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【小説】Lv21 小3の担任|先生、冒険の続きを。~31年目のサンスーファンタジー~|第3章 ユーチ覚醒 編

Lv21 小3の担任



現実の4年4組の教室。

すっかり戦う気力を失い、
ふと自分の10年間の人生を振り返っていた。

そういえば、
僕は小学校に入る前の保育園時代から、
ずっと叱られ続けてきた問題児だった。

保育園の頃は、有り余る元気のせいで、
いつもお友達をパンチして泣かせては
先生に叱られていた。

お昼寝の時間がどうしても嫌で、
トイレの個室に立てこもって
内側から鍵をかけて隠れた。

保育園中が大騒ぎになった。

先生方の総出の
捜索によって発見されたときは、
さすがに、こっぴどく叱られた。

小学校1・2年生の時は、
いつも優しい女性の先生が担任だった。

僕のわんぱくさも

「元気があっていいね」


と包み込んでくれたから、
ほとんど叱られることはなかった。

でも。

小学校三年生になったとき、
僕の前に『その人』が現れた。

その担任の先生には、
毎日これでもかというくらい、
もの凄く叱られた。

けれど、僕はその先生のことが、
心の底から大好きだったんだ。

先生の名前は、

『ふじた先生』



50代の女性の先生で、
大ベテランの厳しい先生だった。

泥だらけの外履きのまま、
うっかり学校の廊下に侵入してしまったときは、

「ユーチ!!お前は
自分の家にも外履きのまま
上がるのかぁぁぁぁぁぁ!!!」


と、廊下がびりびり震えるほどの声で叱られた。

ランドセルの中身を整理するのが大嫌いで、
教科書をいつも忘れていた、
僕の机の前にふじた先生が立つと、
もう逃げ場はなかった。


「ユーチ! !いつも何しに学校に
来てるんだぁぁぁぁぁぁ!!!」



その凄まじい迫力に完全にヘドロの
ようになった僕は、
消え入りそうな声で、


「……べ、べんきょうぅぅぅ。」



と答えるのが精一杯だった。

あんなに毎日叱られて、
怖かったはずなのに、
なぜか、ふじた先生のことは大好きだった。

なぜなら、子どもながらに分かっていたからだ。
ふじた先生の言っていることは、
いつだって100%正しかった。

叱るには、いつも僕のためを
思った絶対の理由があった。

あの頃の僕は、
勉強をしている『ふり』を
していただけだった。

本当は、勉強なんて
1ミリもしていなかったんだ。

サンスーファンタジーの
世界から逃げ出したように、
僕は現実世界でも、
ずっと勉強という
高い壁から目を背け、
ただただ逃げ回っていた。

叱られるのが嫌だから、
机に向かって鉛筆を持つポーズだけをして、
心は別のどこかへログアウトしていた。

でも、本当に僕は

「何をやってもダメな、
だらしなキング」


なんだろうか?

いや、違うんじゃないか。

あのサンスーファンタジーをやっているとき。
あの世界に夢中になっているとき。

僕の手は、
確かに自分の意志で
動いていたじゃないか!

あんなに恐ろしい敵の前で、
必死に頭を悩ませて、
自分の力で『答え』を出せていたじゃないか!!

僕は勉強が嫌いだった。
自分には才能がないと決めつけていた。

だけど、実は、

「やればできる!」


のかもしれない。

ふじた先生との時間を
思い出したことで、
逃げた僕の心に、
小さな変化が起こったんだ。


ユーチは、心の奥に
小さな炎を灯した!

Lv21:小3の担任 完/Lv22へ続く


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