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英語学習の目標を「ネイティブレベル」と言いたくなかった理由が分かった

語学学習者の多くは「ネイティブのように話したい」と言います。

発音がきれいで、自然な表現が使えて、流暢に話せる。
そうした姿を目標にします。

私は、これまで自分の英語学習について振り返り、
英語学習者としてありたい姿や目標設定について考えてきました。

▼例えばこんな記事があります。


私自身noteを書きはじめるまでは、
英語学習の究極のゴールは、「ネイティブレベル」になること。
無意識下でずっとそう思っていた気がします。

でも、自分の思いを言語化しようとしてみて、
「ネイティブレベルになること」「ネイティブみたいに話すこと」
と言うと、いつも違和感を感じていました。

そんな違和感を、言葉にしたいとおもったきっかけの動画があります。

動画のStefanieさんは自身のスペイン語習得過程で、
ネイティブを目指すことで感じた違和感やプレッシャーを話しています。

言語を学ぶ目的は人それぞれです。

私にとっては、ネイティブとも、ネイティブじゃない人とも
楽しく会話することが一つの目的です。

それにもかかわらず、「ネイティブのようになる」という目標は、
語学の本質と逆行してしまうと考えます。

この記事では私が実際に経験したり、動画から学んだ「ネイティブを目指すこと」4つの問題について、お話していきます。



①アイデンティティの問題

言語コミュニケーションは、
自分の伝えたい内面を、文章にし、発話し、世界に発表する、
そんな本来とてもクリエイティブな活動であるはずです。

しかし、ネイティブを目指すということは、
誰かの話し方をコピーすることでもあります。

発音、言い回し、表情、リアクション等、
学習の過程で私たちは、
モデルとなるネイティブスピーカーの真似をします。

もちろん模倣は学習に必要なプロセスです。

でも行き過ぎると、外国語を話しているときの自分が、
誰かのコピーのように感じられることがあります。


②翻訳できない言葉の問題

言語には、それぞれ固有の世界観があります。
日本語には、外国語にそのまま訳せない表現が
たくさんあると感じています。

「空気を読む」
「お疲れさま」
「よろしくお願いします」
「甘える」
「侘び寂び」
「先輩後輩」
「部活の顧問」

ぱっと思い浮かぶだけでもこんなにあります。

こうした言葉を外国語で伝えようとすると、
どうしても説明的になり、冗長になりがちです。

ネイティブの言語だけで表現しようとして、
自分の言語感覚の一部を切り落とすような感覚を持ったこともあります。


③対話の場の問題

これはStefanieさんの動画から学んだことですが、
発音がネイティブに近づくと、思わぬ問題が起きることもあります。

ネイティブレベルで英語が話せると、対話の相手は自然と、
「この人は文化的背景もネイティブレベルで理解しているはずだ」
と考えるからです。

しかし実際には、言語能力と文化知識は必ずしも一致しません。
その結果、ジョークや文化的前提が共有されていると思われ、
会話の中でズレが生まれることがあります。


④外部評価の問題

ネイティブを目指す学習は、
どうしても評価される学習になりやすい面があります。

発音は正しいか、文法は間違っていないか、ネイティブっぽいか。
こうした基準を意識しすぎると、間違いを恐れるようになります。

完璧主義を助長し、本来は楽しいはずの会話でも、
今のは「ネイティブらしくない=失敗」
という評価をしてしまう恐れがあります。


では、何を目指すべきでしょうか

ネイティブになることを目標にしないとしたら、
何を目指せばよいのでしょうか。

一つの答えは、
自分らしさを持った外国語話者
になることだと思います。

《日経ダイヤモンド》の英語学習関連記事によると、
英語話者全体およそ16億人のうち、
ネイティブは約25%、ノンネイティブは約75%だそうです。

いまや、英語多くの人は、
自分の母語の感覚を持ち込みながら
英語を使っています。

多くの学習者が「間違い」と感じるアクセントも、
その人の背景を示すユニークな特徴でもあります。

盲目的にネイティブを正解として、
ネイティブらしさを目指すよりも、
自分の言語的背景を活かした話し方を作っていくほうが、
ずっと自然で創造的なのではないでしょうか。


まとめ

近年、「ネイティブ話者こそ理想的なモデルである」
という考え方は native speakerism(ネイティブ至上主義)と呼ばれ、
批判の対象になっています。

また、英語はもはや特定の国のものではなく、
世界中の話者が共有する言語だという
「英語の所有権(ownership of English)」
という考え方も広がっています。

私は、外国語を話せるようになることは、
自分のアイデンティティを書き換えることではなく、
拡張していくプロセスだと信じています。

外国語を話すとき、自分らしくいられていますか。
この問いをいつも心に置きながら、
今日も英語を学んでいきたいと思います。

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