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思い出は何色? インクボトルのある景色

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道具をきっかけに、ふと思い出が蘇る。そんな瞬間が好きだ。
自分にとってのインクも、そういうもののひとつ。旅先でその土地らしいものを見つけたり、記念日に贈られたり。そんな風にして手元にやってきたボトルには、それぞれの記憶が紐付いている。

​仕事ではボールペンなどを使うことが多く、もともと万年筆を頻繁に手にするわけではない。そのため、ボトルからインクを吸い上げる機会もそれほど多くはなく、インク自体の稼働率は決して高くはない。
それでも、デスクの棚に並ぶボトルたちは、自分にとって欠かせない風景になっている。

​家族の歩みと重なる色

​旅行先では、その土地の空気を思い出させてくれる「ご当地インク」を探すことが習慣のようになっている。

​琉球シーサー:沖縄は、一人で、結婚前後に二人で、息子と三人で、そして娘が加わり四人でと、何度も訪れている思い出深い土地だ。このインクは家族四人で行った際に手にしたもの。伝統的な「やちむん」を思わせる、温かみのある茶色だ。

​桜島火山灰:家族に縁のある鹿児島は、たびたび訪れる場所だ。温かい人柄や美味しい食べ物、きれいな景色が魅力で、行くたびに新しい思い出が増えていく。このインクは、以前息子と霧島(韓国岳)へ登山に行った際、その旅の過程で立ち寄った鹿児島市内で手にしたものだ。現地で目にする、リアルな「へ(灰)」の色が再現されている。

​これらは単なる筆記用具というより、目にするだけで当時の景色や空気感をふっと思い出させてくれるきっかけを与えてくれる。

​特別な意匠と香り

群馬を訪れた際に出会った三田三昭堂の「墨インク」も、お気に入りのひとつだ。

呉竹と共同開発されたこのインクは、江戸切子を模した美しいガラスボトルに入っている。棚の中でもその精緻なカットは一際目を引く。

​このインクのもう一つの特徴は、香りがあることだ。「紅梅」や「珈琲」といった香りがついており、家で静かにメモや落書きをする際、書いた後の紙からふわりと漂う微かな香りは、アナログならではの体験を与えてくれる。

他にも檜、薄荷、麝香、龍脳、伽羅など

​記念日の景色

​自分自身で選んだものだけでなく、人から贈られて手元にやってきたインクもある。
​ペリカンの「エーデルシュタイン」は、家族から誕生日プレゼントとして贈られたものだ。

​写真はアパタイト(2022年限定カラー)、​ローズクォーツ(2023年限定カラー)。

​宝石のような輝きに加え、贈られた年の限定色であることで、家族の歩みと重なる大切な一瓶になっている。


​思い出の色

​​自分にとって、これらのインクは実用性だけで測るものではない。仕事の合間にふと視線を移したとき、そこに旅の記憶や家族との時間が「色」として並んでいる。その風景があるだけで、気分が少し上がるのだ。
​写真が飾られているのもいいけれど、色とりどりの思い出が瓶に詰められ、棚に並んでいる。そんな景色がそこにあるというのも、なかなかいいものだと思っている。

​お気に入りを手軽に楽しむ

ボトルインクをもっと手軽に楽しむなら呉竹の「からっぽペン」がおすすめです。せっかくのインクなので眠らせずに日常使いにしていくのも楽しいです。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。皆さんのデスクにも、ふとした時に心を解きほぐしてくれるような、お気に入りの景色はありますか。
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​次回は、万年筆についても少し書いてみようと思います。

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