#224 | cittoの記録 | トイレットペーパーの芯ひとつで、家の空気が壊れた夜
**citto(チット)**です。
読みに来てくださり、ありがとうございます。
昨夜、家の中で大きな喧嘩になった。
原因は、2階のトイレの便器の中に落ちていたトイレットペーパーの芯だった。
本当に些細なことだ。
けれど、そのあとに起きた出来事は、
わたしにとって「いつものしんどさ」を一気に呼び起こすものだった。
今日の記録を残したいと思います。
呼ばれた先で知らされたこと
そのとき、わたしは寝室でNetflixを見ていた。
ようやく一息つける、貴重なリラックスタイムだった。
そこへ、寝室のドアが開き、パートナーにトイレに来てと呼ばれた。
内容はこうだ。
「トイレの便器の中に、トイレットペーパーの芯が落ちている」
「息子じゃないか」
「替えのトイレットペーパー1つもなかったから、芯を使って流そうとしたんじゃないか」
そう言われた。
わたしには、断定できなかった。
そうかもしれないし、違うかもしれない。
決定的な証拠はないし、本人に聞いても正直に話すとは限らない。
だから、こう答えた。
「もう、片付けるしかないと思う」
取り出されたあとに残っていたもの
そのあと、パートナーはトイレから戻り、
わたしとは口をきかないまま寝てしまった。
わたしもNetflixを見終え、
そろそろ寝ようと2階のトイレへ行った。
そこで見た光景に、言葉を失った。
便器の中に落ちていたはずの芯が、
トイレの床にそのまま置かれていた。
ぺとんぺとんに濡れて、解体された芯。
悟った。
パートナーは取り出したけれど、頭にきて、そのまま放置したのだと。
怒りが、形を変えて置かれているように見えた。
わたしは黙って片付けた。
除菌シートで床もきれいに拭いた。
話を聞いてもらえなかった夜
そのあと、息子に状況を聞こうと思い、部屋をノックした。
ドアを開けると、ヘッドフォンをつけて友人とゲーム中。
こちらに気づいているはずなのに、目を合わせない。
手を振って合図をすると、「無理」と言われた。
1分ほど待ってみたが、何も変わらなかった。
わたしはドアを閉め、寝室に戻った。
その夜、なかなか眠れなかった。
翌朝の謝罪と、昼の話し合い
翌朝、パートナーは謝ってきた。
「俺も大人げなかった」と。
お昼に家族4人が揃ったところで、この話をした。
すると今度は、
息子が「自分が疑われている」と受け取り、不機嫌になった。
「俺を疑ってるの?」
「それより、拾ったものを床に置いたままなのはどうなの?」
場の空気が、一気に固まった。
自分がゲームをして、こちらの話が話したいのに、
パートナーとわたしを無視したことなんて、完全に棚上げ。
あの夜、指まで立てて、しーっと言われた腹立たしさを思い出した。
わたしは頭にきて、
「友だちとゲーム中なのは分かったけど、
話したいことがあるときはどうすればいいの?
緊急の場合はどうすればいいの?」
「そんなの緊急っていえばいいじゃん。
LINEだってあるし。」
と息子は言う。
もう無理だと思った。これ以上は会話が成立しない。
これ以上続けても、意味がないと感じて、話を切り上げた。
感情ではなく、生活の話として
ただ、このまま終わらせたくないと思い、
わたしは具体的な提案をした。
・トイレが詰まると、修理に数万円かかること
・入る前に、トイレットペーパーの在庫を確認すること
・なければ補充すること
・指定の場所になかったら、わたしに聞いてほしいこと
・トイレットペーパーの芯は、必ずゴミ箱(自室)に捨てること
公衆トイレでも、トイレットペーパーの在庫を必ず確認してから入ること。
それが難しければ、流せるティッシュを持つこと。
誰が悪いか、ではなく、
どうすれば困らないか、という話として。
「なめられている」と言われた夜
その日の終わり、娘と少し話をした。
今日の出来事について、どう思ったかを聞いた。
娘は、少し考えてから言った。
「お母さん、お兄ちゃんになめられてると思う」
「もっと怒っていいし、キレていいと思う」
「それができないなら、パートナーに怒ってもらった方がいい」
どうせ、お兄ちゃんは明日になったら忘れてるから、とも言った。
その言葉を聞いたとき、
胸の奥が、ぎゅっと縮んだ。
なめられている。
その一言で、
これまで自分がしてきた選択や、我慢や、避けてきた争いが、
全部、否定されたような気がした。
わたしは、弱いから黙っていたわけじゃない
でも、少し時間がたってから思った。
わたしは、怒れなかったわけじゃない。
ただ、怒りが家の中に広がるのが、どうしても怖かった。
争えば勝てるかもしれない。
正論を言えば、通るかもしれない。
それでも、
家の空気が壊れることの方が、ずっとつらかった。
それは、わたしの生い立ちとも、無関係ではない。
怒りやすい親の顔色を見て過ごした家で、
ピリピリした空気の中では、安心して休めなかった。
だからわたしは、
争わないという選択を、何度もしてきた。
それでも、一人で抱える必要はないのかもしれない
娘の言葉は、きつかった。
でも、全部が間違っているとも思えなかった。
わたし一人が飲み込むことで、
家のバランスを取ってきた部分も、確かにある。
これからは、
娘やパートナーの考えも借りながら、
役割を分けていく必要があるのかもしれない。
怒る役。
伝える役。
守る役。
全部を、わたし一人が背負わなくてもいい。
さいごに
家族の中で、
「自分ばかりが飲み込んでいる」と感じたことはありませんか。
それは、弱さでしょうか。
それとも、生き延びるための知恵でしょうか。
みなさんは、
家の中での役割を、どう分けていますか?
わたしは、パートナーに自分の子どもたちを怒る役をしてもらうことに、
まだためらいがあります。
でも、それも含めてよく考えるべきだと改めて感じています。
というより、そもそも、こんなに子どもたちが大きくなっているのに、
こんな話で家族会議するなんて、と情けなくもなります。とほほ。
今日は、このへんで。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
おまけ
今日はパートナーと二人で「うに」と「月」を連れて公園に行った。
相変わらず「月」は歩かないので、「うに」との歩調が全く合わない。
なので、わたしが「月」と一緒に長い時間をかけてお散歩をした。
帰り際、散歩中のおばあさんが声をかけてくれた。
「歩きたくなくなっちゃったのね」
そこから、ご自身が飼っていた犬たちの話を聞いた。
15年前の東日本大震災のあと、
ストレスのせいか、様子がおかしくなってしまい、
その後亡くなったという、胸の痛くなる話だった。
今は猫を飼っているという。
高齢だから、散歩が大変でね、と笑っていた。
「動物は、一人になっても癒しをくれるわよね」
その笑顔が、心に残った。
ほんの10分ほどの会話だったけれど、
その人の人生の一部を、そっと見せてもらった気がした。
「月」を抱っこして帰りながら思った。
この体温を、このやわらかさを、
ずっと忘れたくないな、と。


