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「注意力」ということについて考えてみた



発達の課題を抱えている問題で、一番多くみられる困りごとの一つに


「注意力」がある

気が散りやすい
聞き漏らしが多い
授業についていけない
忘れ物が多い


注意コントロールの発達は、エフォートフルコントロールの中核である。

<エフォートフルコントロールとは>
状況に応じて自発的に注意を焦点化したり、注意を移行したりする能力である。自己制御や感情制御に関連している。
また、両親の発達や他の適応と関連していると言われている。

エフォートフルコントロールの高さは、
社会性の発達や怒りの制御、共感性の高さと関連していると言われている。



「注意力」について知ることは、大事なことなのではないかと思った



エフォートフルコントロール◆

「行動抑制」「注意の移行」「注意の焦点化」という下位概念が含まれる。


「行動抑制」
計画を立てる際、指示下あるいは新しい不確かな状況において、不適切な近接反応を抑える能力。
◆「注意の移行」
必要に応じて現在注意を向けている対象からの別の対象へと適切に注意を切り替える能力。
◆「注意の焦点化」
作業に関連したことに注意を向け続ける能力。


エフォートフルコントロールは、注意システムの機能に結びついた意識的な自己調整力の個人差に関わってくる。また、行動や注意の制御だけでなく、感情の経験や表出の制御とも関連している(Eisenbeg,2006)。



また、他の文献では、

「注意力」には4つの機能的要素として
①注意の持続
②選択的注意
③注意の転換
④注意の分配

それぞれ異なる脳神経的な仕組みによって働いていると書かれている。


①注意の持続

不注意の問題
・他のことに注意がそれる
・他のことに目移りし長い時間かかってしまう
・置いたら置きっぱなしなど、何事はも乱雑になりがち
・忘れ物や置いた場所がわからない
・根気のいる課題や込み入ったことが上手くできないため苦手

<原因>
前頭葉の働きが鈍る:覚醒度(意識の清明度)が低下、ぼんやりしている様子。

睡眠不足や疲労もそうのような原因となるが、
・睡眠と関係なく起こる→ADHDの可能性
ADHDのお子様では、単調な刺激だけでは急激に覚醒度が低下する。
うつ状態でも、前頭葉の機能が低下し、集中が困難になり、不注意なミスが増える。

頭が働き過ぎることでも起こる。
・躁状態。次々とアイデアが湧き、関心や話題が飛び移る。注意の転導性が亢進

注意が散りやすいという場合、
ADHDばかりではなく、うつや躁うつのような気分の問題も考慮する

思春期以降に強まった場合は要注意。

ADHDに似ている新奇性探求という、興味のないことや新味のないものに
飽きっぽく、真新しい刺激に注意が惹きつけられやすいタイプがある。
高い処理能力を示すこともあり、頭の回転が速く、好奇心旺盛な子タイプ。
受動的な状態に置かれると、集中力が低下し、新奇な刺激に転導性が亢進するため、注意の持続が妨げられる。

※WISC「符号」など


②選択的注意

無関係な情報に惑わされず、関係のある情報にだけ注意を選択的に向ける働き。
・選択的注意が弱いと、雑音のある環境では肝心なことに集中しにくく、強い疲労を感じる。
・探し物が苦手。無関係なものに注意を奪われ、効率よく必要なものだけを見つけ出せない。

ASDでも低下が見られやすい。
精神的な悩みを抱えていたり、神経が過敏になっている状態でも機能が損なわれる。その結果、雑念や集中力の低下が起こる。

※ストループ課題、WISCーⅣ「絵の抹消」など


③注意の転換

注意の対象を切り替える働き。
・注意の転換が弱いと、目の前の刺激や反応パターンに囚われてしまい、他に切り替えることが難しくなる。
・何かをやりだすと止められない、一つの考えから抜け出せなくなりやすい。
・視野が狭くなりやすく、過集中してしまい、他のことに気づかない。
「木を見て森を見ず」
・あまり重要でないことにエネルギーや時間をかけすぎてしまう。
・変化の異変に気づくのにも、気がつかなかったりする。

