エスプレッソは気合いの凝縮
エスプレッソは気合いの凝縮だと信じている。
もちろん、毎日飲むわけではない。
むしろ、めちゃくちゃ頼むものでもない。
本当にたまにである。
たぶん3か月に1回くらい。
それくらいの頻度だと思う。
でも、たまにだからこそ、効く。
エスプレッソを頼んで、一口飲んだ瞬間、急に気持ちの張り方が変わる。
なんというか、高級車みたいな気合いの入り方をするのだ。
静かなのに、圧がある。
派手にうるさいわけじゃない。
でも、ゆっくり静かに大きい音を立てている感じがする。
品があるのに、存在感が強い。
エスプレッソはそういう飲み物だ。
量は少ない。
見た目だけなら、正直「これだけ?」と思う。
でも、あの小さいカップの中に、妙に密度の高いものが入っている。
味だけではない。
気合いまで濃い。
だから私は、エスプレッソを飲むと少しだけ自分の存在が濃くなる気がする。
一口飲んで、カップを置いて、なんとなくカフェの中を見渡す。
そして思う。
たぶんこの店で、今いちばん気合い入ってるの私やな、と。
もちろん、そんなことはない。
他の人もそれぞれ仕事してるし、勉強してるし、考えごともあるだろう。
でも、エスプレッソを前にした時だけ、私はそういう気持ちになる。
周りを見ても、エスプレッソを飲んでそうな人はあまり見当たらない。
みんなカフェラテとか、アイスコーヒーとか、きれいなフラペチーノみたいなものを飲んでいる。
それはそれでいい。
全然いい。
でも、エスプレッソを頼んでいる自分は、その中でちょっとだけ別のモードに入っている感じがする。
そして、訳のわからない優越感に浸る。
ああ、私、今日かなりやる気ある側の人間やな、と。
別に誰とも競っていないのに、勝手にそんな気分になる。
しかも、その勘違いみたいな気分が、しっかりと効く。
そのまま作業に入ると、少しだけ姿勢が変わる。
少しだけ集中できる。
少しだけ、自分がちゃんとしている人間に思える。
コーヒーというより、儀式に近いのかもしれない。
今日はちょっと締めるぞ、という時に、自分で自分に入れるスイッチみたいなもの。
量が少ないぶん、逆に気持ちが入る。
だらだら飲めない。
一口一口がちゃんと濃い。
そこがまたいい。
エスプレッソのそういうところが大好きだよ。
毎日飲まない。
でも、たまに無性に必要になる。
なんとなく疲れている日ではなく、むしろ自分を立て直したい日。
やるぞ、の形を自分に見せたい日。
そういう時に、エスプレッソはかなり似合う。
エスプレッソは気合いの凝縮だ!!!!!
