妻と読書。
妻の本が増えていく。
最近、読書にハマり始めたらしい妻。
本を読んでは写真を撮って、
noteに感想を投稿しているらしい。
自分も読書はするが、
妻の本は見たこともない本ばかりだ。
「書く」とか「文章」とか書いてある本が、
最近妻の本棚に並んでいる。
そんな中に、この本を見つけた。

『本屋大賞受賞!』という字が目を引く。
確かにこの本は、書店で何度も見たことがある。
何となく気になったものの、買わずにいた。
その本が家にあるとは!
やった!読める!
あ、でも、妻に断りを入れた方がいいかな。
でもなー。気になる。
そんなことを考えていたある日。
妻の入浴中に、こっそり本を手に取った。
…やっぱり読みたい。
読んじゃおうかな。
本を持ったまま、本棚の前で悩んでいると、
「どうしたの?」
妻だ。
いつのまにかお風呂を出ていたらしい。
「私の本を持ってどうしたの?」
「いや、何でもないよ。ところでさ、本増えたね。読んでみたい本があるから、読んで良い?」
「いいよ。ただ、私もまだ読んでない本があるから、読む時は声をかけてね」
「うん、わかった。僕の本も読んで良いよ」
よし、本を借りる許可は出た。
一声かければ、妻の本が読み放題だ。
それから数日が経った。
妻が何だか機嫌が悪い。
怒りの矛先は、おそらく自分だ。
そして、うっすら理由がわかっている。
妻が楽しみに読んでいる
『成瀬は天下をとりにいく』を、
最近勝手に借りっぱなしだからだ。
声をかけるのも、忘れた気がする。
妻を気にしつつも、
本の続きが気になるので読んでいたところ、
妻の冷たい声が飛んできた。
「私の本なんですけど。それ」
あ、やばい。怒ってる。
「ごめん、借りっぱなしで」
「一声かけてねって言ったのに、全然声をかけてくれないじゃん。勝手に持ち出さないで」
あーあ。怒られた。
「…ごめんなさい。次から気をつけます」
謝ったものの、何だか気まずい。
空気を変えたくて、話し続けた。
「ねえねえ、どこまで読んだ?僕ね、レッツゴーミシガン 終わりそう」
(☆レッツゴーミシガン は、6つのエピソードの5つ目)
すると妻は、しかめた顔を少し緩めて言った。
「まだ、線がつながる を読み始めたぐらいだよ。」
(☆線がつながる の話は、6つのエピソードの4つ目)
と、ここで話を終わらせておけば良かったのに、
つい調子に乗って余計なことを言ってしまった。
「え、まだそんなところ?何なら、続き教えてあげよっか?」
…しまった。と気づいた時には遅かった。
妻の顔色が変わった。
「は?もともと私の本だからね?私が読みたいときに持ち出されてるから、進まないんだよ」
まずい。絶対にこれはまずい。
目を合わせてこないし、言葉に棘がある。
絶対怒ってる。
「わ、わかった。わかったから。ちゃんと今度から本借りる時は声かけるし、マウントも取らない。ごめん」
とにかく真剣に謝って、許してもらった。
妻より先に、『成瀬〜』は読み終えそうだ。
でも結末は言わない。
しかし妻は、僕が成瀬を読んでいる間に、
何やら新しい本を買ったようだ。

大河ドラマ『光る君へ』ファンとしては、
気になって仕方ない。
こちらも早く読みたいな。
<あとがき>
夫目線の記事第2弾です。
今回は、読書について。
夫とは本の好みが違うので、私の本に興味を持たないと思っていたのですが、何やら興味を持っている様子。
文章術の本はパラパラとめくりつつも、あまり興味を持てなかったらしいのですが、『成瀬』は読みたがりました。
危うくケンカになるところでしたが、夫が折れたので、万事休すと言ったところでしょうか。
枕草子は、円満に取り扱いたいものです。
ちなみに、夫の本で私が興味を持つものは、残念ながらありませんでした。
夫目線の記事第1弾はこちらです。
