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ヤマザキマザックの工作機械博物館に  行ってきた

ここは、話には聞いて行きたいと思っていた博物館です。博物館のある場所は岐阜県美濃加茂市で普段近くを通ることもありません。案内で見ると、中央西線多治見駅から太多線に乗り換え美濃太田駅へ行き、さらに長良川鉄道で一駅行った先が最寄り駅です。地図で見ると美濃太田駅から歩いても行けそうな距離なので歩くことにしました。スマホの地図を見ながら行けば迷うことはありません。美濃太田駅を出るとすぐに公園があり、そこにあった看板を見てこの辺りが堂上蜂屋柿の産地であったことを知ります。

堂上蜂屋柿の産地であったことを示す案内板

工作機械は機械を作るための機械です。それから生み出される製品が一般消費者への商品となるので、世間一般の人から見れば直接の縁のないB2Bの業態です。私の所属している会社も同じくB2Bなのでヤマザキマザックさんはとても関心のある会社です。

ピラミッド型の入り口

 外から見るとピラミッド型の入り口があるだけで博物館の建物は見えません。博物館全体は地下に建設されています。エレベータで地下2階の展示室に行くと工作機械の歴史と「丸く削る」「平たく削る」「穴を開ける」「ネジを切る」の四つの加工要素の機械が展示されており、古いものでは古代エジプト時代の機械を再現したものもあります。近代の装置ではボール盤、フライス盤、ホブ盤など学生時代に機械概論の授業で聞いたことのある機械たちが稼動可能状態で並んでいます。


昭和初期の工作機械群、奥にT型フォード

工作機械で作られる物の例として実物の蒸気機関車D51、自動車のT型フォード、飛行機やヘリコプターが展示されています。総重量100tもある蒸気機関車の実物をよくもまあ、この地下2階まで運び込んだものです。T型フォードの横には昔のガソリンスタンドにあった給油装置も展示してあり、「こうやって計量していたのね」というのがわかります。

この博物館ではマザックを定年退職された方が説明員として活躍されていて、装置を実際に動かしたりしながら説明をしてくれます。実際に使われていたものの、古くなって屋外で雨ざらしのまま放置されていた工作機械をベテラン作業員が丹念に修復し動かせるようにしましたというお話もして下さいました。


普通のハンドルに見えるが

中でも、特に深い印象を受けたのはマザックの工作機械への設計思想についての説明です。工作機械を作る会社は世界には多数あり工作機械としての性能が優れていることはもちろんですが、その上に「作業者がまた使いたくなる機械、触りたくなる機械」が設計思想にあるというのです。我々も装置として売り出すものは、「使いやすい、メンテナンスしやすい」、という事は念頭にありますが、使いたくなるとはどういう事か?と思っているとその事例を示していただきました。それは一見すると単なる扉の取手ですが、「握ってみて下さい」と言われて握ってみると思っていたよりはるかに握りやすいです。握る部分の裏側のところに微妙な突起があります。「この部分はイタリア フェラーリを設計しているところに依頼しました。」という説明でした。機械の性能とは直接関係のない所、言ってしまえばどうでも良いところ、我々だったら経験の浅い設計者の練習にでもさせるような部分にお金を掛けて社外に発注する。この思想には驚きました。そう言われて改めて装置の外観を見ると装置外枠のコーナー部も凝ったデザインになっているのがわかります。なるほど、自動車の細部にまでこのような配慮をするからイタリア車は高価になる、というのが想像できます。きっとまた座りたくなるシート、握りたくなるハンドルになっているのでしょうね。

自転車の形に切り出した鋼板

レーザー加工機の実演をするので見て行きませんか、と声を掛けられそれも見せてもらいました。自転車の形に切り出した鋼板がありましたが、それを実演してくれます。出力が6kWもあるレーザーです。わずか70秒ほどで複雑な形状が簡単に切り出されて行きます。この自転車のトップチューブの上にはさらに小さな自転車まで削り出している芸の細かさです。

地下2階を後にして、地下1階に行くと無人で稼働している部品加工工場を見ることができるようになっています。このエリアは撮影禁止になっています。最後にはシアターがあって巨大な工作機械が作られていく工程を見ることができます。シアターを見て、この部分こうなっているのか!と気付いてもう一度地下2階に戻って実物を見直してきました。

 この博物館では、子どもがものづくりの体験ができる教室もあって子連れで来ても楽しい所です。

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