(旅行記) 変わらないホノルル旧市街と変わりゆく街カカアコを歩く。
ワイキキの華やかな喧騒を少し離れて、今回はトロリーと徒歩でホノルルの街を巡った思い出を綴ります。
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ハワイの歴史を感じる
リゾートとしてのハワイの顔ではなく、ひとつの都市が経てきた「変遷の速度」に惹かれて、ホノルルの旧市街へと足を運びました。
100年以上前の静寂をそのままに留めるミュージアムがある一方で、街のいたるところでは、古い倉庫が鮮やかなアートで塗り替えられ、新しい姿へと更新され続けている。
「古くから守られてきたもの」と「新しく変わり続けているもの」。その両方がすぐ隣り合わせに共存している風景を眺めていると、ホノルルという街の奥深い面白さを改めて感じることができました。
1. ビショップミュージアム:100年の静寂と大地の鼓動
最初に訪れたのは、ハワイ最大の博物館「ビショップミュージアム」です。
19世紀末に建てられた重厚な石造りの本館(ハワイアン・ホール)は、アメリカ国内で見ても屈指の歴史を誇る建築物。ハワイがまだ王国だった時代、亡き王女ベルニス・パウアヒ・ビショップを偲んで築かれたこの建物は、それ自体がハワイのアイデンティティを守る聖域のようです。



カリヒの丘から切り出された重厚な溶岩石の外壁。中に入ると、外の熱気が嘘のような静謐な空間が広がります。内装や展示ケースには、ハワイ特有の高級木材「コアウッド」がふんだんに使われ、100年以上の時を経た職人の細密な手仕事が、今もなお現役で空間を支えています。

中央の吹き抜けには、1901年からずっと吊るされているという巨大なクジラの標本がある。ホノルルの街が急速に近代化していく中で、120年以上も変わらずにここで来場者を見守り続けてきたという事実に、歴史の重みを感じます。



真新しい別館(サイエンスアドベンチャーセンター)にある火山の成り立ちを学ぶ体験展示は、子供も楽しみながら学べる非常に興味深いものでした。火口から溶けたロウが噴き出し、それが積み重なって一つの島を形成していく様子を再現できる仕掛けは、シンプルながらも「島が生きている」実感をダイレクトに与えてくれました。

2. ダウンタウン:王室の誇りとハワイの近代化の歴史
続いて向かったのは、イオラニ宮殿を中心に広がるダウンタウンです。
米国唯一の宮殿であるイオラニ宮殿の凛とした佇まいは、周囲の喧騒とは一線を画す、王国時代の品格と重みが今も静かに息づいています。


※スマホがバッテリー切れで写真がなかったので公式からお借りしてきました。
イオラニ宮殿で驚くべきはその先進性。この宮殿に電気が通ったのは1887年。なんとアメリカのホワイトハウスに電気が導入されるよりも4年も早かったそうです。電気、電球の仕組みを、カラカウア王自らエジソンより学び、イオラニ宮殿に、発電機と電球を取り入れたエピソードが伝わっており、当時の王族がいかに先進的で、驚くべきスピードで世界の最新技術を取り入れようとしていたかが伝わってきます。
歴史的な石造りの建築物が並ぶ落ち着いた街並み。しかし、そのすぐ隣にはさらに新しい技術で建てられた現代の高層ビルがそびえ立っています。ハワイがいかに早いスピードで近代化の荒波を駆け抜けてきたか。その時間の重なりが、このエリアには凝縮されていました。

※スマホがバッテリー切れで写真がなかったので、るるぶさんからお借りした画像です。

1926年建設のこちらの建物もアメリカ合衆国の国家歴史登録財に認定されている。
少し足を伸ばして、港に立つアロハ・タワーにも立ち寄りました。1926年に建てられ、かつてはホノルルで最も高い建造物として、船で訪れる人々を迎えてきた海の玄関口。かつてはここが「世界への窓口」だったという歴史を感じさせます。
3. カカアコ:上書きされ続けるアートの街
日を改めて、最後に訪れたカカアコは、かつての倉庫街としての風情を残しながらも、常に「今」へと更新され続けているエリアです。


もともとは塩田や魚の養殖場があり、その後は自動車整備工場などが並ぶ無機質な工業地帯だった場所。現在、その灰色の壁を彩る巨大なウォールアートが街のシンボルです。その姿はまさに「古い記憶」を「新しい文化」で塗り替えていく、ハワイの代謝の早さを象徴しているようです。




ここのアートの面白い点は、それらが決して「永久保存」ではないことです。数年ごとに新しい作品へと塗り替えられるため、訪れるたびに街の表情が変わります。無骨な倉庫の配管やシャッターをそのまま活かしながら、最新の色彩で上書きしていく。そこには、日本のアニメにインスパイアされたキャラクターが描かれていたりと、多国籍な文化が混ざり合うハワイらしい寛容さも感じられます。
4. 変化の速度こそが、ホノルルの「味」
歴史を石に刻んで100年以上守り続けるビショップミュージアムと、猛スピードで変化を上書きしていくカカアコ。
今回の街歩きを通じて見えてきたのは、急ピッチで近代化を遂げてきたこの島の等身大の素顔でした。古い記憶を大切に抱えながらも、凄まじい勢いで新しい価値観が上書きされていく。その矛盾すら飲み込んで突き進む変化の速さこそが、今のホノルルが持つ本当の「味」なのかもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。あらためて歩いてみると、やはり街の歴史に触れるのは楽しいですね。単なる景色として眺めていた場所が、背景を知ることで急に奥行きを持って語りかけてくる。そんな発見があるから、街歩きはやめられません。
今回の記事が、皆さんのハワイ歩きの新しい視点になれば幸いです。もし気に入っていただけたら、「スキ」を押していただけると励みになります。
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