【相続相談事例紹介】善意の贈り物が、まさかの大惨事を招く?
家督を譲る際、親が良かれと考える振る舞いが、かえって次代の重荷になる事例は少なくありません。
特に、所有する敷地を均等に切り離して渡そうとする試みは、受け手の本心を置き去りにしている恐れがあります。
今回は、相続の相談会で印象に残った事例を紹介します。
相談者の状況
今回の相談者は、70代後半の男性です。
家族構成
家族構成は、以下の通りです。

夫(相談者):70代後半
妻:70代後半
長男:医師
二男:医療機関に勤務(技師)
相談者夫婦は、広島市内に在住で、子供2人は実家とは別の場所に住居を構えている状況です。
資産状況
◆夫の資産
・自宅の土地・建物(約100坪)-土地の一部は賃貸用地
・現預金
・生命保険
◆妻の資産
・貸し駐車場用地(約60坪)
・現預金
・生命保険
相談内容
相談者の想いは、以下の通りです。
・子供2人に相談者(夫)の土地(自宅)と妻の土地(貸し駐車場)を遺してあげたい。
・土地を平等に引き継いでおけば、万が一の時でも生活に困らないだろう
・平等に引き継ぐため、生前に土地を半分に分筆しようと思うが、その判断は正しいのか聞きたい
相続対策の本質とは何か?
皆さんならこの相談について、相談者が聞きたい「生前に土地を半分に分筆する」という選択肢が正しいと思いますか?
この情報だけでは、「判断はできません」というのが今言える最大限の答えです。
※土地の分筆とは
登記簿上、「1つの土地(一筆)を複数の土地に分ける手続き」のことです。
土地は「筆(ひつ)」という単位で数えられますが、分筆を行うことで、バラバラの地番を持つ独立した土地として扱うことができるようになります。
本当に子どもたちが土地をを欲しいと思っているのか?
この相談について、判断できないと言った理由は、以下となります。
子どもがその土地を欲しいと思っているか?
その気持ちを確かめていないのに、土地を分筆することがベストな選択か否かはわかりません。
分筆した後に、例えば長男がいらないって言えば、必然的に二男が引き継ぐわけですが、意味もなく二つに分かれた土地を二男は引き継ぐことになります。
これは、分筆をするだけ労力とお金が無駄だったことになります。
できる対策はあるのか?
今回の相談者が相談した「土地の分筆」ですが、これはあくまでも「親の希望」です。
言い換えれば「一方通行」の道路です。
実は、相続の現場では「一方通行が多い」のが現実です。
だから、もめるんです!!
不動産は、一度所有すると長い付き合いになることがほとんどです。
時には、あまりお金にならず管理費用(コスト)の方が多いことだってあります(むしろ、最近多い)!!
時に、不動産を引き継いだ子世代が、不動産で苦しむことだってあり得ます。
このような、親の一方的な思い込みだけで、不動産を引き継ぐのは危険です。
まずは「対面通行」を目指しましょう。
別に難しい事ではなく、子どもに意思を伝え、考えを聞いてみるだけで充分です。
この子どもの意思表示を確認した上で、対策を練るのがベストです。
まとめ
相続の本質は、一方的な思い込みではなく「家族の対話」にあります。
今回の事例では、土地の分筆を急ぐ前にお子さんの本音を聞いてみることが先決です。
今後も役立つ相続の知恵を発信します。
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