
でも、わたしは怠けていたわけじゃありません。
ただ、世界の見え方がみんなと、
少し違っていただけでした。
ある日、学校の先生が言いました。
この子は、
好きなことをしているときだけ、呼吸が楽そうだね。
その一言で、
わたしの世界が少し変わりました。
絵を描く時間をもらえるようになり、
怒られることが減っていきました。
絵を描いているときだけは、
なぜ?が静かになり、心が落ち着きました。
家でも、母はわたしのすきを探し続けてくれました。
「この子は何が好きなんだろう」
「どうしたらこの子が笑えるんだろう」
しつけではなく。
わたしのすきを見つけようとしてくれた。
できないことを責めるのではなく、
できることをそっと広げてくれた。
その積み重ねが、わたしの心を守ってくれました。
知的障害は治りません。
でも、好きなことがあると、
生きる力は育ちます。
なぜの世界にいる子どもたちに必要なのは、
叱られることでも、無理に合わせることでもなく。
その子のすきを見つけて、
叶えてあげることなんです。
治らない私でも、
好きなことがあったから、
ここまで来られました。
おわりに
知的障害は、しつけの問題ではありません。
本人が努力していないわけでも、
親御さんが間違っているわけでもありません。
ただ、世界の見え方が少し違うだけです。
だからどうか、
「この子は何が好きなんだろう」
「どうしたらこの子が笑えるんだろう」
と、そっと見つめてあげてください。
治らない私から、
いま悩んでいるあなたへ伝えたいのは、
それだけです。

伝えたいこと
障害があっても、なくっても。
私たちは同じように一生懸命生きている。
だから。
誰かを「可哀想」と決めつけないでほしい。
一生懸命生きているその姿こそ、
尊いから。
助け合える社会になりますように。
そんな未来を心から願っています。
感謝の気持伝えなきゃ

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