55歳の男性。「コレステロールの薬を飲むと、体がつらくなってしまうんです

「コレステロールの薬を飲むと、体がつらくなってしまうんです」
「日常生活の自己管理も、自分なりに気をつけて頑張っています」
「でも、LDLコレステロールが目標値まで下がらないんです。どうしたらいいのか分かりません」
55歳の男性の患者さんが、田園都市高血圧クリニックかなえを受診されました。
診察室で、患者さんはこのように話されました。
「以前、リピトールやリバロを試したことがあります」
「でも、その後におしっこが茶色くなってしまいました」
「肩や体の節々が痛くなって、筋肉も痛くなりました」
「そのとき、お医者さんから『スタチンの横紋筋融解症』と言われました」
「お医者さんからは『スタチンを飲んではいけない』というふうに言われました。」
患者さんは続けて、心臓のことについても話されました。
「一方で困っているのが、大学病院の心臓CTで、冠動脈に大きなプラークが見つかったことです」
「心臓の血管に動脈硬化があると言われました」
「悪玉コレステロール、つまりLDLコレステロールを100未満にしなさいと言われています。スタチンの薬が望ましいです。でも、薬の副作用でなかなかスタチンが飲めなくて困りましたね。日常生活を注意して、気をつけて生活してください。」と言われたようです。
患者さんは、少し困った表情でこう続けました。
「日常生活でいくら注意して頑張ったとしても、悪玉コレステロールを100未満に抑えるのは、かなり難しいと感じています」
「でも、僕は薬が飲めないんです」
さらに、この患者さんには、もう一つ大きな心配がありました。
「膵臓がんの手術を受けたのですが、治療のおかげで、今は化学療法も抗がん剤治療も終わっています」
「今は元気に過ごせています」
がん治療が一段落し、日常生活を取り戻してきたからこそ、これからは心臓と血管を守ることが大切になっていました。
「それなのに、コレステロールの薬、つまりスタチンが飲めないんです」
「どうしたらいいですか?」
このように、LDLコレステロールを下げる必要がある一方で、スタチンの副作用により治療が難しい方がいます。
今回は、このような場合に選択肢の一つとして「レクビオ」というLDLコレステロールを下げるお薬があることを解説していきます。
LDLコレステロールを下げるレクビオ注射とは?

この症例におけるレクビオのメリットは、次の3つです
スタチンが使いにくい方でも、LDLを下げる選択肢になる
この患者さんは、リピトールやリバロで尿の色の変化、筋肉痛、節々の痛みがあり、「横紋筋融解症」と診断されています。
そのため、スタチンを再開することには慎重さが必要です。レクビオは、スタチン以外の方法で悪玉コレステロールを下げる選択肢になります。心臓CTで冠動脈プラークがあるため、心血管リスク対策として重要
大学病院の心臓CTで冠動脈に大きなプラークが見つかっており、LDLコレステロールをしっかり下げる必要があります。
生活習慣を整えてもLDLを目標まで下げるのが難しい場合、レクビオにより心臓と血管を守る治療を強化できる可能性があります。半年に1回の注射で、治療を続けやすい
レクビオは、初回・3か月後・その後は半年に1回の注射で治療を続けます。
毎日薬を飲む必要がなく、薬局で薬を受け取る手間も少ないため、長く治療を継続しやすい点があります。特にこの患者さんのように、自己管理を頑張っている方にとって、負担を増やしすぎずに治療を追加できることは大きなメリットです。
医師がスタチンではなく、レクビオを考えるのはどのような場合か

特に重要なのは、次のような条件です。
・高コレステロール血症があること
・心血管イベントのリスクが高いこと
・スタチン治療が適さないこと
・食事療法を実施していること
・運動療法などの生活習慣指導を継続していることなどです
このような場合に、医師は「スタチン以外の方法でLDLコレステロールを下げる必要がある」と考えます。その選択肢の一つとして、レクビオを検討します。
レクビオはすべての方に必要な薬ではない

