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息苦しさの中で見えた虹|創作大賞感想

岡埜由木古(偏光)さんの小説『虹の女神』は、知らない世界を垣間見るような物語だった。

舞台は大正時代の九州。恋愛結婚なんて認められなかった時代の、結婚式。

方言が多く、もしかしたら正確に物語を掴み切れていないかもしれない。それでも、閉ざされた地方独特の空気は感じ取れた。

自分の人生なのに、自分の意思だけでは決められない時代。家族や村のしきたりにも左右される。周囲の視線にも縛られる息苦しさが、会話の端々から滲んでいた。

もちろん、結婚もそうだ。本人たちの気持ちはなかったことにされ、村のしきたりや家の思惑で決められる。そうやって周りの声で人生を決められていくことに逆らえない。当時の人たちは、そういうものだと受け入れていたのかもしれない。

今の感覚で読むと、「そんなことはおかしい」と言いたくなる。でも、登場人物たちは大声で反抗するわけではない。ただ、その時代の空気の中で生きている。それが妙にリアルに感じた。

だからこそ、途中で出てくる「虹」が希望の光のようにも思えた。タイトルの『虹の女神』がなかなか出てこないなと思って読んでいたけど、出てきたところで「なるほど」と思った。

この物語は、大逆転劇でも真相がひっくり返るわけでもない。ただ、閉ざされた地域の息苦しさが妙に生々しかった。

虹の女神 | 岡埜 由木古(偏光) @henko_3in0 #TALES

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