柱に刻まれた、家族の成長記録。旧家の身長記録を「記念のオブジェ」へ|岡崎市のオーダーメイド家具屋 杉田木工所【柱の記録】
家族の成長を刻んだ柱。
思い出を、次の暮らしへ。
📌古い家の柱に刻まれた子どもの身長記録を、思い出の木製オブジェとして残す方法をご紹介。建て替えやリフォームで柱を取り外すとき、家族の成長記録を新しい暮らしへ受け継ぐ杉田木工所の木工の考え方をお伝えします。
毎度、岡崎市上和田町で家具のリメイク・オーダーメイド家具の製作をする家具職人の杉田です。
【杉田木工所代表 杉田光正プロフィール】

↓最近プロのカメラマンさんに撮って頂きました。

杉田木工所 代表 杉田 光正
柱に刻まれた、家族の成長記録。旧家の身長記録を「記念のオブジェ」へ|岡崎市のオーダーメイド家具屋 杉田木工所【柱の記録】
2026年08月17日(月曜日)
本日は、杉田木工所noteより
blogを発信いたします。
はじめまして。
オーダーメイド家具職人の家具屋 杉田です。
家具屋 杉田は、お客様一人ひとりの暮らしに
ぴったり合う、
"使いやすく美しい家具"をお届けしています。
大量生産にはない温もりと
細部へのこだわりを大切にしながら、
理想の空間づくりをお手伝いするのが
家具屋 杉田 の使命です。
現在は下請けが多いですが、今後は
直接お客様とつながり、
自社ブランドとしての家具づくりに力を入れ、
安定した経営を目指しています。
オーダーメイド家具の魅力を広めるため、
情熱を持って取り組んでいますので、ぜひお気軽に
ご相談ください !

柱に刻まれた、家族の成長記録。旧家の身長記録を「記念のオブジェ」へ
こんにちは。
愛知県岡崎市でオーダーメイド家具の製作と、
現場搬入・取付施工をしております、
杉田木工所です。
今回ご紹介するのは、
一般的な家具製作とは少し違った、
杉田木工所としてもなかなか珍しいご依頼です。
それは、
「昔の家に残っていた、
子どもたちの身長の記録を、
これからも家の中に残しておきたい」
という、お客様からのご相談でした。
家具ではありません。
収納でもありません。
テーブルでもありません。
けれども、
木を加工して、
形を整えて、新しい暮らしの中へ思い出を残す。
そんな、**「記念のオブジェ」**を
製作させていただきました。
今回は、そのお話です。
幼少期を過ごした、思い出の旧家
今回のお客様が
幼少期を過ごされたという、昔のお住まい。
広い庭のある家だったそうです。
現在は別の場所に新しい家を建てられ、
ご家族とそこで暮らしていらっしゃいます。
けれども、
以前住んでいた家がなくなったからといって、
そこにあった思い出までなくなるわけではありません。
時々、
旧家へ草刈りなどの用事で訪れていたそうです。
庭の手入れをしたり、
建物の様子を確認したり。
もう誰も住んでいない家であっても、
そこには幼い頃から積み重ねてきた時間が残っています。
柱や壁、床、建具。
そこで暮らしていた人にしか分からない、
たくさんの記憶があります。
しかし、
人生の中では、
どうしても
大きな決断を
しなければならない時があります。
今回、
お客様にはお仕事の都合で
海外への長期滞在が決まったそうです。
長期間、日本を離れることになる。
そうなると、
誰も住んでいない旧家を
これまでのように管理することも難しくなります。
そこで、
お客様はその旧家を取り壊すことを決断されました。
長く暮らしてきた家を壊す。
これは、
建物そのものを失うというだけではないのだと思います。
その家で過ごした時間にも、ひとつの区切りをつけること。
そんな決断だったのではないでしょうか。

