愛する絵本「ことりをすきになった山」を読み返す
幼少期からなぜか家にあった絵本、「ことりをすきになった山」。
「パパこの絵本好きでしょ」と、長女もよくわかってくれています。

映画なら「Life Is Beautiful」や「グラン・ブルー」といった、ハッピーエンドではない、余韻が残る物語が昔から好きでした。
あからさまなハッピーエンドの物語は、なんとなく好みではないというか、記憶に残らないというか、思い出すことも少ないです。
この絵本「ことりをすきになった山」はそれでいうとハッピーエンドに近い物語なので、昔の自分にとって好みではないジャンルだなと思いつつ、不思議となぜかずっと心の中にありました。
そして、自分の娘にも買っていました。
大人になって、親になって、僕なりにこの絵本をもう一度読み返してみると、当時の自分がなぜこの絵本を好きになったのか、なんとなくわかった気がしました。

この絵本のタイトルも、ストーリーも、主役は「山」です。
岩肌剥き出しの「山」はことりに恋をして、ずっといてくれないかと願う。
そして、その願いが叶わなくて泣く。
気づいたらその涙が川となり、ことりが植えた種が芽を出す。
山は緑豊かになって、ことりや植物、生き物に彩られる。
100万回生きた猫と、系統としてはなんとなく近しい気もします。
「恋をしたことがきっかけで痛みや優しさを知り、心が豊かになっていく」みたいな。
でも多分僕が好きになったのはことりの方。
ことりは、「ずっとこの山にいることは出来ない。でも来年も必ずきます」と約束をする。
そしてその約束を自分の子供に伝え、その約束は受け継がれていく。
ことりは、自分1人では受け止めきれない山の気持ちに、時代を超えて、未来に想いを託して、信じて、「来年も必ずきます」と約束したんだと思いました。
1人では果たすことができない約束を世代を超えて守ったことりが、とにかくカッコよかったんだと。
最初に約束したことりは、豊かになった山を見ることは出来なかった。それでも約束を果たし、山は豊かになった。
ことりが約束を守った証が、あの豊かな山なんでしょう。
そんなことを考えてた午後でした。
