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お出かけ:神戸市立相楽園

 某記事のコメントに「動物園へ行きたい」と書いた私。
 送信直後、「んー、植物園も良いかもしれない」と思った。

 しかし、私は近くにある植物園の場所を知らない。
 今の場所に越して来てからもう十年になるが、職場とマンションを行ったり来たりするばかりで、あまり何処へも出かけたことがない。

 Googleさんに聞いてみる。
 「神戸市立森林植物園」「神戸布引ハーブ園」「六甲高山植物園」を紹介されるが、どれも個性が強く、私の思う植物園とは少し違っている感じだ。
 尚も探して行くと、「神戸市立相楽園そうらくえん」というのが出てきた。

相楽園は、神戸市の都市公園で唯一の日本庭園です。
約20,000m2の敷地の中にある庭園は、池泉回遊式日本庭園。飛石や石橋を渡り、流れや滝石組など深山幽谷の景を見ることができます。他に蘇鉄園や樹齢約500年と伝えられる大クスノキ、4月下旬頃に咲くツツジの花が見事。
また総ケヤキ造の正門と欧風建築の旧小寺家厩舎(重要文化財)、保存のために移築された船屋形(重要文化財)、旧ハッサム住宅(重要文化財)のほか、茶室浣心亭が庭園の景観と調和しています。

「相楽園」HP説明文

 なるほど。
 桜が終わればツツジの季節。20日時点で「五分咲き」となっている。
 そこから二日が過ぎ、見頃を迎えているかもしれない。行ってみたい、と思った。

 早速用意をして出かけることにする。場所を地図で確認し、服装は……もう半袖でも良いだろう。旦那の形見のパナマ帽を被り、お気に入りのバッグを持って出発だ。

 地下鉄で「県庁前」駅へ。此処からはすぐの筈。
 ところが五分歩いても見えて来ない。スマホのマップで位置を確認すると、北へ向かって歩かなければいけないのに、東へ進んでいた。
 失敗。まあ良い。今日の予定は他に何もない。ゆっくり行こう。
 一旦戻って、マップで方向を確認し、正しい道を歩き出す。

 良いお天気だ。半袖で正解だった。
 道はすぐに上り坂となり、北へ進むにつれてどんどん急になる。
 神戸はそういう街。北へ行くほど坂がきつい。

 やはりすぐに見えて来た。元は個人の邸宅だった筈だが、立派な門があり、そこだけ見れば神社・仏閣の趣。受付で入園料300円を払う。

 立派な庭だ。というか、想像していたよりも全てがデカい。
 土の歩道も幅3m以上、築山は背丈くらいあるし、木々の幹も皆太い。お目当てのツツジも一株が1m以上ある。
 何せ敷地全体が19,566㎡、という広さだ。

 開園時間直後、九時三十分頃に到着したので、未だほとんど人が居ない。
 すれ違ったおじ様が、「綺麗ですね」と声を掛けてきた。
 否、「私が」じゃない、「ツツジが」だ。

「相楽園」ツツジ(撮影:私)
「相楽園」のツツジ(撮影:私)

 満開ではないが、むしろ今が丁度見頃。木々の緑に映えて、花がより鮮やかに見える。
 サツキもあったが、こちらは未だこれからという感じ。牡丹はもう散り掛けていた。季節的にはもう少しあとのイメージなんだけど。

 この時期(2026/4/18~5/6)、園内にある「旧ハッサム住宅」が内部公開されているとのことで、観に行く。入場無料。

「旧ハッサム住宅」この写真はネットで拾った物

 元々北野にあったものを昭和38年に移築保存したらしい。国の重要文化財。
 この写真の前庭左寄りに、ちょっと斜めになった赤い置物のような物があるが、これは煉瓦積みの煙突で、阪神・淡路大震災の時、屋根の上にあったそれが屋根どころか天井までをも突き破り、一階配膳室に落下したものらしい。記憶を留めるために展示している、とのこと。

 内部は少し冷んやりしていて、係の人たちが笑顔で迎えてくれる。質問したら色々答えてくれるのかもしれないが、基本自由に観て回るスタイル。
 「木造二階建て」とのことだが、途中地下へ続く階段もあった。入れなかったけれども、パンフレットを見ると「地下室」の写真が載っている。棚のある狭い空間で、おそらくワインなどを貯蔵していたのではないだろうか。

 落ち着いた板張りの宅内。家具はあまり多くないが、植物などの彫刻が施された重厚なものだ。
 居間にはグランドピアノがあり、鍵盤は象牙貼りとの説明がなされているが、閉められてカバーが掛けられてあり、確認することが出来ず。残念。

 各部屋には暖炉と思われるものが設置されている。思っているよりも小さい。薪を置くだろう場所の奥行きが15cm程しか無い。
 こんな物なのか? 係員に聞いてみれば良かった。