ただし、ここでも大切なのは、レクビオはすべての方に必要な薬ではないということです。スタチンが安全に使える方では、まずスタチンを中心に治療を考えることが一般的です。また、ほかの内服薬で調整できる場合もあります。
レクビオは、「薬を飲みたくないから使う注射」ではなく、「心臓や血管のリスクが高く、かつスタチン治療が適さない場合に検討する治療」と考えるとわかりやすいです。
治療を選ぶときには、検査値だけでなく、これまでの副作用、心臓や血管の状態、生活習慣、費用面などを含めて、医師と相談しながら決めていくことが大切です。
レクビオ注射にかかるお金は窓口で119,900円のお支払い!!
「え、1回でこんなにするの⁈」って思いますよね。
ここで、今回の患者さんがレクビオ治療を受ける場合の費用について、参考として整理します。
実際の支払い額は、診察内容、検査内容、保険の自己負担割合、所得区分、高額療養費制度の利用状況、同じ月にかかったほかの医療費によって変わります。そのため、ここで示す金額はあくまでも一例です。
3割負担でレクビオ皮下注300mgを1回投与した際、窓口で119,900円のお支払いとなりました。
1回の注射で11万円を超える支払いと聞くと、高いと感じる方は多いと思います。
この患者さんのお支払いイメージ

初回投与から1年間で考えると、注射は通常3回程度になります。今回の実例の窓口負担で単純計算すると、レクビオ注射だけで、
初年度 119,900円 × 3回 = 359,700円
となります。
ここに、初診料、再診料、採血、検査、診察内容などが加わるため、1年間、3回の通院で、おおよそ37万円〜39万円前後になる可能性があります。
ただし、これは「レクビオによるコレステロール治療を中心に考えた場合」の参考金額です。実際には、血圧、糖尿病、心臓病、がん治療後のフォロー、ほかの検査や薬がある場合には、費用は変わります。
レクビオ注射って、ものすごく高額ですよね。
レクビオの費用は「1回の金額」だけでなく「年間の通院回数」で考える

レクビオは、1回あたりの窓口負担だけを見ると高額に感じられる治療です。
実際に、3割負担の方で、1回の注射により119,900円のお支払いとなった例があります。1回で11万円を超えると聞くと、「高い」と感じる方が多いと思います。
ただし、レクビオは毎月投与する薬ではありません。初回投与、3か月後の2回目投与、その後は6か月に1回の投与で継続します。
現在、コレステロール治療で毎月通院している方であれば、1年間で12回通院していたものが、年2回になるイメージです。
また、レクビオは医療機関で行う皮下注射のため、内服薬のように薬局へ行って薬を受け取る必要がありません。薬局での支払いも発生しません。通院や薬局に行く時間を減らせる点は、忙しい方にとってメリットになることがあります。
レクビオは高額療養費制度が使える場合があります

高額療養費制度とは、1か月に支払った医療費が一定の上限額を超えた場合に、超えた分が支給される制度です。
上限額は、年齢や所得によって異なります。実際の自己負担額は患者さんごとに変わります。費用が心配な方は、治療前に健康保険組合、協会けんぽ、市区町村の窓口、または医療機関に確認しておくと安心です。
レクビオの治療に関する高額療養費制度Q&Aはこちらです。
https://www.okusuri.novartis.co.jp/leqvio/cost/faq
レクビオは医療費控除の対象になる可能性があります

