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フルトラしたいんだけど何を買えばいい?

メタクリエイターことすむてみです!今回は2025年6月時点での「フルトラ」をする際に必要でおすすめなデバイスを紹介していきます!


フルトラとは

フルボディトラッキング(Full Body Tracking)通称「フルトラ」とは、VR(バーチャルリアリティ)やモーションキャプチャーの分野で、人間の全身の動きをデジタル空間上で再現する技術のことです。

通常のVR体験では、頭(HMD)と手(コントローラー)の動きだけが反映されます。しかし、フルボディトラッキングでは、腰や足、場合によっては肘や膝なども含めて全身の動きをリアルタイムでトラッキングします。
これにより、次のようなことが可能になります!

  • VRChatなどのVRSNSでのアバターの自然な動きを実現

  • ダンスやパフォーマンス、運動などの再現

  • モーションキャプチャによるアニメーション制作 など

今回は主に「VRChat」や「Resonite」などのVRSNSで、アバターに全身の動きを反映させることを念頭に、デバイスの紹介をしていきます。

フルトラの仕組み

まず、フルトラをするために必要なデバイスを選ぶ前に、フルトラ用デバイスがどのような方法で空間の座標を取得しデータ送受信しているのかを知ることが、用途に適したデバイスを選ぶ上で重要になります。
その為、まず具体的な製品を紹介する前にフルトラの仕組みを解説します。

加速度センサー型デバイス

1つ目は「加速度センサー」を用いたトラッカーです。これは、トラッカー自身がどのくらいの速さと角度で動いたのかを加速度で測定し、その結果をもとにフルトラの座標を取得するというものです。

このタイプのトラッカーには以下のような特徴があります。

  • 比較的安価で販売されている

  • 早い動きには適しているが、ゆっくりな動きや止まった姿勢などは反映しにくい

  • トラッカーが小さめで軽い

  • 露出の必要が無いので、衣服の中にも付けられる

だいたい数万円くらいで販売されている小さいトラッカーはこの「加速度センサー」型となります。
このタイプのトラッカーは加速度センサー単体ではゆっくりな動きが取れず位置のズレが蓄積する「ドリフト」という現象が起きます。
ダンスなどの過激な動きには問題なく動きますが、日常的に使用するにはこのドリフトがけっこう気になる上キャリブレーション(リセット操作)が定期的に必要になります。

外部センサー型デバイス

2つ目は「外部センサー」型です。名前を外部センサー型と称しましたが、要するにトラッカーの位置を別の機器が外から測定し、座標を取得するものということです。
この外側にセットする機器をベースステーションといい複数台部屋に設置することでトラッキングできるようになります。

このタイプのトラッカーには以下のような特徴があります。

  • トラッカーとベースステーションをそれぞれ用意する必要があるので高額になりやすい

  • 継続的な使用に適しており、ドリフトが発生しない

  • トラッカーが服や体などで視認できなくなると座標を取得できなくなる

  • フルトラを行う空間がそれなりに広い必要がある

トラッカーとベースステーションの組み合わせで座標を取得するので、高度で継続的なトラッキングが実現できます。
その分部屋に広さが必要なのとお金がけっこうかかります。
また加速度センサー型に比べるとトラッカーが大きく外部に露出していないといけないので服の上に取り付けるようになります。

多くのフルトラデバイスはこの2つの機能によって機器の座標を取得しフルトラを実現しています。

トラッキング用ソフトウェア

トラッカーを足や肘に付けた状態の座標データをsteamVRやVRChatなどで連携する方法を簡単に解説します。

デバイスの接続は、大抵以下の3つの方法でデータの送受信を行います。

  • PCで専用ソフトウェアを使用する

  • スマートフォンで専用アプリを使用する

  • SteamVRに直接接続する

Haritoraの専用ソフトウェア

ほとんどのトラッカーデバイスは、PCやスマートフォンに専用のソフトウェアをダウンロードし、Bluetoothなど通じて、ソフトウェアがトラッカーの座標を取得しSteamVRやVRChatへ情報を転送します。
また、今後説明するHTC社のVIVE製品に関しては、専用ソフトウェアではなくSteamVRへ直接接続することでデータを送受信します。
どちらの方法でもヘッドセットとトラッカーデバイスは連携しないので、互換性が無くても動作します(同じメーカーの製品である必要はないということです)。
※PIKO 4 Motion Trackerなど、ヘッドセットと連携する専用デバイスはヘッドセットが必要です。

mocopi スマートフォンアプリ
steamVR VIVEトラッカーを設定

ここからは具体的なトラッカー製品を解説していきます。

mocopi(モコピ)

「mocopi(モコピ)」は、ソニー(Sony)が開発したモバイル向けフルボディトラッキングシステムです。主にスマホと連携して、全身の動きを簡単にキャプチャできるという点が大きな特徴です。

