今日のごはんのCO₂②食のCO₂はどうやって見える化するのか
SuMPOマーケティング事業室 note編集部
第2回 今日のごはんのCO₂
ー 食からはじまるカーボンニュートラル ―
SuMPO食品関連データを活用した環境負荷の可視化
前回の記事では、食を通じてCO₂排出量を身近に感じる取り組みについて紹介しました。
私たちは毎日食事をしていますが、その食事がどの程度のCO₂排出につながっているのかを知る機会はほとんどありません。
では、料理や食事のCO₂排出量は、どのように算定することができるのでしょうか。

食にかかるCO₂排出量
食品は、多くの消費財の中でも最も頻繁に消費される品目の一つです。
つまり、私たちの生活の中で最も身近な消費行動の一つが「食」と言えます。
実は、この日常的な食の選択は、温室効果ガス排出とも深く関係しています。

日本の温室効果ガス排出量を消費ベースで見ると、全体の約6割は家計によるものとされています。
その中でも「食」は、住宅や移動に次いで3番目に大きな排出分野です。
つまり、私たちの食の選択は、社会全体のカーボンフットプリントとも密接につながっています。
しかし、日々の食事の中でCO₂排出量を意識する機会はほとんどありません。
私たちは、食事や栄養摂取を管理するために「カロリー」を日常的に見ています。
カロリーは、人間の健康状態を考えるための身近なバロメーターです。
もし、これと同じように
地球の健康を考える指標として「CO₂」を日常的に感じることができたらどうでしょうか。
食のCO₂はどこで生まれるのか
料理のCO₂排出量は、単に調理のときだけに発生するわけではありません。
食材の生産、加工、輸送、流通、調理など、さまざまな過程で温室効果ガスが排出されています。
こうした製品やサービスのライフサイクル全体の環境負荷を評価する手法が、
LCA(ライフサイクルアセスメント)です。
LCAでは、原材料の調達から製造、流通、使用、廃棄に至るまでの一連の過程を通じて、環境への影響を定量的に評価します。
そして、その中でも特に温室効果ガス排出量に着目した指標が
カーボンフットプリント(CFP)です。
つまり、料理や食品のCO₂排出量は、
その食材がどのように作られ、どのように届けられたかによって決まります。

食のCO₂を「見える化」する
しかし、こうした情報は通常、生活者からは見えません。
カロリーは表示されていますが、
料理のCO₂排出量が示されることは、ほとんどありません。
そのため、食と環境の関係は、日常生活の中で実感しにくいものになっています。
そこでSuMPOでは、食品関連データを活用し、
料理やメニュー単位でCO₂排出量を算定・可視化する仕組みの開発を進めています。

この仕組みでは、食材の生産や加工などのライフサイクルに関する環境負荷データをもとに、料理のCO₂排出量を算定することができます。
さらに、食材の選び方やメニュー構成を変えることで、
どの程度CO₂削減につながるのかを示すことも可能になります。
食品や料理のCO₂排出量を「見える化」することで、
生活の中でカーボンという概念をより身近に感じることができるようになります。
SuMPOでは、こうしたデータをもとに、料理ごとのCO₂排出量の目安となるカーボンの標準値を提示し、生活者が共通の認識を持てる環境づくりを目指しています。
食を通じてカーボンを身近に感じ、
日常の選択の中で環境を意識できる社会をつくるための、
新しい社会インフラづくりの第一歩でもあります。
社会実装に向けた取り組み
こうした仕組みは、理論だけでなく、すでに社会の中で実証が始まっています。
社員食堂、大学の学食、イベント、アプリなど、さまざまな場面で、料理のCO₂排出量を可視化する取り組みが進められています。
その代表的な事例の一つが、
エームサービス株式会社との共同プロジェクトです。
社員食堂という日常的な食の場で、
料理のCO₂排出量を示すことで、生活者の行動変容につながるのか。
企業とともに、その可能性を探る取り組みが始まっています。
次回は、この取り組みの背景と具体的な内容について、
エームサービスとの共同プロジェクトを例に紹介します。
📖 連載:今日のごはんのCO₂

食事の選択が、環境と社会をどう変えるのか。
社員食堂・大学・企業の事例を通じて、「食×カーボンニュートラル」の可能性を探るシリーズです。
※本マガジンは、SuMPOマーケティング事業室 note編集部が企画・編集しています。
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