見出し画像

9歳の魔術師。

我が家には、油断ならない魔術師がいる。

小4二男。9歳。
何をやってもかわいくて仕方ない。

いや、もう手放しでかわいい年齢が過ぎているのは自覚している。しかし、わが子だからと言うことを抜いても、二男がかわいい。

ちなみに長男も超かわいい。
それはまた別の機会に。

二男は、赤ちゃんの頃からほっぺがもちもちしていた。ミルクをよく飲み、離乳食をむさぼるように食べ、たまに私の食べ物を手づかみで奪おうとする。あの手この手で食べることに貪欲だった。今はずいぶんシュッとしたフェイスラインになったが、それでも本人は、自分の頬が家族の中で一番柔らかくて触り心地がいいことを十分自覚している。

だから彼は、親や長男に対して自分の要求を通そうとするとき、頬をすりよせて近づく。思わず触ってしまったら、二男の思うツボだ。「罠にハマった」と言わんばかりに、要求を突きつける。相手の手をとり、自分の頬をもちもちと揉ませながら、やりたいことを言う。

そこまで持ち込まれると、たいていの人は「いいよ」と言ってしまう。それほど二男の頬は触り心地が抜群なのだ。「そんなことで」と思われるかもしれないが、そんなことで二男は家族を虜にしてしまう。

わが子だけど、恐ろしい子!

そんな魔法に負けないよう、私は気を張り詰めている。私は最終関門だ。お母さんは簡単には陥落しないもんね。二男にもそう思われているようだ。お父さんやお兄ちゃんのように、ちょろくない。

その甲斐あってか、何か都合の悪いこと(例:給食の白衣を学校に忘れてきた)があると、シュンとした顔で言いに来る。夫や長男には頬を触らせて、何とか怒られないように事を運ぶが、私には通用しないのを心得ている。すごいぞ、二男。策士だ。

シュンとした顔で言いに来て、ひと通り叱られた後、二男は私にギュッと抱き着く。抱き着いて耳元でささやく。

「お母さん、普通にしててもかわいいよ」

か~っ!!かわいい~!!


はい。私もまんまと二男の手のひらに転がされた。

二男は相手をよく見て、どうしたらうまく事が運ぶかを熟考して、実践している。失敗もするが、絶対にあきらめない。相手をいい気持ちにさせて、自分の思うとおりに人を動かすのだ。

トライアンドエラーを繰り返し、よりよい方法を探る。まさに、ビジネス本のモデルじゃないか。
やるなぁ、二男。
かわいい。

将来が末恐ろしくもあり、楽しみでもある。
お願いだから、人をだましてお金を稼ぐような人にはならないでね。

いいなと思ったら応援しよう!