探し物をしたり、ミスをチェックするには、②選択的注意とともに関わってくる。

※WISC「絵画完成」など

集中力にあまり問題がないのに、周囲が見えてないタイプでは、注意の転換に問題が起きていることがある。
ASDに伴いやすい過集中は、注意の転換と注意の分配の困難が関係している。

不安が強く、否定的な考えにばかり囚われている状態では、他のことに注意の切り替えができなくなっていることがある。


④注意の分配

同時に複数のことに注意を分配しながら、課題を行う働き。

苦手だと、同時に二つの作業をすると、能率がガクンと低下する。
注意の分配と注意の転換は、同じ機能の別の側面。

※WISC「記号探し」の課題が「符号」に比べ、大幅に成績が悪くなる。



このような、機能的な働きをしていると説明されている。


「注意力」はメンタルの状態の影響を受けやすい。


不安や緊張が強いと、慣れない場では、注意力が低下しやすい。
うつや躁状態、睡眠不足、疲労状態でも、注意力は大きく低下する。
神経過敏や、幻覚妄想がある場合も、注意力は低下する。

注意力の低下があるからといって、注意の障害とは限らない。


ADHDの人に特徴的に見られるのは、①注意の持続の困難
ASDでは、②選択的注意③注意の転換④注意の分配の方に困難が見られやすい。

注意の持続は、学力や知的能力に影響しやすい問題

一人一人抱えている困難さの混じり方は異なる。
それぞれの要素について、課題を把握する。



◆ワーキングメモリーの低下

注意とワーキングメモリーは別機能と考えられている。

ワーキングメモリーが低下しても、注意力が低下しても
同じような結果になる。

<見分けるポイント>
・ワーキングメモリーの問題の場合
 →暗算や暗記が苦手。学業に影響が出やすい。
・注意力の問題の場合
 →知的能力が高いこともある。


それぞれの課題にあった、遊びのようなトレーニングがある。
その本質は、遊びと同じ!
遊びを通して、子どもは社会性をはじめ、さまざまな能力を発達させていく。
昨今は遊びが貧困で、その機会も減って、自然に身につきにくいように感じる。

子どもたちの「やりたい」という主体性を尊重し、関心に寄り添う。
が、本人の関心ややりたいことに振り回され、無秩序な状態になるのではなく、
遊びにもルールがあるように、一定の秩序や決まり事を守るということも大切なこと。工夫して、気分を高めて、ある程度の枠組みがあるといい。


記事で引用した図書は、
精神科医で発達や愛着の研究をされていることで有名な岡田尊司先生が書かれた
『子どものための発達トレーニング』
家庭で課題が改善しますというキャッチフレーズ

・注意力トレーニング
・ワーキングメモリーの課題とトレーニング
・言葉やスピーチの課題とトレーニング
・視覚・空間認知のトレーニング
・基本的な社会的能力のトレーニング
・プランニングと統合能力のトレーニング
・行動・情緒のコントロール
・愛着アプローチ

内容が揃っており、事例ケースも書かれてあり、わかりやすいと思います。
ご一読されると何かの気づきになるのではと、紹介いたしました!



仕事の中で、子どもたちの困り感について理解したいと思い購入した本。
自分の注意力についても深められ、理解できた感じがしました。
「注意力」って機能に種類があるんだと学んだ。

私は③注意の転換が苦手。知覚統合IQ140だが下位検査は、
積木と行列は満点19点に対し、絵画完成は10点と極端に低く、群内で偏りあり。
ワーキングメモリとなる作動記憶IQ105、下位検査の数唱は9点、算数13点
一時的に留めておくことも苦手とする。言語性<動作性でも、かなり差がある。
処理速度IQ121、処理の高さによって自分は補えているのだろうな。

視覚の情報の意味づけが強く働き、注意の転換は苦手、そのため感情の切り替えにも困難さがあったのかもしれない……(今は調整できるけど😊)


心理検査についての記事はこちら



参考文献
『子どものための発達トレーニング』岡田尊司著、PHP新書
『発達心理学』無藤隆・岩本純子・小保方晶子共著、倍風館

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