解体のときに見つかった「家族の成長記録」
そして、旧家を解体することになったとき。
壁に、あるものが残っていることに気が付きました。
それが、今回の主役です。
壁に取り付けられていた柱材。
そこには、マジックでいくつもの記録が残されていました。
子どもの身長を測った記録です。
何年何月。
このときは何センチ。
少し大きくなって、また何センチ。
さらに年月が経って、また何センチ。
一人の人間が、
幼い子どもから成長していく過程が、
一本の柱に刻まれていました。
今でこそ、
スマートフォンで写真を撮り、
データとして保存することが簡単になりました。
子どもの成長記録も、写真や動画で残すご家庭が多いでしょう。
でも、昔の家には、昔の家ならではの記録の残し方があります。
壁に身長を測って線を引く。
名前を書く。
日付を書く。
そして、次に測ったときには、そのすぐ上にまた線を引く。
そうやって、家族が暮らした年月が、少しずつ壁に刻まれていく。
今回の柱には、まさにその時間が残っていました。
「これは、捨てられない」
旧家を解体する以上、家の大部分は廃棄されることになります。
建物としての役目を終えるのですから、それは仕方のないことです。
しかし、この柱だけは違いました。
そこには、
単なる木材ではなく、
ご家族の成長の記録そのものが残っていたからです。
お客様も、
「これは捨てるに忍びない」
と考えられました。
そこで、
解体屋さんにお願いして、
身長の記録が残っている柱材だけを取り出してもらったそうです。
家全体を残すことはできなくても、
この一本だけなら残せる。
家そのものはなくなってしまっても、
この柱があれば、そこに暮らした家族の時間を思い出すことができる。
そんな思いがあったのではないでしょうか。
ところが、柱材は「そのまま使える状態」ではありませんでした
ここからが、木工屋である杉田木工所の出番です。
解体の現場から取り出してもらった柱材。
しかし、
解体屋さんのお仕事は、
家具をつくるための木材を丁寧に取り外すことではありません。
あくまで建物を解体するための作業です。
そのため、
柱材の両端はチェンソーで切ったままの状態。
切断面はきれいに仕上げられていませんでした。
また、
身長の記録が残っている面以外についても、
長年の使用や解体作業によって木材の表面が荒れた状態になっていました。
普通に考えれば、
「新しい材料に取り替えて、きれいなものをつくればいい」
という話になるかもしれません。
しかし、今回それをやってしまっては意味がありません。
お客様が残したいのは、きれいな新しい木材ではないからです。
この柱に残っている、昔の記録そのものを残したい。
ここが今回の製作で一番大切なところでした。

でも、解体屋さんは
そんなもんです。
「きれいにする」だけが、木工ではありません
木工屋として仕事をしていると、
「木材をきれいに加工する」
ということは、基本中の基本です。
切断する。
削る。
磨く。
寸法を整える。
塗装する。
家具として使いやすい状態に仕上げる。
これは日々の仕事です。
しかし今回のような仕事では、少し考え方が変わります。
すべてを
新品のようにきれいにしてしまうと、
そこに残っている「時間」まで消えてしまう可能性があります。
傷もあります。
色の違いもあります。
木材の荒れもあります。
そして、
何より大切なのが、マジックで書かれた身長の記録です。
だから今回は、
「古いものを新品のようにする」のではなく、
「古いものを記念として成立させる」
という考え方で製作しました。
木工には、こういう仕事もあります。

600ミリ角のベース板を製作
お客様からのご希望は、
この柱材を、
これから暮らす新しい家の仏壇の横に置けるような
「記念のオブジェ」にしてほしい、
というものでした。
そこで杉田木工所では、
柱材だけを単独で立たせるのではなく、
600ミリ角のランバーコア材をベース板
として使用することにしました。
柱材をベース板に取り付けます。
これによって、
一本の柱だったものが、独立したオブジェとして成立します。
そして、
今回もうひとつ重要だったのが、柱材そのものの高さです。
柱に残されていた記録を確認すると、
ひとつの目安となる高さがありました。
それが、
1,505ミリ。
この数字を基準にして、
ベース板を含めた全体の高さを考えながら製作しました。
つまり、単に柱を立てただけではありません。
そこに残されていた数字を読み取り、
「この柱が持っている意味」を壊さないように、
新しい形へ組み立て直していきました。
家から切り離された柱が、もう一度「家の中」へ
今回、とても印象的なのがここです。
もともと、この柱は旧家の中にありました。
壁の一部として、家を構成していた柱です。
そして、その壁のそばで子どもたちが成長していきました。
身長を測ってもらい、
「大きくなったね」
「去年より何センチ伸びたね」
そんな家族の会話が、きっと何度もあったのだと思います。
その家は、今回の解体でなくなります。
けれども、柱の一部は残りました。
そして、その柱は加工され、ベース板に取り付けられ、新しい家へ移されます。
今度は壁の中ではありません。
仏壇の横に置かれる、ひとつの記念のオブジェです。
役割は変わりました。
しかし、そこに残っている記録は変わりません。
むしろ、これからは家族が意識して見ることのできる場所に置かれることになります。

