景観誘導地域等における音環境政策の提案
大阪市の景観政策、ウォーカブル政策及び公共空間活用施策に関連し、「音環境」を都市景観形成要素の一つとして位置付けることについて、ご提案申し上げます。
現在、大阪市では、景観法に基づく景観計画、屋外広告物制度、御堂筋をはじめとする景観形成推進施策、なんば広場等におけるウォーカブル空間整備、道路・公園空間を活用した賑わい創出等が進められているものと理解しております。
また、騒音・生活環境行政については環境局、道路使用については警察署、道路占用については建設局、公園使用については公園管理者等、それぞれの制度目的に応じて運用されているものと認識しております。
一方で、現状の制度運用は、
・騒音規制
・道路交通管理
・道路占用管理
・公園使用管理
・景観形成
・都市魅力形成
等が、それぞれ別制度として整理されている側面が強く、「音環境」を都市景観や滞在空間形成の観点から総合的に位置付ける制度は、比較的限定的であるように見受けられます。
近年の大阪市は、国際観光都市・国際交流都市として、インバウンド対応、御堂筋将来ビジョン、ウォーカブル政策、滞在快適性向上、公共空間活用等を強く推進しており、「歩いて楽しい都市空間」「滞在したくなる都市空間」の形成が重要視されているものと考えます。
そのような中で、都市空間の価値は単なる視覚的景観だけでなく、
・歩行者快適性
・滞在体験
・観光体験
・静穏性
・音環境
・サウンドスケープ
・心理的圧迫感の有無
等を含めた総合的な都市体験として捉える必要性が高まっているのではないでしょうか。
特に、景観誘導地域や重点エリア等において、
・長時間の高音量活動
・過度な拡声器使用
・歩行者滞在環境を著しく阻害する音環境
・夜間時間帯における反復的大音量活動
・公共空間利用時の過度な音響演出
・イベントや観光空間との調和を欠く音利用
等については、単なる騒音規制ではなく、「都市景観・滞在環境形成」の観点からも一定の配慮誘導を検討する余地があるように感じております。
もっとも、表現の自由、集会の自由等との関係には十分な慎重性が必要であり、思想・政治的内容規制ではなく、時間・場所・方法等の外形的態様に着目した制度設計が前提であると考えます。
その上で、今後の検討可能性として、
・景観誘導地域における音環境配慮ガイドライン
・道路使用や公園使用時の音環境配慮事項
・ウォーカブル空間における音環境マネジメント
・滞在快適性を踏まえた公共空間運用指針
・景観形成重点地区等における音利用配慮の考え方整理
等について、都市魅力形成政策の一環として検討余地があるのではないかと考えます。
世界的観光都市においては、視覚景観のみならず、静穏性や音環境も都市体験価値の一部として重視されつつあります。
大阪市においても、今後の都市魅力形成、観光政策、ウォーカブル政策及び公共空間政策の一環として、「音環境」を都市景観形成要素の一つとして位置付ける可能性について、ご検討いただけますと幸いです。
