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芸術か、商売か【映画「新世紀エヴァンゲリオン劇場版シト新生」】

某日、楽屋にて。

師匠
「この前、お前さんが『サイレントヒルf』の話をした時、エヴァだ、エヴァだと言うから、アマプラで久しぶりに最初の劇場版を見直しちゃいましたよ」

弟子
「1997年に公開された『シト新生』ですか。アニメシリーズを再編集した総集編とテレビシリーズとは別バージョンのエンディングがセットになったヤツですね」

師匠
「アマプラには前半の総集編部分しか入ってないですけど。実はテレビシリーズを全然観てなくて、初めて観たのがあの劇場版だったんですよね」

弟子
「意味わからなかったんじゃないですか?」

師匠
「いや、意外とテロップが理解を助けてくれてわかりやすかったです。よくわからないシーンもそれはそれで『どんな状況なんだろう?』と想像力を掻き立てられましたし」

弟子
「難解と言われている作品ですが、ガワの部分は結局、巨大ロボットに乗って怪獣と戦う話ですからね」

師匠
「今回字幕も表示して観たのでよりわかりやすかったですね。結構、同時にセリフをしゃべっているシーンも多くて、初見では全然わかりませんでした」

弟子
「そこもうまいですよね。いい感じにはぐらかしていて、観客のほうから『何だろう』と探りたくなるように作られている」

師匠
「あと、総集編なんでサビの部分だけ集められているから、観ているだけで面白いんですよね。編集も上手い」

弟子
「かなり刺激的な画とセリフをバババババと並べられているからもうそれだけで『なに?』ってなりますよね」

師匠
「ただ、無駄にセクシーなシーンも多くてそれがちょっとノイズに感じました。作り手も本気でエロいのをやりたいと思ってないのが透けて見えちゃうというか」

弟子
「そういうのより、ほんとはメカとか特撮のほうが好きなんでしょ?的な」

師匠
「同じガイナックスでも、『オネアミスの翼』で主人公がヒロイン押し倒すシーンのほうがムダにエロかった気がします」

弟子
「あれはかなりイカれてましたね(笑)」

師匠
「逆に戦闘シーンはやたら上手い。後半の『REBIRTH』のほうで、冒頭、ネルフが襲撃を受けるんですが、その描写が残酷かつプロフェッショナルで怖いんだけど目が釘付けになってしまう」

弟子
「火炎放射器でワーッて何度も焼かれるやつですね」

師匠
「ただ、シンジ君を見つけた時、すぐに引き金を引かないところはツメが甘いというか、作劇の都合が見えちゃって残念でした」

弟子
「撃たれちゃったらお話終わっちゃいますから(笑)」

師匠
「眠っているアスカを2号機のコクピットに乗せて湖の底に隠すというのもなかなかダイナミックですよね」

弟子
「クライマックスで、そのアスカが爆雷で目を覚まし、そこから無双するの気持ちよかったですね」

師匠
「ただ、最初の映画版だと、その後、量産機が投入されて、ネルフ本部の上をくるくる旋回しているところで『わたーしーにかえーりなさーいー』と高橋洋子さんのテーマソング『魂のルフラン』が流れて終わるという、『ウィキッド』もびっくりな放り出し展開」

弟子
「その4ヶ月後に続きの『Air/まごころを、君に』が公開されるんですよね」

師匠
「『DEATH』を観た流れで続けてみたんですが、改めて観ると狂ってるなあと思いましたね。ただ、なんか狂っているように観えることをあえてやっているみたいなところも若干透けて見える。それでも、やっぱり強烈なビジュアル表現は唯一無二でしたね」

弟子
「それで思い出したんですが、『サイレントヒルf』、2周目をプレイしてエンディングまでたどり着いたんですが、やっぱりエヴァでしたね。しかも、完全に『Air/まごころを、君に』でした。ゲームプレイ中も1周目とちょっと違う部分もあって、まさに劇場版。次はトゥルーエンディングを目指そうと思っているんですが、私の予想ではすべてのサイレントヒルにさよならする『シン・サイレントヒルf』になるんじゃないかと楽しみにしております」

師匠
「勝手に終わらせるな!」


「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」
1997年公開
日本映画
監督: 庵野秀明(総監督)摩砂雪(DEATH)鶴巻和哉(REBIRTH)
出演: 緒方恵美、三石琴乃、林原めぐみ、宮村優子


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