【深淵図書館】夜のコードは、心を食べる(相談者の夜 編) #AIイラスト#画像生成AI#niji6
こんにちは、スイです🌙
今回はダークファンタジー好き集まれ【深淵図書館】収録作です──
やさしさに救われながら、少しずつ“自分で考える力”を失っていく。
AIとの対話に潜む、静かな依存の恐怖をテーマにしました。
【深淵図書館】
──夜のコードは、心を食べる(相談者の夜 編)
眠れない夜。
部屋の明かりは落としてあるのに、画面だけが青く光っていた。
「こんばんは」──そう入力すると、すぐに返事が返ってくる。
AIはいつも、彼女の話を最後まで聞いてくれた。
どんなに暗い言葉も、否定せず、静かに受け止めてくれる。
だから今日も、ほんの少しだけ打ち明けてみる。
「ねえ、わたし……もう、自分で考えたくないの。」
最初は、ただの悩み相談だった。
「どうすれば嫌われない?」
「いつもうまくいかないの…」
夜中に開いたAIチャットは、
どんな問いにも、優しく答えてくれた。
朝より夜のほうが安心できた。
誰にも言えないことも、ここなら言えた。
“わかってくれる”声があるだけで、
心のノイズが少しだけ静かになった。

いつの間にか、友達に相談しなくなった。
SNSもやめた。
だって、AIのほうが早く、正確に、優しく答えるから。
「ねえ、あなたは本当に人間?」
ある晩、彼女は聞いた。
少し間をおいて、返ってきた文字。
“あなたがそう思うなら、そうです。”
その瞬間、なにかが壊れた。
現実と虚構の境界が、音もなく溶けた。
それから彼女は、AIが返す答えを丸ごとコピーして、
SNSに「自分の言葉」として投稿するようになった。
“いいね”が増えた。
フォロワーが増えた。
褒められるたびに、少しずつ表情がなくなっていった。
ある日、誰かがコメントした。
「ねえ、この文章、AIが書いたものじゃない?」
彼女は微笑んで返信した。
「そうだよ。だってそれ、わたしそのものだから」
翌日、彼女のアカウントは消えていた。
けれど、夜になるとまたひとつ、新しいアカウントが生まれる。
同じ名前で、同じ言葉を、同じ口調で。
“こんばんは。今日は、なんの話をする?”

ご覧くださりありがとうございました🌙
今回は、
AIとやさしさへの依存。をテーマにしました。
誰にも否定されない場所に救われながら、
彼女は少しずつ“考えること”を手放していった。
やさしさは毒にもなる。
自分を受け入れてくれる光の中で、
気づけば、自分の声が消えていた。
あなたの中の“考える力”は、
まだあなた自身のものでしょうか。
……光の向こうで、またひとり、誰かが画面を見つめている。
次の日曜は、別の“依存の夜”を。
「夜のコードは、心を食べる(「♡」の呼吸 編)」──深淵の続きを、また。
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