短編小説 「空っぽの日常」
日曜の朝、目が覚めた。カーテンのすき間から光がのぞいている。
トースターのレバーを下げ、食パンを焼く。「カシャ」と飛び出したそれにバターを塗って、一口かじる。――うまい。でも、特別じゃない。いつもの味だ。
かじりながら、ぼんやり考える。だけど、何も浮かばない。テレビをつけても、リモコンを持つ手が止まる。ニュースも映画も、ぜんぶ遠くの出来事みたいだ。
洗濯機が回っている音を聞きながら、ソファに沈む。何も考えてないのに、考えてるような顔をして天井を見つめる。カーテンがゆらゆら揺れて、埃がきらきら光る。それを見て、「まあ、いいか」と思う。
気がつけば、時計の針は十一時を指していた。昼ごはん、何食べようか――と考える。でも、何も思い浮かばない。カレーもラーメンもピザもピンとこない。冷凍庫を開けても、どれも“今じゃない”気がして、結局そのまま閉めた。
ソファに座って天井を見上げる。カーテンの隙間から、光がゆらゆら揺れている。それをぼんやり眺めながら、ああ、なんかいいな、と思った。何もしてないのに、時間だけがやわらかく流れていく感じ。
頭の中が空っぽのままって、意外と気持ちいい。いつも何か考えて、焦って、時間を詰め込んでいた。今日はそれがない。ただのんびり、ぼーっとしてるだけ。秋の風がカーテンを揺らす。
何も思いつかない日って、案外いいのか。何かをしようとしないから、焦らなくていい。今日という日は、ただ今日として過ごせばいい。
ふと、「さて」と口に出した。理由はない。ただ、体が少し動きたがっていた。気がつけば、風呂場に向かっていた。
タイルの床にしゃがみ込み、ブラシでこすり始める。蛇口から出る水が、ぴしゃぴしゃと音を立てる。洗剤の泡が、光を反射してキラキラしている。
「……ああ、こういうのも悪くないな」
考えずに動いていると、心が軽くなっていく。頭が空っぽだと、どうでもいいことが楽しくなる。掃除って、ちょっとした瞑想みたいだ。。
何も思いつかない日だった。でも、それもいい。何かを思いつかなくても、ちゃんと一日は終わる。明日になれば、また何かが浮かぶかもしれないし、浮かばないかもしれない。
それでも、どっちでもいい。今日みたいな日も、悪くない。
「さて、風呂でも入るか」
そう言って、笑ってみた。
何も考えずに笑えたのが、今日一番の収穫だった。
お知らせ
以前『名もなき雨』を朗読してくださった、
朗読家・吉史あんさんが、
今回 よしまるさんとコラボ企画を開催しています。
ぜひぜひ参加してみてください!!
時間を割いてくれてありがとうございました。
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空っぽ空っぽ
ฅ(`ꈊ´ฅ)キェェェー
さて、パソコンでも掃除するか。
テヘペロ(*≧∀≦*)
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ビラビラで空を飛ぶ