「乗り鉄のボヤキ――ランドリー室で下着を洗った夜」
旅の食事は侘しい
地方に行くと、駅前の衰退が著しい。
食堂や旅館は姿を消し、 グループホームや葬祭場が目に付くようになった。
コンビニがあるだけまだましで、 昼食にありつけないことも多い。
朝は早く動くから、当然朝食抜きだ。
夜こそご当地ものを……と思うが、 知らない土地で、知らない店で、
知らない人と話すのは苦手だ。 何度も苦い経験をしてきた。
さすがに、問題があると思ったので、今年6月、珍しく温泉旅館に
泊まった。
夕食は食べ飲み放題だが、大食堂で団体客の中、一人メシはやはり侘しい。
6時半には夕食が終わり、することがなくなった私は、 風呂に4回入り、
それでも時間を余して下着を洗った。
ランドリー室の横では、ゲームセンターが電子音を流しながら、
誰かを待っているように光っていた。
四国三部作(近日公開) 旅の空虚さと影を描いた三本のエッセイを、 Kindle版として公開予定です。
