未来からの手紙…物語が始まる時…#手から手へ…
ある夜…届いた手紙
……ああ……
身体の向き……
なんとか……
向こうへ……
ああ……あ……
丸い窓……
暗い空……
ううん……
空じゃ…ない……
あれは『空』じゃない……
くすくす……
ひとりでに笑みがこぼれる……
見たこともないのに……
また……『空』だと想う……
何も見えない暗い空間……
どこまでも続いて……
ひかるものもない……
この……
はるかな先の……どこか……
遠い所に……
明るくて……
蒼くて……
白くて……
『空』がひろがる……美しい星……
……遥かなご先祖の生まれた星だって……
それを観たときから……
ずっと……頭を離れない……
……美しい蒼い星……
見たことのない空が
閉じた瞼の奥に浮かぶ……
蒼 水色 薄紫色 橙色
『朝焼け』とか……
『夕焼け』とか……
綺麗だった……
何があって……
どうしてこうなったか……
全部知ってるし……
しかたのないことかもしれないけど……
もっと……
どうにか……
できたんじゃ……ないかな……
この船に乗ってからも……
何度も何度も……
思うこと……
思ってきたこと………
自分だって……
自分だって……
たいしたことは
何ひとつ……
できなかったし……
みんな……
同じこと……
思うのかな……
この……
最後の瞬間に……
もっと……
何とかなったんじゃ……ないかって……
ああ………
お水……
飲みたいけれど……
もう……
手が上がらない……
……ごめんなさい……
何も……できなくて……
……ごめんなさい……
昔の人は……この最後の瞬間を……
ああ……綺麗だ……とか……
ああ……ありがとう……とか……
『空』や『花』や『海』を見て……
涙を流したのかな……
今……私は……
『ごめんなさい』の涙……流してる……
間に合わなくて……
悔しくて……
ごめんなさい……
ごめんなさい……
ごめん……ね……
許して……ね……
次は……私……
……昔に生まれたいな……
……生物反応消滅 これより 無人システムに切り替え 航行続行……
……最後の思念を遺言により発信……
物語が始まる時
受け取ったのは
昨年の暮れ……
ふいに…
浮かんできたものを
そのまま書きとめたら
手紙のようになりました。
どこから来たの……?
あなたは誰……?
書きとめたまま
沈黙していた言葉たち
物語として
降ってきたのか……
あらゆる人の
ささやかな
一歩の集まりが
未来を
大きく変える
原動力となることを
願った
この方の
祈りなのか……?
今を生きる
私たちの世界が
ぎりぎりの
瀬戸際に
立っているのは
どうやら
間違いないようで……
直感に従い
このまま
投じます。
この手紙が
何かを
届けてくれますように……
この手紙を
受け取った
誰かの
物語が
始まりますように……
募集期間のぎりぎりまで
悩みに悩んで…
#を……
