革靴も悪くないーTimberlandの3eye classic lug
Timberlandの3eye classic lug。
ちょっと重くて、ゴツい。
いわゆる「スマート」な靴ではないかもしれない。
でも不思議と、落ち着くんですよね。
どこか、今の自分にちょうどいい感じがして。
靴箱の前で迷うこともないし、足を入れた瞬間、「あ、これだな」って腑に落ちる。
その感覚が、なんだかうれしい。
こんなふうに自然と選んでしまう靴と出会うとは、自分でもちょっと驚いてます。
というのも、「一生VANSしか履かない」って、本気で思っていた時期もあったから。
ローテクのスニーカー。
軽くて気楽で、どんな格好にもそれなりに馴染んでくれる。
それ以上に、まとっていたのは空気感。
スケートボードの匂いとか、古着屋で見つけたTシャツとか、ヘッドフォンから流れるあの感じとか。
VANSを履くことで、自分の輪郭がちょっとだけくっきりするような気がしていた。
「ハイテクなんてダサい」
「革靴なんて別の世界」
若い頃はそんなふうに思っていた。
でも気づけばその“こだわり”も、少しずつ角が取れて、やわらかくなってきたみたいです。
ある日ふと、「あれ、スニーカーじゃなくてもいいのかもな」って思った瞬間があって。
今思えば、それが自分にとってはちょっとした革命だったのかもしれない。
実際にTimberlandを履いてみると、これが意外と、というか、ちゃんと良かった。
ずしりとした重さがあって、それが逆に、足元を地面にしっかり繋ぎとめてくれる感覚。
洗いざらしのジーンズにも、少し背筋を伸ばしたジャケットにも、すっと馴染んでくれる。
そして何より、履けば履くほど革が自分の足に寄ってきて、少しずつ育っていくような感じがある。
スニーカーが「駆け抜ける時間」だとしたら、この靴は「歩いていく時間」。
その違いを、今はなんだか楽しめている自分がいます。
もちろん、VANSのことは今でも好きです。
雑誌で見たあの足元に憧れた日も、街角で感じたあの空気も、ちゃんと覚えてる。
“Unending Initial Impulse”って、ちょっと気取って言うなら、そんな火種は今も心の奥にちゃんとある。
でもその火種のまわりに、いつの間にか「余白」ができていたみたいで。
「それもいいかも」って、受け入れられるスペース。
昔なら一蹴していた選択肢にも、少しずつ心が開いていく感じ。
Timberlandを履いてみたことは、ただの“新しい靴”の話じゃなくて。
「こうあるべき」と思い込んでいた自分の靴ひもを、少しだけ緩めてみた瞬間だったのかもしれません。
……なんて、ちょっと偉そうに語ってみたけれど、
正直なところ、いまでも鏡の前で迷ったりしてます。
「今日はやっぱりVANSの方が気楽かもな」って、小さく首を傾げたりしながら。
でも、その“揺らぎ”も含めて自然だし、豊かだと思えるようになりました。
スニーカーを履く日もあれば、革靴を履く日もある。
その日の気分と、向かう場所にあわせて、足元を選ぶ自由。
それってすごくいいことだなって。
で、今日の気分は、やっぱりこのTimberland。
数年前の自分が今の自分を見たら、「おいおいマジかよ」って笑うかもしれないけど、
でも、胸を張ってこう言えるんです。
うん、革靴も、悪くない。
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