 食堂には大きなテーブルに椅子が六脚。何人で暮らしていたのだろう。来客もあっただろうことを考えると、全部が家族の物では無い気がする。
 見学は不可になっていたが、平面図には別棟で使用人の部屋が載っており、それが三室ある。どれも厨房と同じくらいの広さで、一人一室なら少なくとも三人はいた筈。執事と料理人と小間使いかな、とか想像してみる。

 パンフレットの平面図を見ると、二階の多くは寝室となっているが、ベッドは無く、一部には椅子とテーブルが置いてあった。
 他の部屋には修復をした際の資料が展示されてあり、漆喰塗りの天井にある装飾の型などが置かれていた。なかなか興味深い。

 トイレや浴室なども、中には入れないが柵越しに見ることが出来る。明治35年(1902年)に建築されたとのことだが、当時の最先端の技術が使われていたのではないだろうか。

 ゆっくりと堪能し、外へ出てもう一度外観を見る。雨樋が青緑色で、おそらく銅製だろう。それと同じ色に柱などが塗られていて、緑青で覆われることを想定してそれに合わせた色で仕上げられたのかも、とか考える。

 さて。再び庭に戻ってみると、ずいぶん人が増えていた。明らかにツツジを撮影するためだけに来たと思われる、立派なカメラを持った人も数人いる。
 観光客は年配者が多い。まあ、子供が来ても遊べるような場所はないしね。

 メインの庭・日本庭園に入ると、外国人観光客も多数。但し、団体客では無く、また西洋圏の年配の人たちばかりで、落ち着いた雰囲気を醸し出している。
 七十代と思われるお婆さんが、日本語訛りの英語で外国人に説明している場面に遭遇。格好良い。

 どデカい庭(庭の全景はヘッダーのとおり。撮影:私)だ。池も人工の物とは思えないくらい大きい。
 咲き誇るツツジの色合いがとても良い。散策道の途中には東屋や、急流を模した構造物もある。

流れ落ちる川が再現された庭の一部(撮影:私)

 池には鯉が泳いでいる。入り口で「鯉の餌」を売っていたのを思い出す。
 気が無いのか、そもそも気づかなかったのか、誰も餌を撒いている様子が無い。
 ゆっくりと池の周りを一周して……我慢出来ず、入り口に戻って餌を買う。小さな紙袋に入っている。100円。そっと中を覗いてみると、何で出来ているのか、小粒で緑色のペレットが入っている。

 池に戻り、外周には観光客が大勢いるので、誰も居ない中央に掛かる橋の辺りで餌を撒いてみる。
 鯉が集まって来る。数匹……否、多い。じゃんじゃん来る。池の奥からすうっと背鰭を立てて、たちまち何十匹も寄ってくる。

 少しずつ何度も撒く。ふと人の気配を感じて横を向くと、私の周りに十数人の人間も集まっていた。ぎょえっ!?。
 勿論皆、私ではなく、群がる鯉が目当てだ。外国人が多いが、中に居た日本人のお婆さんが話しかけてくる。
「それ、何処で売ってるんですか?」
 そうか、やはり撒いてみたいか。入り口で100円で売っていると教えてあげる。しばらくして居なくなったところを見ると、買いに行ったらしい。

 鯉の中には、大口を開けて池の上に顔を突き出し、「此処へ入れろっ」と要求してくる者もいる。狙ってみるが、高さもあるので外れる。そしてその餌は、周りの鯉に食べられる。
 鮮やかな紅白や、金の錦鯉もいるが、黒いものが多い。こんなに何十匹も集まると、少し怖い気持ちさえする。
 周りの観光客たちは盛んに写真を撮っている。勿論私が目当てではなく……もういいか。ゆっくりと時間を掛けて撒き終わり、私は黙って立ち去る。周囲の観光客たちも解散。

 小一時間かけて見て周ったあとはまた受付に行き、お土産として「錦鯉のおりがみ」を買う。145mm角。鯉の柄に似た模様の四角い紙が六色各二枚入っており、台紙の裏面に鯉の折り方が載っている。300円。
 「錦鯉以外を折ってもかわいいよ」と書いてあり、折り鶴の写真が載っているが……マダラ模様で違和感。
 大体この紙には、鯉を折った時に目玉になるように、丸い模様も入ってるんだよ。どうすんだよ、それ。

 地下鉄に乗って帰る。
 「相楽園」は全然植物園ではなかったが、美しいと同時に迫力のある庭だった。平日の早い時間帯だったからか、混んでいなくて人が居ても静かなのが何より。また紅葉の頃に行くと良いかもしれない。
 なかなか充実した時間を過ごせて満足。
 そして、戻ったあとは「疲れて昼寝」までがお約束。

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かんちゃ 宜しければサポートお願い致します まだまだ初心者、日々頑張って参ります