医療費控除は、1年間に支払った医療費をもとに、確定申告で所得控除を受けられる制度です。
レクビオを受けた場合は、領収書や医療費のお知らせを保管しておくことが大切です。
ただし、高額療養費制度で戻った金額や、保険金などで補てんされた金額は差し引いて計算します。詳しくは、税務署や税理士に確認すると安心です。
「半年に1回の注射」=「すべての通院が半年に1回でよい」ではありません
ここは誤解しないように大切です。
レクビオが半年に1回というのは、あくまでも「コレステロールを下げる注射の投与間隔」の話です。
血圧が高い方、糖尿病がある方、心臓病の管理が必要な方、ほかの薬の調整が必要な方は、別途通院や検査が必要になります。
また、コレステロール以外の治療が入る場合には、診察内容や検査内容が増えるため、費用も変わります。
レクビオの費用は、1回の注射代だけでなく、年間の通院回数、高額療養費制度、医療費控除、ほかの病気の管理も含めて考えることが大切です。
一方で、レクビオは毎月投与する薬ではなく、安定後は6か月に1回の投与です。また、薬局で薬を受け取る必要がなく、薬局での支払いも発生しません。
さらに、高額療養費制度や医療費控除を利用できる可能性があります。
そのため、1回ごとの窓口負担だけで判断するのではなく、半年単位、1年単位で考えることが大切です。
もちろん、費用の感じ方は患者さんによって異なります。治療を始める前に、どのくらいの費用がかかるのか、高額療養費制度を使えるのか、医療費控除の対象になりそうかを確認しておくと安心です。
まとめ
今回の55歳男性の患者さんのように、悪玉コレステロールを下げる必要がある一方で、スタチンの副作用により治療が難しい方がいます。
リピトールやリバロなどのスタチンで、筋肉痛、体の痛み、尿の色の変化があり、横紋筋融解症と診断された場合には、同じ種類の薬を続けることに慎重な判断が必要です。
一方で、心臓CTで冠動脈にプラークが見つかっている方や、狭心症・心筋梗塞などのリスクが高い方では、悪玉コレステロールをしっかり下げることが大切です。
レクビオは、こうした方にとって選択肢の一つになる注射薬です。初回、3か月後、その後は6か月に1回の投与で治療を続けるため、コレステロール治療だけであれば、通院回数を大きく減らせる可能性があります。
ただし、レクビオは「悪玉コレステロールが高い人全員に必要な薬」ではありません。スタチンが安全に使える方では、まずスタチンを中心に治療を考えることが一般的です。
また、「半年に1回の注射」というのは、あくまでもレクビオによるコレステロール治療の投与間隔です。血圧、糖尿病、心臓病、腎機能、ほかの薬の調整が必要な方は、それぞれに応じた通院や検査が必要です。
大切なのは、検査値だけで判断するのではなく、これまでの副作用、心臓や血管の状態、生活習慣、費用面も含めて、自分に合った治療を医師と一緒に考えることです。
スタチンが飲めないからといって、悪玉コレステロールの治療をあきらめる必要はありません。安全に続けられる方法を一緒に考えていくことが大切です。
田園都市高血圧クリニックかなえでできること

田園都市高血圧クリニックかなえでは、高血圧だけでなく、脂質異常症、糖尿病、狭心症後の管理、動脈硬化の評価など、生活習慣病と循環器内科の診療を行っています。
悪玉コレステロールが高い方、スタチンが体に合わなかった方、心臓の血管について心配がある方、治療費も含めて相談したい方は、一度ご相談ください。
当院では、これまでの検査結果、内服歴、副作用歴、心臓CTやカテーテル検査の結果、現在の生活習慣などを確認しながら、その方に合った治療を一緒に考えていきます。
レクビオが必要かどうかも、検査値だけで決めるのではなく、心血管イベントのリスク、スタチンが使えるかどうか、生活習慣の取り組み、費用面などを含めて慎重に判断します。
ご予約について
悪玉コレステロールが高い方、スタチンの副作用でお困りの方、心臓や血管の動脈硬化が心配な方は、田園都市高血圧クリニックかなえへご相談ください。
▼ご予約はこちら
田園都市高血圧クリニックかなえ 公式ホームページ
https://yume-kanae.jp/
たまプラーザ駅南口 徒歩1分
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