「1,505ミリ」の向こう側にあるもの
木工屋から見れば、1,505ミリという数字は寸法です。
材料を加工するための基準値です。
しかし、お客様にとっては、単なる数字ではありません。
そこには、その高さまで成長した「誰か」がいます。
小さかった頃の姿があります。
その頃の家があります。
その頃の家族があります。
そして、その数字を記録した人の手があります。
マジックで書かれた文字も、
おそらく当時は何気なく
書いたものだったのかもしれません。
「身長を測ったから書いておこう。」
それくらいの気持ちだったのかもしれません。
でも、
何十年という時間が経ってみると、
それがかけがえのない記録になります。
当時は何気ない日常だったものが、後から見ると大切な思い出になる。
家というものには、そういうところがあります。

家は、なくなっても「思い出」までなくなるわけではない
今回、旧家は取り壊されることになりました。
建物はなくなります。
壁もなくなります。
廊下もなくなります。
庭の風景も、少しずつ変わっていくでしょう。
けれども、家で過ごした時間は消えません。
写真に残っているかもしれません。
家族の記憶に残っているかもしれません。
そして今回は、その一部が一本の柱として残りました。
杉田木工所にできることは、
建物そのものを保存することではありません。
しかし、
「残したい」と思っているものを、
これからも残せる形に加工すること。
これは、
木を扱う仕事だからこそできることのひとつだと思っています。

