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今日のごはんのCO₂⑥パナソニックグループの挑戦―従業員の「行動変容」をどう生み出すか―

第6回 今日のごはんのCO₂ 
ー 食からはじまるカーボンニュートラル ―


パナソニックグループのCSR活動から生まれた
「食×CO₂見える化」の挑戦

社員食堂のメニューは、単なる食事ではありません。
その一皿が、
従業員の意識や行動を変えるきっかけになることもあります。

今回紹介するのは、
パナソニックグループの取り組みです。

これまで紹介してきたエームサービスの事例が
「社員食堂事業としての取り組み」であるのに対し、
パナソニックグループの取り組みは企業市民活動の一環として行われました。

同グループでは長期環境ビジョン
Panasonic GREEN IMPACT(PGI)」 を掲げ、
事業活動だけでなく、従業員一人ひとりの行動から
環境への貢献を広げる取り組みを進めています。

また、企業市民活動としても30年以上にわたり
世界各地で環境保全活動に取り組むとともに、
社員食堂でのサステナブル・シーフード導入など、
日常生活を通じて社会課題を考える取り組みを積み重ねてきました。

今回、社員食堂で提供される健康と環境に配慮した
「フレンドリーメニュー」に、
CO₂排出量の見える化という新しい挑戦が行われました。

今回はパナソニック ホールディングスの担当者にインタビューし、
取り組みの背景や実証の成果、そして今後の展望について伺いました。

パナソニック ホールディングス株式会社
企業市民活動担当室 ソーシャルアクション推進課
エキスパート  執行 修司様


従業員の「関心」と「行動」の間にある壁

パナソニックグループではこれまで、
さまざまな環境活動を進めてきました。
しかし一方で、こんな課題もあったといいます。

事業活動では、事業マテリアリティとして、
地球環境問題への貢献を目指し、日々課題に向き合っている。
一方で、日常生活となると、
「活動する時間が無い」、
「何から始めたらよいか分からない」
など、なかなか行動につながらない。

社内調査でも、「関心はあるが行動ができていない層」が、
実際に行動している層より多く、
この層にどう働きかけ、行動につなげてもらうのかが、
企業市民活動における大きな課題でした。

執行さんは、こう語ります。

『日常生活における環境への理解者・実行者を増やすには、
 身近なことや小さなことでも良いので、
 まずは、従業員が一歩を踏み出すことが大切だと考えていました。』

そこで着目したのが、「食」でした。


なぜ「食×CO₂」だったのか

食事は、誰もが毎日行う行動です。

『私たちは以前から、
 畜産における温室効果ガス排出の問題や、
 大豆ミートの環境効果に関心を持っていました。
 しかし、単に「環境に配慮した」と伝えるだけでは行動は変わりません。
 だからこそ必要だったのが、見える化でした。
 食事は日常生活に欠かせないものです。
 一人ひとりの行動の積み重ねが、
 大きなインパクトにつながる領域だと感じています。』

こうして、社員食堂で提供される「フレンドリーメニュー」に対し、
CO₂排出量を算定する取り組みが始まりました。

もともと「フレンドリーメニュー」は、
健康管理部門が毎年テーマを設定して実施している施策です。
そこにCO₂という“環境の物差し”を重ねたことで、
健康と環境の両方を考える新しい取り組みが生まれました。


社員食堂で起きた小さな変化

今回の取り組みでは、
大豆ミートを使ったメニューが社員食堂で提供されました。

最初は「人気が出にくいのではないか」という懸念もありました。
実際、食堂によって反応はさまざまだったといいます。
想像以上に好評だった拠点もあれば、
最初は敬遠されるケースもありました。

しかし、徐々にこんな声が聞こえてきました。

「健康だけでなく、CO₂削減にもなるなら食べてみたい」
「次回は同僚にもフレンドリーメニューを紹介したい」

環境というテーマが、
食という日常の行動を通じて少しずつ広がっていったのです。


見える化された成果

実際に提供されたメニューは、多くの従業員に選ばれました。

今回の取り組みで共通フレンドリーメニュー(大豆ミートメニュー)は
パナソニックグループで3,183食の喫食
約1.95トンのCO₂e*削減
という結果が得られました。
(*CO₂e=温室効果ガスのCO2換算値)

数値として可視化されたことで、
取り組みの効果がより実感できるものになりました。

環境配慮型のメニューは、
必ずしも「特別な食事」である必要はありません。
日常の食事の中でも、
自然に選ばれていく可能性があることが見えてきました。


社員の行動が社会につながる

執行さんは、この取り組みの意義をこう語ります。

『環境に配慮した行動をしたいと思っていても、
 何から始めればよいか迷われている方や、
 悩まれている企業のご担当の方も多いのではないかと思います。
 今回の取り組みを通じて、
 まずは小さくても良いので一歩踏み出すことが大切だと学びました。
 そして、一歩踏み出すことで、新たな気づきや賛同者が生まれ、
 次のステップにつながっていくことを学びました。

 社員食堂の一皿から始まった小さな取り組み。
 その一歩が、従業員の行動、そして社会のムーブメントへと
 広がっていく可能性があります。

 そしてこうした取り組みは1社だけでは大きな変化になりません。
 さまざまな企業が取り組むことで、
 より大きな効果につながっていくと思います。』


■インタビューにご協力いただいた皆さま

本記事の作成にあたり、インタビューおよび取材協力をいただきました。

執行 修司様

執行 修司様
パナソニック ホールディングス株式会社
企業市民活動担当室 ソーシャルアクション推進課
エキスパート

★お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。


■パナソニック ホールディングス株式会社について

1918年創業。
くらし事業、コネクト(法人向けソリューション)、
インダストリー、エナジー、など幅広い分野で事業を展開する
企業グループの持株会社。

パナソニックグループは「Panasonic GREEN IMPACT」を掲げ、
同グループのバリューチェーン全体のCO₂削減だけでなく、
社会全体の環境課題の解決に向けたさまざまな取り組みを進めています。

今回の取り組みもその一環として、
社員食堂という身近な場を通じて、
環境と健康について考えるきっかけづくりを目的に実施されました。

■公式サイト

https://holdings.panasonic/jp/

■関連記事

(2025/12)健康と環境に配慮した食事「フレンドリーメニュー」で意識を変え、行動を変える - 環境活動 - 企業市民活動 - サステナビリティ - パナソニック ホールディングス


次回予告

次回は、給食事業の現場で進められている「食×CO₂」の取り組みとして、一冨士フードサービスの事例を紹介します。

学食から見えてきた“気づき”は、社内でどう実装されていくのか。
日々の業務の中で環境対応を続けていくための工夫を見ていきます。


📖 連載:今日のごはんのCO₂

食事の選択が、環境と社会をどう変えるのか。
社員食堂・大学・企業の事例を通じて、「食×カーボンニュートラル」の可能性を探るシリーズです。

※本マガジンは、SuMPOマーケティング事業室 note編集部が企画・編集しています。

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経営企画本部 マーケティング事業部 マーケティング事業室
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