  • メーカー:ソニー(Sony)

  • 価格:¥49,500/1セット

  • 加速度センサー型

  • トラッカーの数:6カ所

mocopiは安価で購入できる加速度センサー型のフルトラデバイスです。スマホだけで全身トラッキングが行え、フルトラ入門に適したエントリーモデルといえます。ただし、先ほど紹介したように「加速度センサー型」であるため、ドリフトが発生する場合もあり、定期的なキャリブレーション(リセット操作)が必要となります。

HaritoraX(ハリトラ)

「ハリトラ(HaritoraX)」とは、日本の企業Shiftall(シフトール)が開発した、比較的安価で導入しやすいフルボディトラッキングデバイスです。

  • メーカー:Shiftall(シフトール)

  • 価格:¥39,999/1セット

  • 加速度センサー型

  • トラッカーの数:4カ所

  • 別売りトラッカー(肘):¥13,900/2個

  • 別売りトラッカー(足首):¥13,900/2個

Haritoraは、mocopiと同様に加速度センサー型のフルトラデバイスです。
基本的にはこの2機種は、初心者が差を感じるほどの性能差はありませんが、想定された用途が少しことなります。
mocopiが簡単で日常的にトラッキングするデバイスを想定しているのに対し、Haritoraはダンスなどの激しい運動に対して使用することを想定して設計されています。

どちらの機種もアップデートなどで日々進化しており、発売当初よりトラッキング精度の向上やドリフト発生が抑制されており、安価ながらもしっかりフルトラを行うことができます。

PIKO4 Motion Tracker

このトラッカーはVRヘッドセット「PIKO4 ultra」専用のトラッカーです。
本体とセットでしか動作できない限定感はありますが使用感の良いトラッカーのひとつです。

  • メーカー:ByteDance(バイトダンス)PIKO社(中国)

  • 価格トラッカーのみ:¥11,800/1セット

  • 価格VRヘッドセット+トラッカー1セット:¥107,500

  • 加速度センサー型

  • トラッカーの数:2カ所

VRヘッドセットとトラッカーセットで約11万円と、比較的安価に手に入るトラッカーという印象です。まだVRヘッドセットを持っていない方がフルトラ環境を前提に購入するのであれば、非常におすすめできる製品です。

このトラッカーはPIKO 4 Ultra専用であり、単独や他の機種では使用できません。その理由として、PIKO 4本体が外部センサーと同様の機能を持ち、トラッカーの位置をPIKO 4本体が取得・補正するためです。
mocopiなどの加速度センサーのみのトラッカーに比べてドリフトが起こりづらく、キャリブレーションもあまり必要ありません。そのため、非常に使いやすく精度も高いトラッカーとなっています。

標準ではトラッカーは足に2箇所装着するため、腰のひねりなどは反映できませんが、追加で1つ(合計3つ)までトラッカーを使用できるので、腰にも装着するとさらに体験の質が向上します。
(※追加購入は2個セットしかないのでなぜか1つ余るんですよね。)

VIVEトラッカー3.0

ベースステーションのトラッカーといえばこれ「VIVE(バイブ)トラッカー」です。
このトラッカーは先ほど紹介した外部センサー型のトラッカーです。
固定されたベースステーションから座標を取得するのでドリフトや使用中のキャリブレーションなどは無く高度なフルトラ体験ができるデバイスです。

  • メーカー:HTC社(VIVE)

  • 価格トラッカー:¥19,000/※1個

  • 価格ベースステーション:¥24,790/※1個

  • 外部センサー型

ベースステーションを用いたトラッキングは、これ一択と言われるほど優れたデバイスです。
使用にはある程度の空間や費用が必要ですが、価格に見合うだけのトラッキング性能を発揮します。
トラッカーとベースステーションの購入数によって価格は大きく変動しますが、最低限トラッカー3つとベースステーション2つを揃えると約10万円になります。さらに肘トラッキングを追加したり、ベースステーションを増設したりすると20万円近くになることもあります。
高価な機器ではありますが、その性能は非常に優れておりおすすめです。

VIVE Ultimate トラッカー

HTC社の VIVE Ultimate(アルティメット) トラッカーを紹介します。このトラッカーはVIVEの最新モデルです。
このトラッカーはベースステーションを必要としないトラッカーですが、トラッカーに内蔵されたカメラと加速度センサーによって先ほどのVIVEトラッカーと同等以上のトラッキングを行うことができるデバイスです。

  • メーカー:HTC社(VIVE)

  • 価格トラッカー:¥91,900/※3個

  • 価格トラッカー:¥30,621/※1個

  • ※加速度センサー(カメラ付き)