これは、家具屋の仕事なのか?
今回のようなご依頼を受けると、ふと考えることがあります。
「これは家具屋の仕事なのだろうか?」
一般的な家具という意味では、違うかもしれません。
椅子でもありません。
テーブルでもありません。
収納家具でもありません。
けれども、
杉田木工所は「家具だけをつくるところ」とは考えていません。
木材を加工して、
お客様が大切にしているものを、
新しい暮らしの中で使える形、残せる形にする。
それも木工屋の仕事だと思っています。
もちろん、
すべてのものを加工できるわけではありません。
材料の状態や寸法、
構造、安全性などを確認する必要があります。
それでも、
「捨てるには忍びない」
「何とか残したい」
「別の形にして、これからも使いたい」
そんなご相談があれば、
一度お話を聞かせていただく。
今回のような仕事は、
そんな杉田木工所の一面をご紹介できる事例になりました。
思い出の残し方は、人それぞれです
思い出の残し方に、正解はありません。
写真を残す人もいます。
動画を残す人もいます。
手紙を残す人もいます。
古い家具を修理して使い続ける人もいます。
子どもの作品を大切に保管する人もいます。
そして今回のお客様は、
旧家の柱に残された、家族の身長記録を残すことを選ばれました。
同じような思い出でも、残し方は人それぞれです。
大切なのは、
「これは残しておきたい」
と思えるものがあることなのかもしれません。
木は、時間を残すことができる材料です
木材は、長い時間を生きてきた材料です。
木が育った年月があります。
建物として使われた年月があります。
そして、その木を見ながら人が暮らした年月があります。
今回の柱材には、その三つの時間が重なっています。
木そのものが過ごしてきた時間。
旧家の一部として過ごしてきた時間。
そして、家族の成長を見守ってきた時間。
だからこそ、今回の柱は新しい材料では再現できません。
傷も、色も、木目も、マジックの文字も。
すべて含めて、この一本なのです。
新しい家で、これからも家族を見守る柱
旧家で壁の一部だった柱は、これから新しい家で別の役割を担います。
仏壇の横に置かれる「記念のオブジェ」として。
そこに置かれれば、ご家族がふとしたときに目にすることがあるでしょう。
「この数字は、あの頃の身長だね。」
「こんなに小さかったんだね。」
「この家に住んでいた頃だったね。」
そんな会話が、また生まれるかもしれません。
そして、これから先、さらに年月が経ったとき。
今度は、
そのオブジェそのものが
新しい思い出になっていくのだと思います。
「残したい」を、木工でお手伝いする
今回の仕事は、
杉田木工所にとっても印象に残る製作となりました。
旧家を解体する。
そこから柱材を一本だけ取り出す。
荒れた状態の材料を持ってくる。
そこに残された家族の成長記録を確認する。
600ミリ角のベース板を製作する。
柱材を取り付ける。
1,505ミリという記録を基準に全体をまとめる。
そして、新しい家へ。
文章にすると、これだけの工程です。
でも、
その一本の柱が背負っているものを考えると、
決して単純な木工ではありません。
これは、
「家具をつくる仕事」というより、
「思い出がこれからも残っていくための形をつくる仕事」
だったのだと思います。
もし、捨てる前に「ちょっと待って」と思ったら
古い家を取り壊すことになった。
古い家具を処分することになった。
使わなくなった木製品がある。
けれども、
「これは捨ててしまっていいのかな」
と思うものがある。
そんなときは、
すぐに処分してしまう前に、一度ご相談ください。
もちろん、
すべてのものを再利用できるわけではありません。
材料の状態や大きさ、構造、加工方法などによって、
できること・できないことがあります。
それでも、今回のように、
「そのままでは使えないけれど、何とか思い出として残したい」
というご相談から、新しい形が生まれることがあります。
柱一本。
古い板一枚。
思い出のある建具。
長年使った家具の一部。
そうしたものを、別の形にして残す。
これも、杉田木工所ができる木工サービスのひとつです。
思い出は、しまっておくだけが残し方ではない
今回の柱は、倉庫の奥にしまわれるわけではありません。
新しい家の中に置かれます。
家族が暮らす場所に置かれます。
毎日見るものではないかもしれません。
でも、そこにある。
それだけで十分なのだと思います。
思い出というものは、毎日思い出さなくてもいいのかもしれません。
何かの拍子に目に入ったとき、
「ああ、そうだったな」
と思い出せれば、それでいい。
そんなふうに、
静かに家族の記憶を残してくれる存在になれば、
この柱材にとっても幸せなことなのではないでしょうか。

おわりに
今回ご紹介したのは、
旧家の壁に残されていた、ご家族の身長記録が刻まれた柱材。
その旧家は、もう取り壊されます。
でも、柱の一部は残りました。
そして、
これからは新しい家の中で、家族の思い出を見守ることになります。
木は不思議な材料です。
加工されても、
使われる場所が変わっても、そこに刻まれた時間を残すことができます。
杉田木工所では、
オーダーメイド家具の製作だけでなく、
こうした
**「思い出の木材を残したい」
「古い木を別の形で活かしたい」**
というご相談にも、
できる限り対応していきたいと考えています。
ひとそれぞれ、思い出の残し方は違います。
写真で残す人。
言葉で残す人。
心の中に残す人。
そして、
木に残す人。
今回のお客様にとって、
この柱は「昔の家の一部」から、
「家族の成長を記録した記念のオブジェ」へと姿を変えました。
旧家がなくなっても。
暮らす場所が変わっても。
家族の時間は、
こうして新しい場所へ受け継がれていきます。
杉田木工所は、
そんな「残したい」という
お気持ちにも寄り添える木工屋でありたいと思っています。
捨てる前に、もう一度だけ考えてみる。
「これ、何か別の形で残せないかな?」
もし、
そんな木製品や家具、建物の木材がありましたら、
杉田木工所へご相談ください。
もしかすると、
その木にはまだ、
もう一度活躍する場所が残っているかもしれません。
柱に刻まれた、家族の成長記録。
旧家の身長記録を「記念のオブジェ」へ
小さく入れるなら
思い出の木を、これからも。
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