モチモチの最終回は、今日かもしれない。
小5の二男が2泊3日の野外学習から帰ってきた。
家族と離れて過ごすのは初めてだった二男。
野外学習は楽しかったらしい。
でも、それ以上に過酷だったと、
ドサッとソファに座りこんだ。
「お母さん。野外学習、大変だったんだから」
とはいうものの、充実した3日間だったようで、
野外学習でやってきたことを色々話してくれた。
飯盒炊さんにキャンプファイヤー。
次々と思い出話に花が咲き、
目を輝かせている。
二男のご機嫌な様子に、私もうれしかった。
しかし、突然二男が不機嫌になった。
「どうしたの?」
すると、二男がふくれっ面でつぶやいた。
「お母さんが、ほっぺをモチモチ触ってくれないから、おもしろくない」
モチモチ。
それは、モチモチの頬を触るスキンシップ。
二男が小さなころから、
モチモチでコミュニケーションを図ってきた。
しかし、二男はもう10歳。
そろそろ卒業だろうと思い、
少しずつ回数を減らしていた。
ところが、本人はお気に召さず、
「もっとモチモチしてほしい」と
リクエストされた。
それほどまでに、
二男は頬をモチモチと触られるのが大好き。
それでもさすがに、
今日は疲れているだろうから遠慮していた。
それが逆に気に障ったらしく、
不機嫌になってしまった。
「ごめんごめん。じゃあ、モチモチさせて」
そう言って、二男の柔らかい頬をモチモチと触ると、
やっと機嫌を直してくれた。
モチモチは癒し効果もあるのか、
二男は気持ちよさそうに顔をほころばせている。
その様子は、赤ちゃんのころから変わらない。
頬を触ってほしいといってくるなんて、
まだまだかわいいな。
もちろん、人前では「モチモチして」なんて
さすがに言わないけど、
家の中ではまだまだ甘えたいらしい。
結局のところ、甘えん坊将軍なのだ。
そんな二男でも、いつかは成長する。
そのうち甘えなくなるだろう。
頬をモチモチしてなんて言わなくなるだろうから、
甘えたいうちは安心して甘えさせようと心に決めて、
私は今日も二男のリクエストに応えて、
頬をモチモチする。
モチモチの最終回は今日かもしれないと思いながら。
そして今日も思う。
「かわいい」という言葉でおさまらないほど、
わが子が愛おしくてかわいい。