このトラッカーは1つ3万円と高価ですが、価格に見合うだけのトラッキング性能を発揮します。トラッカー本体に2つのカメラが搭載されており、加速度とカメラ映像から自身の座標を測定することでトラッキングを行います。ドリフトやトラッキングの途絶はほとんど起こらず、どのような姿勢でも安定したトラッキングが可能です。
ベースステーションが不要な点も、使用環境を選ばずコスト削減に繋がるため、おすすめできるデバイスと言えるでしょう。

Virtual Desktop 仮想トラッカー

最後に、簡易的なフルトラッキング機能を持つアプリケーションをご紹介します。
Virtual Desktop(バーチャルデスクトップ)」は、VRヘッドセット上でPCのデスクトップ画面をワイヤレスで表示・操作できるアプリですが、実はその機能の一つに「仮想トラッカー」というものがあります。

Virtual Desktop の設定画面
  • Virtual Desktopアプリ価格:$24.99≒約¥3,700

  • 上半身のトラッキングは良いが、足のトラッキングは簡易的

  • 追加のトラッカーデバイスの購入が無いので安価ですぐに始められる

この仮想トラッカー機能を使えば、Quest 3など一部の対応ヘッドセットのみではあるものの、追加の外部トラッカーなしで簡易的なフルトラッキングが可能になります。
ただし、この「仮想トラッカー」は、これまで紹介してきたような専用デバイスを用いたトラッキングと比べるとかなり簡易的です。
例えば、足の動きについては、足踏み程度の挙動しか再現されず、体感としては「あるのとないのとであまり変わらない」と感じるレベルかもしれません。
一方で、肘や上半身の動きはしっかりとトラッキングしてくれるため、足は別の物理トラッカーに任せ、上半身は仮想トラッカーを使うといった組み合わせ利用が現実的で効果的だと感じています。
あまり使われていない機能ですがフルトラを検討する上では知っておくのが良いでしょう。⇩の動画が分かりやすいので置いておきます。
余談ですがこの機能の「指トラッキング」はすごいので体験してみると面白いです。使い勝手はよくないですけどね。

まとめ

今回、6種類のフルトラデバイス・アプリを紹介しました。手軽にフルトラを始めるならmocopiやHaritoraがおすすめです。Virtual Desktop 仮想トラッカーはとりあえずで始めるにはありでしょう。

まだVRヘッドセットを持っておらず、フルトラ前提やいずれしようかとおもっているのであれば PIKO4 ultraを購入するのをおすすめします。VRヘッドセットとしても十分に使えるヘッドセットです。

より高精度なトラッキングを求めるなら、VIVEの2種を選ぶと良いでしょう。ベースステーションはVIVEトラッカー以外にも、コントローラーやヘッドセットなど様々なものをトラッキングできるため、それらを併用することを視野に入れるのであればVIVEトラッカーがおすすめです。フルトラのみの使用であれば、VIVE Ultimate Trackerの方が安価で高度なフルトラ体験ができます。

これらのトラッカーは、価格とトラッキング精度がそれぞれ異なります。どれが良いかは一概には言えませんが、私はPIKO Motion TrackerとVIVEの2種がいいかなと思います。
PIKOは本体とセット前提なので該当する方はこれが安く精度も良くおすすめです。
それ以外のデバイスでも安価とはいえ5万円程度はかかるため、もう少しお金をかけてVIVEの2機種を選んだ方が、より高精度なフルトラ体験ができると思います。

まねっこダンス部 毎週木曜日20:00~[Resonite]

私は現在、ベースステーションとVIVEトラッカーを使用しています。以前は加速度センサー型も使っていましたが、ドリフトと定期的なキャリブレーションがめんどうで、日常的に使うというよりはダンスなどイベント時に使うことが多くなりました。普段使いや、正確なトラッキングが必要な場合は、VIVEトラッカーの方が圧倒的に優れています。

現在のフルトラデバイスは、既に完成されたデバイスとして商品化されている印象です。今後は精度向上というよりは、低価格化競争が進むのではないかと感じています。
また、AI技術の進化によって、カメラから人の姿勢を検知・取得する技術が進歩しています。こういった技術が実用化されれば、トラッカーが必要なフルトラ環境は時代遅れになるのではないかと考えています。

まねっこダンス部「Resonite」へ行ってみよう!フルトラ無しデスクトップでもOK!


よければ私の活動の詳細については以下をご参照ください


【プロフィール】

オンライン活動名 すむてみ ( Sumutemi )
リアルネーム 畑岡 聡( Hataoka Satoru )
販売ショップ名 3DKOBO
肩書 メタクリエイター
性別 男

VRChat・ResoniteなどVRSNSを舞台に、3Dモデリングやイベント主催を行うメタバースのものづくりや文化を作るメタクリエイター。
3Dプリンターを活用し、コスプレ製作、オリジナルフィギュア、サバイバルゲーム用パーツの制作など、リアルとバーチャルをつなぐクリエイティブ活動に取り組んでいます。

・各種リンク

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すむてみ🎖3DKOBO HATAOKA(@Sumu802)さん / X

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