五百円が運ぶもの
私の実家の父は、今年七月で八十二歳になりました。
昔、高校で世界史を教えていた父は、
定年退職をした今も学ぶことをやめません。
「自分の足で歩けるうちは」
そう話しながら、大学の開放講座へ通い、
学生さんたちと一緒に講義を受けています。
実家へ帰ると、父がこんなことを話してくれました。
「歳を重ねると、覚えたくても記憶からこぼれ落ちていってしまうんだ。それが悔しくてね。でも、それは宝物。あきらめたくないんだ」
その言葉を聞いたとき、私は父らしいなと思いました。
知ることを楽しみ、学び続ける姿は、
私の子どものころからずっと変わりません。
講義の日には、学生さんたちと一緒に大学の学食でお昼ごはんを食べます。
父の大好きなカツカレーや日替わり定食を食べながら、若い人たちと交わす何気ない会話は、父にとって新しい発見や元気につながっているようでした。
その学食は五百円ほど。
私は、そんな父の姿を少しでも応援したくて、五百円玉を少しずつ貯めています。
たくさんではありません。
でも、その五百円には
「これからも元気に学び続けてね😊」
そんな気持ちを、そっと込めています。
父はきっと、これからも新しいことに
出会いながら歩いていくのでしょう。
私も父のように、昨日より少しだけ
世界を広く見られる人でありたい。
そしてこれからも、学び続ける父の背中を、
静かに応援していきたいと思います🤗🍀

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